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結婚式を挙げよう

挙式どうする


早いうちに記録しておきたいことの1つに、結婚式のエピソードがある。
それこそ「わざわざテキスト化しやんでも…」という気持ちがあるにはあるのだが、そんなことを言い出したら、世の中のブロガーやエッセイストに失礼な気持ちに勝手になってしまうので、書くことも勝手ではあるけれど、つらつらと記載していくことにする。

4月にいわゆる「婚約」をし、GWの連休を使って式場探しをすることにした。

そもそも私たちは2人とも、「結婚式、してもしなくてもどっちでもいいよね族」だったのだが、2人とも親が昭和の思考をベースに生きているので、式は挙げて当たり前、かつそれを楽しみにしていることもだいぶ感じ取っていた。そのため、小規模であればやってもいいかあという気持ちで、リサーチすることにしたのである。

夫の福利厚生的な抽選が当選し、私としては本当に突然届いた「首都圏版ゼクシィ」(これがちょっとした鈍器のごとく分厚い)を読み漁り、かつアプリ版も活用しまくり、予算感と雰囲気とアクセスなどを片っ端から整理していく。
一旦我々の話に戻るが、基本性質として、私は効率重視・せっかち・白黒はっきりつけたい・ポジティブ(に考えないと日々やっていけんやろ)思考を持ち合わせている。一方夫は、こだわりなし・優柔不断・長期目線で物事を見る・感情が凪のようという、両極端な組み合わせなのである。そのため、何か行動するとなった際は、99%は私が物事を進め、実行まで持っていくというのが主流となる。それにならい今回も、私がまず鬼の勢いで相場リサーチと個人的意見の整理を進め、それらを厳選し夫に提示、いついつの何時にここに見学にいきます、というのをLINEし「いついつの何時にここに行くからね」と言葉でもフォロー、「いいよ~」というゆるやかな返答を得てアポ獲得、という流れで見学予約を進めた。

見学予約とは言っても、私自身も実はほぼこだわりがなく、こんな式場がいいだのこのドレスが着たいだのあればスムーズなのだろうが、そうでなかったので絞り込むにも大変頭を悩ませた。だけどそんなにたくさんの式場を見て回る体力もなければ興味もない。でもでも、ゲストを呼ぶとしたら、その方々には喜んでもらいたいし「来てよかった」と思ってもらいたい。そのへんのバランスを希望の予算で叶えられそうな式場に目星をつけ、結局予約したのは3か所となった。
「30人ぐらいで」「華美すぎず」「料理がおいしく」「都内でアクセス良し」という条件のもと厳選された精鋭部隊である。
フェアに行ったらタダでおいしい料理が食べられるぞ~という誘い文句を吐きながら夫をその気にさせ、GW連休初日の朝、まず1か所目赴くこととなった。

ウエディングフェア


いよいよフェア初参加だ~でもゆるっとした気軽な気持ちで行こう~というテンションでやってきたのは、竹芝駅からほど近い、オーシャンビューが一押しのホテルウエディング会場。ラウンジで待たせてもらってる時点で「非日常」を絵にかいたような素敵空間でソワソワしつつ、オフィス的なところに案内され、いざヒアリング。
こういうときにいつも思うが、やはり最初は「会社紹介」および「サービス紹介と弊社の強み」という差別化を印象付ける先手の打ち方がベーシックな方法なのである。そしてこういうときに、自分がほぼずっと営業職という名の職種にいるがゆえに、良くも悪くも職業病が出るのだ。そのメリットは本当に顧客にとってのメリットなのか、話し方が整理されていて分かりやすいか、ニーズも聞かずに押し売ろうとしていないか等々…。まあ営業職ではなくても、そこそこ社会人経験を積んできた人であれば、そういういろんな視点で説明された内容を捉えようとすると思う。それをもって決断の判断軸とするのだから。

だがしかし、こういうときに夫は話を聞いているんだか聞いていないんだか、いや、聞いてはいるが考えてはいなさそうな、そういう温度感を隣で感じてしまう。案の定、私と営業さんが質疑応答形式にてコミュニケーションを取っている中「新郎さまはいかがですか?」と聞いてくれているのに対し「あ、(私と)同じです」「まあ特に意見はないかな…」という、なんの実にもならない返答をするばかりだった。関心やこだわりがそこまでないのは分かるが、それは私も正直同じであるし、でもおかしな展開にならないように、費用を払うんだからそれに見合ったサービスが受けられるように、こちらは多方面で頭を働かせているのだ。

これもいつも思うことに入ってくるが、私が100考えている時間で、夫は3しか考えていない。もう性格や性質によるものなので腹が立ったり直してほしいと思ったりはしないが、「いやそれ前言うたやん、そんなん1週間前に私は考えててん」というようなことをスルっと言い出すことが多々あるので、いくつかの軸で同時進行で考える、マルチタスクたることを求めるのは酷なのだなと最近感じてきたところである。

それも踏まえているので、夫がパッと気の利いたことを返すということへの期待はなかったが、ほぼ私が主導権を握って話を進め続けていた。
この時点で、説明してくださった営業の女性は、話が分かりやすく、頭の回転も速く、質問したことに対して的確な回答と、それはこういうふうにするのもアリなんじゃないでしょうか、というような提案も織り交ぜてくれる、ソリューション営業な一面を垣間見せており、個人的には好印象だった。だがどの式場でも同じことだと思うが、フェアで顧客を獲得しようとみんな必死なので、全体的に話を聞く時間が長い。パッと行ってサッと帰る、ということは無謀に近いのだと知る。そんなこんなでめちゃくちゃおなか空いてきたな…というタイミングで、試食の時間がやってきてくれた。

やっとごはんだ…!と、本日のメインイベントという位置づけの時間の訪れに嬉嬉としながら、食事会場に向かう。営業さんは「召し上がっている間に御見積り作成しておきますね」とリマインドを忘れない。

試食内容は、前菜の雲丹のムースっぽいものとメインの肉料理のハーフサイズ、パンという少なめラインナップではあったが、まずこの前菜がとても美味しく、ただ何が入っていてどうしてこんな味になるのかは分からず、ただ「うま…」としか言えなかった。肉料理も柔らかい仕上がりながらしっかり噛み応えと旨味もあって、非常に満足度の高い試食となった。ドリンクをサーブしてくれるさまも丁寧で、この会場に対する私の好印象度合いはさらに上がっていく。

ゆっくり食事をしたあと、再び営業さんと話し合いを進める。作成してくれたという御見積りを拝見し、それにツッコミを入れつつ調整してもらった結果、「この費用でこのサービス(さっきの料理も含めて)、コスパだいぶいいのでは?都内でこの金額で、装飾オーバー過ぎずに必要十分なものが揃っているところってないに等しいのでは?」というのが私の着地点であった。ほかの式場を見ていないのは若干不安ではあるが、友人の結婚式への参列によって蓄積されたデータと、抜かりのない下調べの実績があることで、もはや見学せずともおおよそのイメージはつくようになっていたし、判断材料としては十分な知識という自負があった。それらを加味すると、この会場にして後悔はしない気がする。

上記のようなことを光の速さで思い巡らせ、「この内容で契約したいなあと思います、あくまで私は」と夫を見る。夫は「え、もう決めちゃうの…?」と途端に不安げな顔をする。もう決めちゃうかもしれないが、その結論に至るまでに、私はあなたの100倍ぐらい検討を重ねているんだよという言葉が喉まで出かかったが、端的にメリットを述べるにとどめ、その中で営業さんも「即決というのを強いているわけではありませんが、新婦さまの意見もありますし、新郎さまの背中も押したいなと思います!」とあくまで低姿勢というキャラクターを崩さずに決めにかかる。日程も希望した頃合いのところに空きがあり、私としてはもうさっさと決めたい(ただし雑には考えていない、ちゃんと検討しているということを再三申し上げる)という気持ちで、夫も納得させ、見学1か所目にして式場が決定した。

帰路と家に着いてからの時間、私が決断するに至った流れと要素を滔々と解説し、ただ意見があれば言ってくれよ、と念を押し、さてゲストたちを厳選して即先の予定を押さえねば、即連絡しよう、と次の瞬間には行動に移してしまうあたり、この性格が年を取ることで変わることなどあるのだろうか、いやない、と古文の反語のような一文を描いた。

この式場の個人的メリットの1つは、本番までに打ち合わせが1回しかない、ということである。ドレス試着に1度別で訪問するが、それを除けばもう1日ですべてが決着するのである。それまでに情報収集しておけば十分だし、あれこれ悩んだり試行錯誤したりすることもなく、実に効率的である。式は11月、打ち合わせは9月予定、まだまだ時間がある。とりあえず決まったという達成感と安堵感を味わいながら、このあと具体的になにをしたほうが良いか分かっていなさそうな夫に、やることリストでも作ろうかと思う。


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