「筒美京平の世界 in コンサート」その1〜「人生」で”密”だった

凄いステージを目撃した。「筒美京平の世界 in コンサート」。17時開演、20分の休憩挟み、終演は21時近く。まずは、前半について書く。

最初は、筒美京平が初めてオリコン1位を獲得した、「ブルー・ライト・ヨコハマ」を伊東ゆかりの歌唱で始まり、夏木マリ、平山三紀とレジェンド3連発でスタート。全てアレンジは、オリジナルを踏襲しての演奏となっていて、初めて大好きな平山三紀を生で観られて、すでに感動である。

そして、筒美京平の名曲を連発した麻丘めぐみは、しっかり2曲披露。そして登場したのが、浅田美代子。ものすごく緊張しているのがよく分かり、こちらも子供の発表会を観るような気分になる。「赤い風船」、もちろん決して上手くはないが、そこには浅田美代子という人の人生が込められていて、涙が出た。歌は巧拙だけではない。

中盤に、早くも太田裕美が登場。筒美京平ー松本隆、ゴールデンコンビの代表作の一つ、「木綿のハンカチーフ」。観客の青春が会場中に飛び回っている感じがする。筒美京平の代表曲を歌った歌手は物故者も出ているが、その一人が桑名正博。その曲を大友康平が歌った。

圧巻は、前半の最後に登場した、斉藤由貴。歌はもちろん「卒業」である。ハレの舞台、派手な衣装が多い中、白のブラウス、黒のロングスカート、髪を後ろに結んだ姿は、独特のオーラがあった。そこにいるのは、「卒業」の世界に入り込んだ表現者であり、うっすら涙を浮かべながら歌う姿は、彼女の奥深さを感じさせてくれた。

ほとんど全ての曲が、オリジナルの歌い手の人生に大きなインパクトを与えた作品であり、筒美京平という人の凄さを改めて感じる。そして、彼ら彼女らの「人生」、歌によって彩られた観客の「人生」で“密”になった空間だった。

*Apple Musicでプレイリストを作成したので、ご利用の方はどうぞ。2曲目の伊東ゆかり「誰も知らない」は見つからず、スリーディグリーズの「にがい涙」は岩崎宏美姉妹バージョン。また、「セクシー・バス・ストップ」はオリジナルのインストゥルメンタル・バージョン

https://music.apple.com/jp/playlist/%E7%AD%92%E7%BE%8E%E4%BA%AC%E5%B9%B3%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C-in-concert-part-1/pl.u-PDrjBI3kXja



(原曲歌手)ー作詞
伊東ゆかり ブルー・ライト・ヨコハマ(いしだあゆみ)ー橋本淳
伊東ゆかり 誰も知らないー岩谷時子
夏木マリ 雨がやんだら(朝丘雪路)ーなかにし礼
平山三紀 真夏の出来事ー橋本淳
麻丘めぐみ 芽ばえー千家和也
麻丘めぐみ 私の彼は左ききー千家和也
浅田美代子 赤い風船ー安井かずみ
AMAZONS にがい涙(スリーディグリーズ)ー安井かずみ
野宮真貴 セクシーバスストップ(浅野ゆうこ)ー橋本淳
太田裕美 木綿のハンカチーフー松本隆
太田裕美 九月の雨ー松本隆
森口博子 東京ララバイ(中原理恵)ー松本隆
森口博子 リップスティック(桜田淳子)ー松本隆
ブレッド&バター 青い地平線(Le Mistral)ーLinda Rhee/なかにし礼
大友康平 哀愁トゥナイト(桑名正博)ー松本隆
大友康平 セクシャルバイオレットNo1(桑名正博)ー松本隆
稲垣潤一 ドラマチックレインー秋元康
松本伊代 センチメンタル・ジャーニーー湯川れい子 
早見優     夏色のナンシーー三浦徳子
武藤彩未 あなたを・もっと・知りたくて(薬師丸ひろ子)ー松本隆
斉藤由紀 卒業ー松本隆


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