【検証】EDH初心者はスターター+300円以下のカードでパイオニアEDH始められるのか?
友達がEDHを始めるらしい。
MTG沼にはまって早数年、ちまちまとカードは集めていたが、友人にMTG勢が少なく、統率者デッキも買いはしたものの『買ってそのままコマンダー!』以外で回していなかったEDH。
それを、なんとTCG初体験の友人がやりたいと言ってくれたのだ。
せっかく友人がMTG沼に来てくれたどころか、カジュアルな遊び方がのびのびできるEDHに興味を持ってくれた。これは全力で歓迎しなければならない。
というわけで、私もこれを機に新たなデッキを作って、心機一転EDHを始めたい。新しい統率者・新しいデッキ…友人と共に楽しい時間を過ごせるような、そんなデッキを作りたいものだ…
よし…
パイオニアEDH組むかぁ!(ただの口実)
概要
こんにちは、”倒置巨兵”というものです。
MTGArenaの日本版開始(『ラブニカの献身』~)からMTG沼に落ち、現在も細々と遊んでいるものです。ティミー/ジョニー寄りの思想なので、大会にはほとんど出ていませんが、EDHやフリープレイを楽しんでいます。
この記事は、『パイオニアEDHを広めよう!コンテスト』のテーマ「自由」参加記事です。概要は以下のリンクを参照ください。
本記事は、『友達がEDH始めるし新しいデッキ組むかぁ』と『パイオニアEDH面白そうだしやってみたいなぁ』と『せっかくなら記事にしてみよう!』という思想が悪魔合体、ゴッドリンクした記事です。
今回の記事は、『できるだけ気軽にパイオニアEDHを始めてみよう!』という企画です。僕はパイオニアEDHを3ヵ月前に初めて知って調べ始めた程度なので、特定のコンボや統率者に関する知識はありません。ですが『これくらい雑でもMTGは始められる!楽しめる!』という思想がもっと広まればいいな…と思い記事を書きました。
デッキの骨組みを用意
というわけで、友人のMTG開始記念に何か組みたくなった私は、早速パイオニアEDHの参入を決め、デッキを考えてみました。
最初のうちは、カードプールを眺めながら、使いたい統率者とかをぼんやり考えていました。
しかし、EDHのデッキすら構築済み止まり、まともにデッキを組んだことがないため、パイオニアEDHで組むには構築の定石もなにも知らなすぎる。
知識は記事などを読んだとしても、カードの種類ごとの比率など、基本的な調整は検討が面倒なので、ある程度元になるようなデッキがあればなぁ…
1:56~ 『パイオニアぐらいのカードプールで~』
あった!スターター・統率者デッキ!
収録内容にパイオニアのカードが多くて、ある程度の基礎的な構築内容・使えるカードは入っている。何より安い(3,000円程度)!
ちょうど手元に「はじめての飛行」があるので、今回はこれを改造していくことに。
スターターの中を見てみよう
というわけでスターターをパイオニアEDH風に改造をするとして、まずは「初めての飛行」デッキについて見てみよう。このデッキのコンセプトは、ざっくり以下の通り。
まとめると、『飛行を並べて、ドローして、コントロールして殴り勝つ!』という感じ。
自分はどちらかというと、看板の「思考の審判者、イスペリア」より、横並びする飛行に寄せて、「空の管理者、カンジー」を統率者にして遊んでいた。そういう点でも『コンセプトはいろいろまぜているので、君の好きな方向に改造してくれ!』という感じが、スターターデッキっぽく良い商品だと思っています。
というわけでこれの改造を目指し、パイオニアEDHで使えるものだけを取り出してみました。
土地を抜いた呪文の半分以上がパイオニア範囲であることには驚きました。動画でいわれていた通り、パイオニア向けの再録もしっかりされていることがよくわかります。
しかし、抜けたカードを見たときに、「これ全部使えないのか…」という感想が出ました。
これらのカードは、『買ってそのままコマンダー!』などで回していてもカードパワーが強力なカード達だったので、抜けてしまうとかなり痛手に。
さらに、コンセプト以外にも、いくつか改善したい点はあります。
この辺りは大本のスターターデッキが抱える弱点なので、差し替え可能ならなんとか補強したいところ。
改造にあたっての制約
今回は改造案を考える際、できるだけ安価で始めやすい構築を目指せるよう、以下の制約を追加しました。
正直、「お手軽どころか縛りプレイなのでは?」という疑問も持ちましたが、制約があったほうがデッキ構築も楽しいので、今回はこのルールを守るようにデッキ改造をしてみました。
統率者を変えてみよう
デッキ改造の中身を考えるにあたって、「まず何を統率者にするか?」が一番の悩みどころでした。求めるリーダーの採用条件は以下の通り。
これらを満たすカード…ないかなぁ…
あっ!ちょうどいいカードが!
そう、「エラントとジアーダ」である。
ジアーダとエランとは3コストで飛行or瞬速をデッキトップから唱えられる統率者。デッキからのキャストは、未来予知よろしく疑似ドローとして働いてくれるし、飛行持ちと瞬速も使えるコントロール、持っている能力がこのデッキのコンセプトにはピッタリ。
また、能力としても常盤木能力のカードのサポートなので、「飛行」or「瞬速」持ちカードをとりあえず突っ込んでおけば邪魔になることはないはず。
パイオニアの青白スピリット、スタンダードの青白兵士・天使にも投入されているので実績もあり、何より100円と安い(2回目)。それらのデッキで使われているカードを見れば、採用カードもおのずと見えてくるはず!
というわけで、「初めての飛行」デッキを「初めての瞬速・飛行」デッキとして改造する方針で、デッキコンセプトを決定しました。
後は、ScaryfallとEDHRECで相性のいいカードを探して…金額との整合性を取って…
よし!完成!
デッキリスト(完成版)
というわけで、完成したデッキリストがこちら。(追加パーツと抜いたカードは記事末尾に記載。)
これで追加カード分が4,500円程度。
スターターデッキが3,000円程度なので、総計7,500円。
通常EDHのコラボ構築済みデッキ(六千円くらい)+改造カード何枚か程度の金額で収まりました。
追加カード解説
追加カードについては、主に以下の基準で採用。
1.アーティファクト関連
以下の記事を参考に、デッキに投入されている7枚分で使用できないものを差し替えるようにしました。比較的早期にクリーチャーを並べるようにしたので、バネ葉の太鼓・伝説の秘宝など、マナ出しが盤面に依存するカードも投入。
2.価格が300円以下の多色土地
基本的には既存デッキに入っていたタップイン多色土地を、以下の記事を見て300円以下の青白土地に入れ替え。あとは、占術でデッキトップをずらせるヴァントレス城、ハンド制限をなくす聖遺の塔、ドローできるサイクリング土地を投入。
3.フィニッシャー
デッキコンセプトが「飛行」である以上、フィニッシュは飛行クリーチャーで殴り勝つことを目指します。そのため今回は、”空想の原型”や”嵐潮のリヴァイアサン”などの飛行クリーチャーが相手をすり抜けるようなカードを採用しました。
また、”龍王オジュタイ”・”夢を穢すもの”等もコンセプト的にかみ合いがいいので採用しました。
4.軽い飛行持ちクリーチャー
基本的な採用目的は、
・ドローする能力がある(疑似的でもOK)
・除去耐性を付与できる
・相手を妨害できる
という基準で追加採用しました。
このあたりのカードは、「初めての飛行」の通常EDHでも改造案として挙がるカードのため、こちらのデッキでも参考に追加しました。
5.瞬速持ち
このデッキのコンセプトの飛行が強いので、数枚にはなるが瞬速持ちのカードも採用を検討。「瞬速」かつ「飛行」は意外と多いので、邪魔にならず採用はできました。
6.コントロール系カード
今回は鳥や瞬速で耐性付与・除去ができるようになりましたが、単体除去・打消し、パーマネント除去を追加するために通常のインスタント・ソーサリーも追加。
7.そのほかのカード
「初めての飛行」の改造案としてよく、”沿岸の海賊行為”のような「戦闘ダメージ時にドローする」カードが挙げられるため、今回は互換カードである「偵察任務」と「グラジラックス」を採用。これらのカードがあれば、序盤で飛行持ちが小突く展開でも、十分脅威になるはず。
というわけで、様々な観点と予算から、改造カードを追加して、新規50枚+既存カード50枚の100枚で組んでみました。
回してみた感想
というわけで、このリストで意気揚々とオンライン卓に乗り込んでまいりました。正直このクオリティで勝てる…とは思わないけど、何かしら貢献はできるだろうと思い参加。
結果、2戦やらせていただいて勝つことはできなかった(どころかコンボにぼこぼこにされた)のですが、めちゃくちゃ楽しかったです。
全体的に想像より圧倒的に早かったのと、土地事故しまくってダブルシンボル払えない!みたいな状況が頻発していました。己の右手を呪う。
飛行クリーチャーを横面展開、殴ってドロー…はうまくいきませんでしたが、コントロール用に入れたカードが刺さった場面もあり、少なくとも「何もできずに終わり…」とはならず楽しくゲームできたと思っています。
また、やはり実践を経ることで経験値が上がるというか、対面の面白コンボ・強力なカード達も見れてよかったです。初めて見るカードも多く「これをされるとキツイ」も実際対面して肌でよくわかるなぁと思いました。
総じて学びが多く、ゲーム中に一部分でも貢献できることがあったので「初めてよかった~~」という気持ちと「次はもっとこうできるな…」の心が二つできて、拙作デッキリストですがやってみてよかったと思いました。
さらなる改造案
実践した結果、個人的にはもっと速い展開に対応できるよう強化したほうがよい気がしました。軽いカウンターや追放除去系や、もっと小型の妨害持ちクリーチャーで攻める形に改造したほうが良かったかも?と思いました。
個人的には、瞬速コントロールに特化させた方がより強い気はしました。今回は元のデッキのコンセプトを残したかったのと、鳥好きだったのでそっちに寄せましたが、多分その方が選択肢も広がるのではないかと思いました。
飛行だけのデッキで何とかならないのは、飛行を参照して全体パンプ~みたいな統率者がパイオニアの青白にないのも理由です。もうちょっと”飛行”と”鳥”を売りにしてくれるカードが直近で出てくれれば…と思うばかりです。
コントロール方向に寄せるなら、龍王オジュタイとかヨーリオンとかの方が統率者にあっている気もしますが、「統率者を早出しできるのが楽しい」ことと、「瞬速を山札上から唱えられる」というアイデンティティは、結構面白いと気が付いたので、『ジアーダとエラント』はまだまだやり込める!とは思いました。
相性が良さそうな格安カードとかあればぜひ教えていただければ幸いです。
あと当然、土地とかアーティファクトとか、基盤部分はもっと改造点はあると思うので、その辺はお財布と相談しながら改造しましょう。持ってると他デッキでも使えて損がないので、お買い得(TCG基準)です。
終わりに
というわけで、300円以下のカード+統率者デッキの改造でお手軽パイオニアEDH参入の記事を書いてみました。
僕自身、EDH以外にも金額縛りフォーマット、コモン・アンコモン戦など、「制限されたプールでいかに面白いことができるか?」を考えるのが好きなので、今回デッキを作っていてとても面白かったです。
ゲーム自体もそうですが、お金・強さ・縛りの中で、コストパフォーマンス・バランスを考えて最適解のデッキを考えてる時が一番楽しいな…と思いました。「50円だけどめっちゃかみ合うじゃん!」みたいな知らないカードを発掘するのが楽しかったです。
パイオニアEDHについては、本当に最近知り始めたのでデッキが超拙作で申し訳ないのですが、定番アーティファクト、メタゲーム感覚、殴り合いが推奨できる環境など新鮮に感じて面白いなぁと感じました。「いかにレガシー級カードに頼っていたか」を実感するとともに、最近始めた自分としては
・「スタンダードで知っているカードが多く、デッキが思いつきやすい」
・「好きな統率者(アーキタイプ)も、コンバートすれば意外と戦える」
・「普段のEDHでは見ないカードにたくさん可能性がある」
など、独自の良さもしっかり持っているいるなぁと思いました。
今回の記事を通して、いろんな人がパイオニアEDHなど、自分のやりたいフォーマット・もといMTGをを”軽率に”始めるきっかけになれば…と思っています。やってみれば必然と「もっとやれるはず!もっと改善できるはず!」が出てくるので、できるところから始めて沼に飛び込むのは案外大事だな…と今回の記事を書いて思いました。
というわけで、ここまで長々と読んでいただきありがとうございました。
自分もさらなるパイオニアEDH沼に飛び込むことを決め、本記事を締めます。これからもパイオニアEDHの発展+皆様の楽しいMTGライフを応援しています!
(終わり)
(おまけ)追加したパーツ・抜いたパーツ
【2023/11/25 追記】
公開時の記事の中で誤って”流刑への道”を入れておりましたが、パイオニア範囲外であることを完全に失念しておりました。インスタントのパーマネント除去として、”運命的不在”に変更しています。大変申し訳ありません。
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