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正月の花園ラグビー場〜全国高校ラグビー大会

子供の頃、年末年始に父親が連れて行ってくれるのが、大阪の花園ラグビー場だった。全国高校ラグビー大会が開催され、ラグビー場はにぎわう。序盤戦は、3面のラグビー場が使用され、面白そうな試合を求めて回遊する。

その後、高校大会のみならず、国際試合などで友人と花園を訪れたが、高校卒業後は機会がなくなった。30数年前、父も50代半ばで逝去した。

次女とともに日本にやってきたボーイフレンドはスコットランド人、大のラグビー好きで高校生の頃は自らプレーしていた。

元日、家にいても手持ち無沙汰なので、高校ラグビーに行こうかと誘ったら喜んだ。私の元日は、初詣ではなく、父や先祖の墓参を行う。菩提寺は生玉寺町にあるので、花園行きの近鉄電車の上本町駅まではすぐ。まことに好都合で、彼と私は花園ラグビー場へと向かった。

東花園の駅を降り、住宅街を少し歩くと、眼前には大きなスペースが広がり、前方にスタジアムが見える。広場では、グッズや飲食物を売るブースが多数。話には聞いていたが、ワールドカップを経て、花園ラグビー場は、世界標準の施設に様変わりしていた。

メインスタンドに座ると、かつては座席はなく緑のスロープだったバックスタンドは、美しい座席が広がり、その背景には生駒山系が広がっている。天気も素晴らしく、大阪にこんな素晴らしい場所があったのかとも思えるほどだった。

変わらないのは、スタンドに陣取るラグビーファン。恒例行事として訪れている人も多数いそうである。また、常連と思しき一人で来ている初老のおじさん達。バックスタンドでは、学校関係者が懸命にお応援している。

かつては、ほろ酔い加減で笑える野次を飛ばす人が必ずいたが、スタンドでの飲酒は禁止となっており、ずいぶんマナーが良くなったように感じた。

第1試合の終盤に入場したが、戦っていたAシードの報徳学園が相手の國學院久我山を圧倒していた。第2試合は、ノーシードで勝ち上がった尾道高校と長崎北陽台。15-17で向かえた最終プレー、尾道は好位置でペナルティーを獲得し、PGで劇的な幕切れかと思われたが、尾道のキッカーが外した。高校生には残酷なノーサイドの笛が吹かれた。隣のスコットランド人は、プレーの質の高さ、選手の礼儀正しさに感心していた。

第3試合の天理と石見智翠館も僅差の好試合、高校生の懸命なプレーを堪能したが、そろそろ生駒おろしが寒く感じてきた。元日の夕食へと家路に着くべく、席を立つ人も目立ってきた。我々も帰ろうか。

いつもと違う、同時に昔を思い出す元日のイベントだった。

なお、報徳学園は初優勝を目指し、決勝に進出したが、決勝戦で東福岡に敗れた



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