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蓬莱の妃 2章2節 《火の章》 §9(終わり)




前振り・ご挨拶



いつも来て戴き有難うございます。
一応このセクション、そしてこの節にてこのシリーズの前半が終了しました。
このサイトに転載しながらも色々間違いの訂正や書き方を変えたりして、まだまだ正確な文章を書き切れてないなぁと反省の言葉しか浮かびません。

私の宣伝下手が災いになっているのかなとも思ってドツボにハマっている感も有りますが、一度始めた事なので何とかしてやり切りたいなぁと。

で、この次の章に当たる2.5章は先日アップしたばかりになります。お読みになる場合はこちらにてお願いいたします。


それでこの章(2.5章)の分割掲載は早くて2ヶ月後ぐらいになります。更にこの続きになる3章は執筆したばかりなので当分先になります。
では、それまではお待ちくださいませ。




登場人物



 アルガナ(本名 トゥーラット・アル・モルガナリアス Toratt Al Morganalias):亞人と人間のハーフ。現在高校生の非常勤軍属の子。元『仲介者』佃氏と知り合い。来春高校卒業して、軍属を続けながらも佃氏の会社に就職予定。

 佃 義仁(つくだ よしひと):元『仲介者』、現在はフリーランスの能力者稼業をしている。姉妹とは2年前の事件で(当時は国交省の仲介者)首謀者の一人として敵対をしていたが、その事件を機に退職し元仲介者として活動し始めて定期的に姉妹と一緒に仕事をする様になった。

 フレデリック・E・ウォズニアック(Frederick Edger Wozniak):千葉県成田市内のとあるコンテナハウス内にてフリーの量子プログラマーをしており、量子世界では【分析活動】と『本体』と会話できる数少ない人間という事で宮内輝夜とは《量子ネット》で繋がっており、輝夜にとって数少ない信頼されている人間の一人。
 大昔の血縁でパーソナルコンピュータの共同開発をしていた人間がいて、フレデリック自身はウォズニアック家という人間家系とモルガナディアスの亞人家系のハーフ。モルガナディアスでの名はマージ・モルガナディアス。

 アジル・オーリー(Agile Ollie):千葉県成田市内にて量子プログラマーをしている。フレデリックの同僚。能力者でありハーフさんで、主に量子世界での【諜報活動】のエキスパート。元アサシン。

 黒田 光流(くろだ みつる):姉妹の名付け親であり二人の世話人。二人の世話以外にも地元の観光協会認定のトレッキングコンシェルジュ。父親の影響で発掘調査や古文書解読も。能力者であるが本人の希望で今のところ未開発。




§9 デカブツさんにとって世界一大事なお客さん【午後7時過ぎ アルガナ、佃語り】



《佃とアルガナは警戒網を掻い潜って、本来の目的地である太平洋沿いの街ではなく成田市内にて秘密の研究をしている佃の知り合いが主をしているコンテナハウスまで到着する事が出来た。
佃と建物主であるフレデリックとアジルというハーフは今後の対応と『デカブツ』さんからの依頼を果たす為にとある人間を待っていた。》



(午後7時過ぎ、成田市内にて アルガナ視点)


 佃さんがこのコンテナハウスにあるとてもハウス内とは思えないぐらいの豪華なバスルームでここ二日間の逃亡生活をしていた時の汚れとか疲れを癒している間、僕はこのハウスの『住民』であるフレデリックさんとアジルさんから僕のこれからについてのアドバイスや提案を戴きました。

 その二人が今してきた提案について僕はそれについて幾つかの質疑応答をした後、それらについて僕が風呂に入っている間に佃さんからの了承済みとの事だったので僕は納得したので二人からの提案に乗ることにしました。

 それに昨日の埼玉での崩落事件の主犯として先程イーティさんの処刑が報道されて、イーティさんの依頼で一緒にいた僕や繋がりの有る佃さんにも手が及んでおりますので、僕達は現在《お尋ね者》という事になりぶらぶらと出掛ける身分では無くなったみたいです。

 でも、単にこの場所で雲隠れをしているだけでは勿体ないとの事でフレデリックさんの方から僕の能力向上や足りない部分へのトレーニング等を行う事にしました。

 それらの話が丁度区切りが良いタイミングで佃さんが風呂から上がってきて、アジルさんが佃さんのご注文通りの冷えたビールとつまみになる物を二つほど用意されて、私たちが無事此処に到着した事に対してのささやかながらの【宴会】が始まりました。
 併しながら、三人ともお酒をちょっと遠慮気味な感じでしたから佃さんにその辺をお訊きすると、

 「さっきフレデリックがこの後7時半過ぎに此処に【大事なお客さん】が来ると言っていたから、此方としてあまり酔っている姿で迎えると失礼にあたるかなと思いセーブをしているんだ。
 因みにその方は富士吉田から来られる方だ。俺にとっても大事なお客さんでも有るな。」

 「と言うと、輝夜さんですか?」

 「・・・それは絶対あり得ない。だが、今言ったデカブツお嬢の関係者が来る。」

 「で、僕はその方とお会いした事は有りますか?」

 「んー、どうだろう。姉妹のお世話役さんだから事務的な要件でしか出て来ない。俺も彼とはネット経由で書類上でのやりとりが殆どだから実際に会うのはだいぶ久しぶりになるかな。」

 「と言う事で、佃さんだけではなく僕達も流石に酔っ払う訳には行かないんだよ・・・と言っている間にもう7時半になりそうだ。
 ・・・お、丁度ご到着したらしい。」

 「アル、お前の事を彼に紹介しておく。何しろこれから大変な事になるから彼にアルの事を知ってもらう必要があるかなと。だからと言って頑なる必要は無い。」

 と佃さんが言いながらも、昨日お会いした輝夜さんからも一目置かれている方と聞いて若干緊張の面持ちをしながら待っていました。


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富士吉田生まれ育ちの美人姉妹で能力者である宮内輝夜・咲夜姉妹が活躍するファンタジー小説の本編の2章目にあたる《火の章》の2節目の作品でこの…

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