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北の富士さんの存在感〜大相撲初場所千秋楽

今年最初の大相撲が終了した。御嶽海が3度目の優勝を飾り、雷電為右衛門以来、227年ぶりの長野出身の大関誕生となるらしい。雷電!、完全に歴史上の人物で、そもそも“長野県“などというものは存在しなかった時代に生きた力士である。それだけ、相撲の歴史が凄いということだろう。

阿炎や琴の若の健闘もあり、全体的にも良い相撲が多かったと思う。若隆景、若元春の兄弟は、鍛え抜かれた肉体から放つ力を披露した。いつも通り大関陣は不甲斐ないが、中でも正代は2場所連続で、出場しながらも横綱との対戦が組まれないという、とんでもない状況である。 大鵬の孫、貴闘力の息子の王鵬が、新入幕で快調な滑り出しだったが、後半失速して十両陥落が必至というのは残念だった。

放送席では、元稀勢の里の二所ノ関親方が理詰めの解説を展開し、舞の海はちょいちょい危ない発言をして楽しませてくれた。ただし、彼らの追随を許さないのは、北の富士さんである。自由な発言と振る舞いは、アナウンサーをさぞかし悩ませたであろう。

その最高のパフォーマンスは千秋楽、御嶽海の優勝が決まった直後であった。テレビカメラが、枡席で喜ぶ御嶽海の家族を映し出す。御嶽海Tシャツを着たお母さんは大喜びである。私が、テレビに向かい「あっ、御嶽海のお母さん来てる。えっと、名前は〜」と言っていたら、そこに解説の北の富士さんは「マルガリータさんだ」と即座に彼女の名前を発した。

北の富士さんも79歳、力士の名前がスッと出てこないこともしばしばある。それが、御嶽海の母親の名前は即座に出てきたのである。

そうそう、マルガリータさんだった。フィリピン出身で、地元長野でスナックを経営している。初優勝の時に、よくメディアで報じられていた。そして、北の富士さんはポツリと、「一杯飲みたくなったなぁ」と呟いた。

さらに、数分後、「マルガリータさんのファンなんです」と話し、ネットニュースでも話題になった。北の富士さんは、絶対に長野のスナックに行ったことがあると、私は踏んでいる。

今場所は放送を「休場」したり、弱気なことを書いたりもしている。でも千秋楽のパフォーマンスを見る限り大丈夫。北の富士さん、来場所もお洒落ないでたちで、元気にそして自由に語って、我々を楽しませてください


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