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映画「アメリカン ユートピア」〜人と人とのつながり

高校生時代、音楽シーンから、デヴィッド・バーンやブライン・イーノといった名前が聴こえてきた。グループとしては、トーキング・ヘッズである。当時、この手の“ニューウェイブ“的な音楽は苦手で、複雑で面倒な印象があった。シンプルでストレートな音楽を求めていた。

そんな、デヴィッド・バーンの名前を久方ぶりに耳にした。ラジオ「東京ポッド許可局」で、マキタスポーツが、バーンの映画「アメリカン ユートピア」を絶賛している。

2018年、デヴィッド・バーンは同名のアルバムをリリース。 その後、同アルバムをコアにしたツアーを実施するが、コンサートツアーはさらに発展し、ブロードウェイのショーとして上演された。

バーンは、<世界で起こっていることを表現したかった><ミュージシャンとして、これまでより責任ある行動をしたかった>とコメントし、このショーを<映画化すべきだと思った>としている。そして、監督としてスパイク・リーを起用した。

オリンピックも終わり、ふと調べてみると、5月に封切りした作品だが、まだ細々と上映されている。 ただ、そろそろ終了しそうな雰囲気。渋谷パルコの映画館で朝9:30スタートという回があったので、早速観に行った。

バーンは、脳の模型を片手にステージに登場、脳の各部の機能につきコメントするところからスタートする。ステージ上には、彼のほか、数名のパーカッショニスト、キーボード、ギター、ベース、コーラスのメンバーが、揃いの衣装を身にまとっている。楽器は全て首から下げられ、マーチングバンドがイメージされている。

それ以外の余計なものは一切舞台上から排除され、基本的には、アルバム「アメリカン ユートピア」の楽曲、トーキングヘッズ時代の楽曲などを彼らが演奏(途中、デビッド・バーンは全てライブ演奏であると話している)、間にバーンの様々な語りが挟まる。

最初は、その世界になかなか入り込めなかったが、時間の経過と共に、舞台の中に没入できていく。舞台上の人は、ミュージシャンであり、ダンサーでもあり、そして役者としての顔も見せながらパフォームする。

それぞれの楽曲、コメントに、政治的、社会的な問題提起が込められているが、私はその根っこは人と人のつながりであり、つながって自分の脳を活動させ、考えて行動するということのように感じた。私の脳も活性化した〜と思う。


そして、何よりも音楽が素晴らしい。苦手だった、デヴィッド・バーンの楽曲は、無駄なものが削ぎ落とされ、耳に心地よく、それでいて力があった。(Apple Musicでサントラが配信されている)

映画の最後、バーンは、出待ちのファンに見送られながら、自転車でブロードウェイの劇場を後にした


献立日記(2021/8/11)
鮎の塩焼き
ゴーヤチャンプル
焼き椎茸(冷凍してから焼く)
もやしと枝豆、一風堂ホットソース
レンチンとうもろこし


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