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映画「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」〜ビーチ・ボーイズ初心者へのご案内(その1)

ビーチ・ボーイズの中心的存在、ブライアン・ウィルソンのドキュメンタリー映画「ブライアン・ウィルソン 約束の旅路」を観て、感想も記した。そこでも少し触れた、ブライアンの伝記的映画、2014年の「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」を見直した。あらためて、音楽好きには是非観てもらいたい作品だと思った。

そこで、ビーチ・ボーイズについてよく知らない人が、どうすればこの2作品をより楽しめるかを考えてみた。それは、私のビーチ・ボーイズ体験をなぞるものでもある。

ビーチ・ボーイズは1961年に結成された。ブライアン、デニス、カールのウィルソン兄弟、従兄弟のマイク・ラブ、友人のアル・ジャーディンが、オリジナル・メンバー。ブライアンらの父、マリーは音楽関係の仕事に従事しており、彼らのマネージャーとなる。

ビーチ・ボーイズは、1963年にリリースしたセカンド・アルバム「Surfin' USA」が全米2位、タイトル・トラックがシングルのチャートで3位となり、一気にスターダムに登る。

音楽のテーマとなったのは、ビーチ、サーフィン、自動車、女の子といった、当時の若者が好みあこがれた、分かりやすい世界だった。

結成は私の生年であり、したがってリアル・タイムで聴いていない。一世代上の、村上春樹(1949年生)、山下達郎(1953年生)や映画「アメリカン・グラフィティ」(1973年〜ラストシーンからビーチボーイズの“All Summer Long"))などに導かれ、本格的に聴き始めたのは大学に入ってから、結成から20年近く後である。

私が最初に手に入れたのは、 1974年にリリースされたベスト・アルバム「Endless Summer」だった。もちろんアナログ・レコードで、2枚組だった。

このレコードに収められたのは、デビューから1965年までの楽曲で、分かりやすいコンセプトの下、最初に輝いた時期の音楽である。

テーマはシンプルだが、ブライアン・ウィルソンの才能は開花しており、美しいボーカル・コーラス、見事なアレンジで、全てが名曲である。

私はこのレコードを繰り返し繰り返し聴いていた。その後、各曲を所収したオリジナル・アルバムを聴くようになったが、このアルバムには特別の思い入れがある。

そして、ビーチ・ボーイズ初心者が最初に聴くのにふさわしいアルバムだと思う。幸い、配信サービスに入っているようなので、まずはこのアルバムを聴いてほしい。

なお、本アルバムはCD化の際に、1967年の“Good Vibrations“がボーナス・トラックとして収められた。そのことは問題ないが、他の曲と"Good Vibration“の間には大きな違いがある。そのことを頭に置いておいて欲しい。

映画まで辿りつくまでに、時間がかかっているが、ご容赦願いたい。ただ、ビーチ・ボーイズ初心者は、このステップを踏むことで、楽しみが倍増することを保証する




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