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笑える悪戯なのか?〜中学生が起こした事件

中高は大阪の男子校に通っていた。中3か高1の頃だったろうか、教室の窓から外の歩道を見下ろすことができた。

ある日の昼休み、退屈していた我々の一人が、歩道を歩くおじさんに、「おっさ〜ん」と声をかけた。また別の人が通りがかると、「おばちゃ〜ん」、「は〜げー」。挙句の果てに、野良犬に対して「犬〜」。そのたびに、皆で大笑いしていた。声をかけられた人が当惑する、さらに怒る可能性がある、その程度の想像力はあった。

しかし、被害者の一人が学校に苦情を申し立てた。そこまでは、頭が回らなかったアホどもだった。当然、担任の教師が教室に来て、「お前らは幼稚すぎる。情けない」と怒り心頭。「通る人に声をかけたやつは申し出て、何を言ったか白状しろ」 と追求した。

我々は自己申告した、「おっさんに、“おっさん“と言いました」、「おばはんに、“おばちゃーん“と言いました」。すでに吉本新喜劇的になっており、皆笑いを堪えていたが、H君が「犬に、“いぬ〜“言いました」と言った瞬間に、全員が大爆笑した。ただし、教師の指導により、同じ過ちを繰り返すことはなかった。

以来、当時の連中と酒を飲むたびに、この話が反芻され、被害を受けた方々には大変申し訳ないが、皆で大笑いする。あのちょっとした悪戯が、40年以上の間、楽しみを提供してくれている。

あるニュースを見て、自分達のこうした行為を思い出した。

そのニュースとは、中2の女子が、ショッピング・カートをドンキホーテの屋上から落下させたというものである。

もちろん、彼女はそれが人に当たったら大変なことになると認識して行っている。屋上には柵があり、シッピング・カートを持ち上げ落とすという行為は、ちょっとした出来心ではできない。

“子供“は悪戯をする生き物である。ただ、「笑える」かどうかを本能的に判断し、行為の程度を決めている。

彼女たちは「笑える」と思ったのだろうか? 「笑えない」ことをあえて行ったのだろうか? その真因は何なのだろうか? それらを理解し対処しないことには、同じような“悪戯“は、またどこかで起こるような気がする


献立日記(2021/11/29)
鶏の生姜なべ(華味鳥のスープ



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