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蓬莱の妃 1章1節 《水の章》 §1


ご挨拶・前振り


投稿の際にいつもいらっしゃっている方も初めて来られた方も、来て戴きありがとうございます。
私、物書きのふうりゅうこと、風吹しづると申します。

先月か先々月ぐらいにアップした作品である同タイトルの続きになります。
前章(0章)ではヒロインの二人が生まれた時の話と『とある調査』に出かけている時の事を書きました。
今回は調査に出かける話から事件や陰謀に巻き込まれてしまう章になります。

今回も既に電子書籍にて出版しているものを分割したものをこの章は8つに分けますので、宜しければ最後までお付き合いをお願いいたします。

因みに電子書籍版はこちらになります。一気読みをご希望の場合はこちらをお勧めします。

あと0章はこちらから購読できます。



前章までのエピソード


西暦2325年11月7日 山梨県富士吉田市東側地域安住地区にある宮内輝夜・咲夜姉妹という古くからこの地域においての【能力者】の家系を持って生を持った姉妹について、姉妹が産まれてからの世話人をしている黒田光流が姉妹の誕生した日の状況や現在の生活の状況を説明をしていた。



登場人物紹介


 宮内 輝夜(みやうち かがや):富士吉田市の代表的神社の一つである旧社明香神社の宮司をしている宮内家の長女。普段はニート女子をしているが、この地の古代にあったとされる『富士王国文明』の調査・発掘を行っている。その一方自らの美貌が災いにより(本人談)雑誌等にてファッションモデルをしている。元々宮内家の血筋として受け継がれているとされる能力により『仲介者』という仕事も行っている。能力において日本でも世界的でもトップクラス。

 宮内 咲夜(みやうち さくや):宮内家の次女。帝都東京大学出身で都内私立大学にて薬学研究の分野で大学院生をしながら個人企業の実質的代表者及び魔法使い研究SNSカンパニー『ウィッチ ド ブリュー』代表者。容貌は姉とは双子ながらも正反対の可愛らしさのある女性だが、言葉遣いに関して(特に姉に対して)は激辛でその他の人に対しては本人から壁を作っている節もある。彼女も姉と同様に能力者であり『仲介者』として活動もする事もある。



§1 姉様のお世話は・・・大変です【咲夜語り】


《宮内姉妹がJR中央線でもあり富士山梨交通富士山線の始発駅である大槻駅で都内に行く特急列車を待っていた。》


 西暦2325年11月7日、現在の時刻は10時50分。私は姉の輝夜と先ほど富士山梨交通富士山線の始発駅である大槻駅に到着しました。

 この駅はこの辺の鉄道駅の中では特段寂れている訳では御座いませんが周りには最低限な生活に必要なスーパーなどの店舗や市の施設や企業の支店・支所しか有りません。
 しかしながら、この駅はJRと富士山梨交通(通称フジコー、ヤマコーと呼ばれています)との乗り換え駅だけでは無く富士吉田市民並びに北麓沿線の人間にとっては重要な駅になっております。

 まぁ、普段車移動の人間にとっては一見『車移動で全部済ますことが出来るなら、電車という乗り物がなくても最早問題ないのでは』という外部からの意見も無い訳ではありません。
 それでも嘗てはこの鉄道を使って富士山方面への観光や登山、そしてこのフジコーのアミューズメント施設である【フジトレジャーランド】へ遊びに来る人の経済効果でこの北麓は成り立っていたとの話を父親や目上の人から聞いていました。
 しかし現在は火山活動が小康状態にはなってはいますけど、以前よりこの地域に来る方はすっかり少なくなりました。

 大槻駅に着く前に車内で河口湖駅で購入したお菓子を食べ切ってしまったため、私達はJR側の下り方面の構内にある無人コンビニで飲み切った飲み物の容器をリターナブルボックスに入れて新しい飲み物として水を選び、食べるものとしてスティック状のポテト菓子とグミキャンディーを2袋購入してからコンビニがあるホームと反対島の所に連絡通路を通って東京行きの列車を待っておりました。

 私の右隣には未だ半分寝ぼけていてだるそうに何とか立っている姉様がおります。
 この姉様は普段家から出ない『ニート生活』をしていますが、1ヶ月に1回程度都内まで嫌々ながらもモデルの仕事に出かけることがあります。(但し移動は殆ど黒田さん運転の車移動によるものです。)

 そのニート姉は身長180cm程度、上から88(だがまた大きくなっているのかも)、64、89という非常に『わがままボディ』なのです。
 顔立ちも黒髪のアジアンビューティの長い髪に若干切長な目をしながらもわざと前髪で隠しているという私から見ても美人という女性にとってパーフェクトな容貌をしています。

 それで私の体型はと言うと・・・身長155cm、3サイズは自慢出来ない程度にぺったんこです、以上。

 それで、今日の私達の服装は、姉様は家に居るようなTシャツのみのスタイルというのんべんだらりな物では決して無く、上は黒の襟に抑え目のフリフリがついているブラウスに黒革のミドルサイズのジャケットを羽織っており、下は御御足の捌きがしやすい黒のロングスカートで黒のぺたんこヒールの靴を履いています。
 私は姉様とは逆に白とクリーム色の生地が重ねられているワンピースでベルトは同じ生地で作ったものです。私の髪型は頑固な猫っ毛で若干天然の栗色が入っている髪色なのでミディアムとショートの範囲で猫っ毛を生かせるような物を試行錯誤中、靴は薄い紅色の合皮のぺたんこヒールを履いています。

 本当は姉様の身長に多少なり近づけるよう高めのヒールを履きたいのですが、どうもハイヒールを履いた時の歩き方を姉様に歩き方を教わりました。
 けど、あまりにも自分の不恰好の歩く様を見て、ヒールを履いて歩く事自体が無駄な努力と知ってから、今はすっかりぺたんこヒールの恩恵を享受しており専らヒール無しの靴ばかりになってしまいました。

 姉様は正直あまり目立ちたくないと常々言っておりますけど、思いとは反して駅構内で電車待ちの人間からの視線を受けまくっております。
 ある人はチラチラ視線を慌ただしくさせながら見ていたり、またある人は明らかに『ガン見』をして恰もお目目を『ハートマーク』にしている女子もいて色々な方々を釘付けにしています。
 特に若い女性にとっては女性ファッション誌でも人気トップクラスのモデルでもある姉様を『なんでこんな片田舎の駅に居るの?』と思っているのでしょうね。
 その私達を遠巻きに見ている女性達から時々歓声を上げながら自分たちの端末で私達の写真を撮っており、それらを写真系ネットシェアスペースにて拡散されている最中と思われます。

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3,029字
既刊している電子書籍が1記事1万字以内程度に収まるように再編集しておりますので空いた時間に読めます。

富士吉田生まれ育ちの美人姉妹で能力者である宮内輝夜・咲夜姉妹が活躍するファンタジー小説の本編の1章目にあたる作品になります。

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