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年の瀬と猫

 こんにちは。急に一本物語を投下したと思ったらまたすぐnoteをサボる私です。

 今日は猫の話です。悲しい話です。

 昨日、歩いてスーパーまで行こうと家から坂を下っていたら、歩道に猫を見つけました。とても天気の良い日で、寒いけれども帽子を深く被ればしばらくの距離を歩けるような、そんな晴れの日でした。

 真っ白な雪の歩道の中に猫の灰色のトラ柄が見えたので、なんでそんなところにいるの〜と思い、近づいて行きました。
 猫は雪に頭を突っ込んだまま、動こうとしませんでした。
 随分動かないなと思って、じっと見ていてようやく気付いたのですが、猫は多分亡くなっていました。
 多分というのはほぼ確実を意味するのですが、私は生きている猫が雪に顔を突っ込んで遊んでいるものと思っているので、確証に変わるまで時間がかかったのです。
 歩道で伏せをした状態に雪が覆いかぶさり、そのまま凍ってしまったのかもしれません。原因はわかりませんが、その晴れた日に、頭からお尻までは隠さず、顔は半分雪に埋まり、その毛が束になって凍っている様子がわかりました。
 私はどうしていいかわかりませんでした。ただその子がその場にずっと居続けるのはあまりにも可哀想だと思いました。人通りがない道ではないのです。少ないながら歩行者もいます。それでももしかしたら、そこに猫がいることに気づきにくいかもしれません。そしてその猫は首輪をしていませんでした。飼い猫でない可能性も高いと思いました。
 とにかく私はまず、市で猫や犬を保護している団体のオンラインサイトを開きました。そこでは動物の遺体を取り扱ってはくれないようで、市に電話する必要があることを確認しました。
 市の道路管理科に電話すると、丁寧に話を聞いてくれ、猫が見つかった場所を聞いてくれ、人を向かわせると約束してくれました。
 その電話が終わった時、私は自分がマスク越しに泣いていることに気付きました。最初は寒さで泣いているものだと思っていたのですが、自分が思うより悲しさを感じていることに驚きました。
 自分のしたことが正しいかどうか疑問に思い、辛くなりました。もし飼い猫だったら、こんな勝手な真似をして。それでもあの全くの晴れの日に、真っ白な雪の中に、凍って動かない猫をそのままには出来ませんでした。

 スーパーからの帰り、あの子はもう拾ってもらっただろうかと思いながら帰りました。それでも、帰り道にはまだ歩道脇にいました。
 その姿を見て、しばらくまた動けませんでした。自分には何も出来ない、もう少ししたら迎えにきてくれるからねと思うだけ。
 行きに気づきませんでしたが、猫は半目でした。本当に生きているかどうかの時に亡くなってしまったのではないか。
 私が秋に散歩している時、家から離れた場所でよく似た猫に会ったことがあります。もしかしたらその子なんじゃないか。
 色んなことを思いましたが、正解は無かったです。

 その日の夜遅く、車で出かける用事があったので家を出ました。その時には既に猫はいませんでした。
 どこか暖かいところに行ったかもしれないと思い、少しだけ心が落ち着きました。

 2020年、世の中がコロナ一色になった時、私は生き延びなければならないと強く思いました。
 2021年、生きることと死ぬことについて、よく考えるようになりました。

 新しい年になる前にあったこの出来事は、記憶しておきたいと思い、noteに書きました。

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