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翻訳

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翻訳全般に関する投稿。使用ツールや参考図書、受講した翻訳講座、などなど。たまに自分の職場の話も。
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記事一覧

証券外務員一種に挑戦

昨年から受講していた映像翻訳の講座が終わったので、今度は金融系の勉強。「証券外務員一種」を受けてみることにしました。 金融系の一部の職種の人には保持者が多いという印象の資格です。新卒で金融機関に入社後、「必要に迫られて取得した」という人も、ちらほら見かけます。 学習スケジュール 合格体験記を探ししていたらこちらのnote記事を見つけました。 「スキ」が200件以上ついてますね。すごい。 記事によると「初学者でも50時間あれば、十分合格できる資格」だそうです。 毎日

雑草に学ぶ生存戦略

AI翻訳が日々進化している今、翻訳者としてどう生き残っていくかをずっと考えています。 で、昨年のとある週末、安住アナのラジオ番組『日曜天国』を聴いていたときのこと。 その日の番組のゲストは、植物研究者の稲垣栄洋さんで、雑草の生存戦略について話していました。 聴いていてふと「これは、翻訳者の生存戦略を考えるうえで役に立つのではないか?」と思い、稲垣さんの著作を検索して見つけたのがこちら。 雑草の生存戦略がスゴ過ぎる 読んでみたらまあ、雑草たちの怖いほど貪欲な生き方に驚

Notionでnoteの更新記録を作ってみた

先日、Notion(タスクやデータの管理ツール)の基本操作を学ぶセミナーに参加しました。 使い方は無限大にありそう。 とにかく、あらゆるデータを一元管理するのにとても便利なツールのようです。 翻訳者の業務管理にも役立ちそうな予感がしています。 手始めにnoteの更新リストを作成まずは練習がてら、noteの更新履歴をリストにしてみました。 画面で見ると、こんな感じ。(ダークモードになっていますが、デフォルトだと背景色は白、文字は黒です。) 投稿日、タイトル、URLな

翻訳者がノートPCを買い替えるときに参考にしたYouTube動画

先日、かなり久々にノートPCを買い替えました。 産業翻訳者目線で、製品を選ぶ際に参考にしたYouTube動画を3本ご紹介します。加えて、ご参考までに使用中の周辺機器についても書いておきます。 ランサムはなTV米国在住の通訳・翻訳者、ランサムはなさんの番組です。 こちらの放送回では翻訳者の高橋聡さんをゲストに、翻訳者がパソコンを選ぶときのポイントについて、分かりやすく説明してくださっています。 高橋聡さんは辞書に関する情報もたくさん発信されていますので、気になるかたはこ

翻訳者がAI時代を生き残るために聴いておきたいVoicy放送5選

AI時代に翻訳者としてどう生き残っていくか これは私がここ数年考えているテーマの1つです。 同じような思いを抱いている翻訳者のかたも結構いるのではないかという仮定のもと、解決のヒントになりそうなVoicy放送を5本、放送日の新しい順にまとめて掲載しておきます。 タイトルを見てピンときたものを是非、聴いてみてください。(一部有料放送も含まれます。) 新しいホワイトカラーと新しいブルーカラーの時代が幕を開けるジャーナリストの佐々木俊尚さんのVoicyです。 単純作業をA

外資系企業で働くのに英語力はどれほど必要か

先日、数年ぶりに海外出張に行ってきました。行き先は英語圏。 久々にまとまった時間英語で話す機会を得て、外資系企業で働くうえで必要な英語力について、改めて考えてみました。 外資系企業で働くには、基本的な英語の読み書きができることは大前提なので(それすらも怪しい人もたまにいますが)、ここでいう英語力とは、英語での会話力だと思ってください。 結論からいうと、少なくとも私がこれまでに見てきた外資系企業に勤めている日本語が母語の人達の英語力は、ネイティブ並みに達者な人から、中高生

「ポスト・ポスト・エディット」の作業に疲弊する日々

職場にDeepLが導入されたという話を、先日投稿しました。 以降、DeepLを使って作成した英文和訳を私が最終チェックする業務が増えています。 いわゆる、ポストエディットというやつですね。 でも、この作業が、地味にしんどい…。 というのも、ただのポストエディットではなく、同僚のQさんがポストエディットした訳文を、私がさらにポストエディットするのです。 つまり、「ポスト・ポスト・エディット」というなんとも煩雑な業務を強いられているのです。 Qさんがポストエディットを

同業者の交流イベント参加前に準備しておきたいこと

社内翻訳者として長年仕事を続けていますが、同業者とのつながりがほとんどないことに漠然とした危機感を覚え、先日とある交流会に参加してきました。 都内某所で行なわれたこの交流会には、通訳と映像翻訳に携わる方々を中心に80名前後の参加者が集まりました。 参加してみて気づいた点を4つほど、まとめておきます。 名刺を持参する実を言うと、今回は諸事情により名刺を持って行きませんでした。 はい、わかっております…。 交流会に名刺を持たずに行くなんて、丸腰で関ヶ原の戦いに挑むような

いまのところの、DeepL翻訳の限界

最近、とうとう職場でDeepLの使用が許可されました。 幸い、今のところは脅威と感じていません。 今日は、私がそう思う理由について3つ、書いてみようと思います。 1. 訳抜けDeepLの一番の弱点は、なんといっても、これではないでしょうか。 あたかもそれらしい訳文を返してくるのですが、1文ずつ見ていくと、訳出されていない文章がある。 この現象、繰り返し発生しているので、現時点では何らかの理由で修正に限界があるのだと思います。 DeepLの訳抜けについては、こちらの日経

映像翻訳の通信講座を受ける前にやっておきたい3つのこと

年初に始めた映像翻訳の通信講座、先日無事受講を終えました。 そこで今日は、「事前にこれをやっておけばよかった」という後悔ポイントを3つ、まとめてみました。 これに加えて、翻訳学校へのご提案を1つ、挙げておきます。 課題で使用される作品を通しで観ておく通信講座だと、作品を通しで観なくても課題は提出できます。 でも、よくよく考えれば、実践の場では作品を通しで観ることは当たり前ですよね。私は不覚にも1回目の課題(というか、1回目の提出なのに!)でそれを怠ったため、出来の悪さ

意識すると見えてくる

先日、デジカメを持って近所のお祭りに散歩に出かけたときのこと。 カメラを持って歩いていると、いい写真を撮りたいという下心が働くせいか、 こんな路地、あったっけ? この家の壁、めちゃくちゃ味がある。 出店の色が派手なのは、目立たせるようにするため? 白にもいろいろな白がある。 などなど、今まで自分はどこを見て歩いていたのだと突っ込みたくなるくらいに、普段は気にも留めないようなことにいろいろと目が行きました。 いわゆるカラーバス効果でしょ、と言われてしまえばそれまで

お取り寄せをきっかけに自分の仕事を反省する

昨年あたりから、月1-2回のペースで、食品のお取り寄せをいろいろと試しています。 雑誌の特集で取り上げられていたり、その筋の目利きがおすすめしているものを中心に選んでいるのですが、どうも満足感、納得感に欠ける。 原因はおそらく、送料が加算される分、割高に感じる点にあるのだと思います。 直接店舗へ出向いて購入する場合でも、交通費やら時間やらのコストがかかるので、それに比べたら送料なんて安いものだと十分理解しているつもりでも、心のどこかで「クオリティの割に値段が高いなぁ」と

残念な翻訳リクエスト5選

社内翻訳者として十数年働いていて、これまでにいただいた翻訳依頼のなかで、「ちょ、それは…」と思ったものを5つ選んでみました。 できたところから提出してこれは私が最も苦手とするタイプの依頼です。 というのも、ひとまず文章全体を日本語に訳してから、細かい微調整をしていく、というのが私の翻訳スタイルだから。第1段落を訳し終わったら第2段落へ、という進め方はしないのです。 それに、最後まで訳し終わって初めて、「この単語は別の訳語のほうがいい」とか、「同じ接続詞が頻出しているから

翻訳に正解はない、だから面白い

以前お話しした、映像翻訳の勉強はなんとか続いています。 あれから数回課題を提出しましたが、悲しいかな、一度も良い評価はもらえていません…。 同僚に言われて気づいた、翻訳の本質 自分の映像翻訳センスのなさについて職場でぼやいていたら、同僚はサラリとこう言い放ちました。 「でも、訳し方に正解はないんでしょ?」 この同僚の一言で、私はハタと膝を打ちました。 そう、翻訳に唯一無二の正解はないのです! 翻訳とは、突き詰めれば、正解のない問い(原文)に対する、自分独自の解釈