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マンガ界のレジェンド、ちばてつや〜新刊は自伝的短編集

手塚治虫に刺激され、全国から上京したマンガ家の卵が集った場所、手塚自身も住んだトキワ荘。今は再現され、マンガミュージアムとなっている。トキワ荘に住んだかどうかは別にして、手塚治虫とトキワ荘世代が、世界に誇る日本のマンガ文化の礎となったことは、論を俟たないと思う。

主要住民の生年を記すると、手塚治虫1928年、藤子不二雄A 1934年、赤塚不二夫1935年、石ノ森章太郎1938年となる。仮に、1940年生まれまでを“トキワ荘”世代とすると、現在において現役と言えるレジェンドはいるか。

私の中では2人いる。さいとうたかお(1936年生まれ)とちばてつや(1939年)である。前者は、「ゴルゴ13」「鬼平犯科帳」を連載中。ちばてつやは『ビッグコミック』誌に自伝的マンガ「ひねもすのたり日記」を連載中、今年も単行本が発行された。

そんな、ちばてつやの新刊「あしあと ちばてつや追想短編集」が発売された。これがとても面白い。全部で4篇が収録されていたが、最新のものは2021年4月発表の「グレてつ」という作品。 ようやく「あしたのジョー」を書き上げ、ジョー同様に“燃えつきた”ちばてつや。数週間の後、読み切りのつもりで書いた作品が、「のたり松太郎」へ繋がっていく。「のたり松太郎」は私も大好きな作品だが、松太郎の魅力の源泉がこの短編で描かれている。

感動的なのは2008年発表の「トモガキ」。少女誌の豪華版別冊付録マンガに取り組むちばてつや、締め切り目前にアクシデントが襲う。担当編集者の取った行動とはーという話。昭和34年、マンガの勃興期の熱量が感じられる一編である。

ちばてつやの凄さ、そのうち書いてみたい


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