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誕生まで⑤|完全大血管転位症


「完全大血管転位症」


という病名。

■完全大血管転位症
右心室から大動脈が、左心室から肺動脈が起始する先天性心疾患です。
心室中隔欠損のないI型(約50%)、心室中隔欠損を伴うII型(約30%)、心室中隔欠損に肺動脈狭窄を伴うIII型(約20%)に分類します。
約4,000人から5,000人に1人の割合で発症し、先天性心疾患の約2%を占めると言われます。男女比は2:1です。

難病情報センター

医療機関のガイド、その他文献なども目を通したが、そこには今日の診察で医師が言っていた症状とまるっきり同じ内容が書かれていた。


「ほぼこれで間違いないだろう。」

と私自身も思い、さらに掘り下げてみた。


そして、検索欄に「完全大血管転位症」と入れたみたものの

「完全大血管転位症 平均寿命」
「完全大血管転位症 発達障害」
「完全大血管転位症 死亡率」

など不安を感じるような関連ワードが多く、一瞬さらに掘り下げることを躊躇した。


しかし、やはり親として認知すべきかと思い、そのまま手を止めずに進めてみた。


もちろんネットの情報なので、必ずしも正しいわけではないが、

・指定難病(209)である
・手術をしないと生存できない(手術成功率80~90%)
・術後、数か月間は「NICU」にて経過観察
・定期的な検査として幼少期は通院必須
・型(ⅰ・ⅱ・ⅲ)によっては複数回手術が必要
・経過次第で運動制限がかかる

などという記載があった。
(医療機関ガイドや論文、個人ブログなどあらゆるものを参考にしたが、大体一致していた。)


妻の方も、SNS(特にInstagram)を中心に、同じ病気を患っている子どものママさんの投稿を見たりして情報を集めていたが、

「型(ⅰ・ⅱ・ⅲ)によって違うのもそうだが、型が同じでも子どもによって、術後の経過が全然違う」

ということも分かった。

子どもそれぞれ持って生まれた身体の機能(強さ)だけでなく、病院の方針だったり、様々な合併症や感染症などにもよるようだった。


全前置胎盤の時もそうだったが、完全大血管転位症によって繋がったInstagramの方々は妻にとって本当に心強い存在だった。

情報共有だけでなく、後の手術や入院期間もエールを送っていただき、本当に感謝している。
妻だけでなく、夫である私自身も精神的な支えとなった。


病気について理解を深めたことによって、不安も少しばかり緩和された。


しかしながら、手術の成功率が80%以上だったとしても、
そもそも完全大血管転位症が 約0.02%(約5,000人に1人)な訳で、

「その確率を引く息子だしな…」

ということも頭によぎった。


また、特にアスリートになってほしいなどとは思ってなかったが、

「運動制限がかかる可能性ある」

というのは男の子である以上、辛い思いをさせてしまうかもしれないとも思った。


そういった懸念点もあるという事実も含め、改めて両家に報告した。


つづく


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