金曜日の夜に〜“かつての“「晩杯屋」武蔵小山本店の思い出
かつて、武蔵小山に「晩杯屋」という立ち呑み酒場があった。今もあるのだが、かつてのそれは違ったものだった。
狭い路地にあった「晩杯屋」は狭く、隣り合わせた2軒の店舗を無理やりくっつけたような店だった。2つのスペースは区切られているのだが、キッチンの間をくり抜き、相互にお皿を渡し合うことができる構造にしていた。
それぞれにキッチンは、揚げ物、刺身、煮込みなど担当が分かれているので、互いに受け渡しが必要なのである。
つまみのほとんどは100円台、量も少なめで一人飲みの聖地だった。カウンターに立つ客は、目の前にある木製の皿に千円札や小銭を入れる。注文に応じて店員はその皿から必要な金額を取っていくという、キャッシュ・オン・デリバリーだった。
時代の波は武蔵小山にも襲いかかり、「晩杯屋」始め小さな店がひしめいていたエリアは再開発となり、タワーマンション建設が始まった。
一方、「晩杯屋」は2015年に武蔵小山本店閉店後、仮店舗を出すとともに勘定も普通の後払いになった。各地に店舗網を拡大、立ち呑みに加え座席を備える店もできる。立ち飲み屋に対する世間のイメージも変化していった。
かつての武蔵小山店があった場所に立つタワマン、その1階に「晩杯屋」武蔵小山駅前店がある。 武蔵小山には、旧店舗閉店後にできた武蔵小山本店(仮店舗)があり、そこを愛用していたのだが、喫煙可というのが、どうにも耐え難くなった。
ということで、本店に比べると小規模な武蔵小山駅前店に行くようになっている。
昨日は、新年初めての一人立ち飲み。飲み物はもちろん、ホッピー白である。
つまみは、“煮込み“、“マカサラ(マカロニサラダ)“、“ちくわの磯辺揚げ“の最強トリオ。全て150円。システムは“近代化“し、紙に書いてカウンター内の店員に渡すシステムである。
メニューは相当な数あるのだが、カウンター内は2名のみでテキパキこなしている。カウンターに位置する客は全て一人だが、今の晩杯屋の景色はかつてと違う。女子の一人呑みが散見される。タワマンは、ダイバーシティーも連れてきた。結構なことである。
NHKの相撲動画で全取組を確認しながら飲む。ホッピー外1本で、中の焼酎を追加で3杯。金曜日だけれどその程度で切り上げる。私の飲み方も、“かつて“からは変化した
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