課題本『劇場』

先日、はじめての場所での読書会に行きました。

『劇場』 又吉直樹

古本屋兼喫茶店という素敵な場所。マスター以外は初めてお会いする方ばかりで緊張していました。しかし、本を囲めばあら不思議。楽しい交流会となりました。

今まで参加した読書会の課題本と比べると『劇場』は手にとりやすい大衆向けの本でした。登場人物も日本人のため、自分の感覚と近しい。そのため、情景が浮かびやすく、感情移入して読むことができました。私の住む場所は関西ではないので、言葉の端々で笑いをとってなんぼの主人公に???な方が多く(私も)、地域柄を感じられて面白かったです。海外文学ではないニュアンスです。

「心のひだにふれる」をモットーに本と向き合おうと日々考えています。しかし、今回の読書会でそのふれかたは人によって違うものだと改めて感じました。

沙希の家に転がり込み、光熱費も払わずヒモ同然に同棲している永田に対し「自分の娘がこんな男と住んでたら許せない(第三者目線)」「それだけのカリスマ性、魅力はなにか(沙希目線)」「いい、悪いで判断しない次元から見たら、自分もやるかも(自分に置き換えて)」

感想を交換しあうことで永田がより「人間」になっていきました。やっぱりおもしろい。読書会って。


読書会に参加するたびに「仲間はいるんだ」と思います。

学生の頃はいくら本を読んでも共感できる友達がいませんでした。本が好きな子はいても好きなジャンルが違いました。それでも話をしたくて本を借り、「おもんない・・・」と思いながらも必死で読み、面白かったところを探しました。今思うとその無理な読みが私を成長させていました。

今、こうして人と会える。本の話ができる。なんて幸せなことだろう。


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