見出し画像

1/13 ※うちのこ

セミヨッドの解釈がややこしいのであるものとして空想。空想が現実とは限らないので好き勝手出来る(目的)。

背後はもらったぜ!)
月ー冥王→火星
金星ー天王→太陽

まとめて公私混合?型。
ーーーーーー文章で書いてみる()。ファンタジー。

「ねえ、昨日もらったお菓子って誰が食べたか知ってる?」
太陽がそう聞いてきたのはとある日の午後2時、うんざりするほど長いティータイムが終わってからだった。
「え、知らないなぁ。ごめんね。」
「そう・・・・・いいよ。よくないけど。」
椅子に落胆したようにうなだれるその姿とは裏腹に、言葉の端からにじみ出ている不服。別腹ということか。棚の上を見れば菓子缶があるのだが。中身は完全に空、散らかっているのは食べたあとのごみだけというなんとも言い難い光景が広がっている。
困った。いつも通り部屋に向かおうとしていただけなのに、彼女の負の波動に囚われてしまってつい、どうしたのと問うてしまった。
『よくないけど。』
これである。
動こうとはせずにいるところも。あえて言うなら、スマホをいじってテーブルにしがみついたまま、視線を動かさずに画面の暗闇の一点をみつめ・・・やめよう、仮にも太陽である者がそのような姿を公に晒すのは何か、ギャップを通り越していけない扉を開いてしまいそうな気がする。
(あー・・・めんどうなことになった・・・。)
金星が怪談を見たいと言って、1台しかないパソコンを乗っ取るよりもややこしい事態だ。
というか、動かないのに恨みつらみだけは一人前で、あるからこそ放っておけなくて。――そんなのはあの彼だけで十分だ。これは天王の受け売りだったか。
同じものもなし、わざわざ遠出で買いに行かなくてはならないそれを、誰かが一夜にして食べてしまい、落胆のあまり闇の住人になりかけているのだ。
火星が言った。
なら買いに行けばいい。
金星は言った。
あんたに主夫がつとまるとは思えないわ。
冥王が言った。
よお火星、ソレ食ったの俺、おれだよおれ!
火星
なんだと、
天王
そんなことよりアンドロイドだ。今こそ社会の閉鎖的空間をぶち壊す時が来た。

「太陽・・・・それ食べたの、きっと冥王だよ。」
「ヒっ、」
彼には後で謝っておこう。脳内で空想をつなげて少し、いやちょっと幅を利かせてもらった。なにせ冥王といえば、世界をまたにかける太陽の天敵である。
「わ、わたし・・・・・」
拳が震えている。これは、どう転ぶか。
「くっ、冥王でしたか・・・・・・・・仕方がありません。火星を呼びましょう。」
あっ、待って。これ違う。思ってたんと違う。てか人格が変わりすぎでは?!
―ネットで取り寄せた方が早いでしょ。なんで一々徒歩にこだわるの。
質問を送った瞬間天王から光の速さで到達する返答いや早すぎる、秒で返信できるとか、一体彼の指は何でできているのか・・・。だが火星を呼ばれては効果は半減するどころか、かえって火に油を注いでしまう。
「まっ・・・・待て太陽。ここは落ち着いて話を」

なんで自分がこんな目に。
これは、ただお菓子を食われただけの事件にも足らぬ事件ではなかったのか?

火星の足音がきこえてくる。
「なんだ。」
そして時は来た。服装に関しては、やはり黒一色というのは目立つ。今度(というものがあれば)イヤリングあたりでも勧めてみようかかかか。駄目だ、これは武者震いだ。
「その、」
だがどうも歯切れが悪い。若干だが眉をしかめている?
「冥王が・・・・・本当に?・・・・・らしいな。この食べ方は冥王だ。間違いない。」
「えっ!」
まさか、本当――
「なんだお前、知らずに利用したのか?」
「いや、勘で言ったんだ。」

嘘はいけまい。よくやった月、我ながらと自分をほめてみる。冷や汗が噴き出て止まらないんだが。だが冷徹無慈悲(金星談)という割には涙もろいと裏では囁かれているのも間違いではないのだろう。鬼教官だろうが涙が鉄だろうが鬼の目にも涙だろうが(金星談)。壁の花(天王談)とかいうのもあったな。しらんけど。
「全くやつも勝手なものだな。菓子に未練はないが、冥王というなら・・・『太陽も月もあっての地球だろ。太陽が独り占めすんじゃねぇよ。by冥王(火星の記憶)』
・・・・・・いやこれは違うだろ。違う、のか?メーカーが違う?まさか見せかけで本物は」
なんだなんだ、何が起こった。
「そっか、、、そうだよね。。。。日を改めて買いに行こう。」
ところでようやく諦めがついたらしい太陽は、手の届かない冥王よりも実益を優先したのだった。

金星から連絡が来たのは、その日の夕方だった。尚この話には犯人がいない。探そうと思えば、星の戯れも甚だしくループを繰り返すのみである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?