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“ユーミン万歳!“〜デビュー50周年記念ツアー「The Journey」(その2)

(承前)

これからは、ネタバレを含むコンサートの中身を具体的に書くので、見たくない方はご退散を。



有明アリーナ、席は最上階4階だったが幸いなことに最前列。要は体育館なので、私が座ったのは、長方形の長い辺のスタンド。見下ろすと、アリーナの中央に船を模したステージがしつらえてあり、はるか遠くに舞台があるわけではない。

席には“フリフラ“が置かれている。“フリフラ“は、無線で制御されるLEDライトで、各人腕に装着する。コンサートが始まると、演出と連動して様々な色に点灯し、客席も含めた照明効果を発揮する。昨年末の桑田佳祐のコンサートでも導入されていた。

コンサート開始、松任谷由美が登場し始めた曲は“心のまま“、1983年のアルバム「REINCARNATION」からの楽曲で、船にちなんだ曲である。ユーミンは遠目では妙な帽子を被っている。

“WANDERERS““リフレインが叫んでる“と80年代の楽曲で大いに盛り上げ、MCとなった。ステージとなっているのは海賊船で、見習い海賊の日誌と共に航海するというコンセプトであると。頭には、海賊の帽子である。コンサート中、曲間で何度かその日誌の記録からユーミンが朗読する。“文学少女“としての側面が出現する場面である。

一方で、エンタメ性に関しては、序盤からアクロバティック・ダンサーが登場しステージを盛り上げる、炎がしばしばステージから噴射され、客席をあおる。ユーミンは、昇降機で上昇し、上階の観客に少しでも近づこうとする。ステージの一部はせり上がるし、衣装を変える際、ユーミンの足元は地下に降下し、演奏の合間に衣替えを行う。

“ただわけもなく“(2002年)、5曲目の“満月のフォーチュン“(1990年)の後、“TYPHOON“、“青いエアメイル“と、私的にはちょっと地味な曲が続くのだが、プロジェクション・マッピングなどを駆使して、視覚的にも楽しませてくれる。

続く、“紅雀“(1978年)は、ラテン・フレーバーでとても良い楽曲だなと感じつつ、先日逝去したアストラット・ジルベルトのことを思った。


全体的に少し落ち着いたところで持ってきたのが、“あの日にかえりたい“。60歳以上の観客にとっては、キラーコンテンツではないか。1975年10月発売のこの曲は、荒井由美自演としては初のオリコン1位。当時、私は中学2年生、この曲とバンバンに提供した“『いちご白書』をもう一度“で荒井由美という名前がインプットされた。

続く“さまよいの果て波は寄せる“(1979年)は名曲で、この曲を含めコンサートのテーマである海賊船の航海につながる、“船“ “海“に関連する楽曲が多くセットリストに含まれていたように思う。

“セイレーン“(1997年)、セイレーンとはギリシャ神話の海の怪物のことだが、ペースダウンしたステージを、一気に上げてきた。松任谷由実自身も、2か所あるリフトで上空に上がり歌い上げる。

コンサートは、後半へと突入する

(続く)

*こちらは1996年の映像


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