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記憶

情につられるくらいならやめときな

そいつの食欲は底なしだ

聞こえているかい小魚ちゃん

誘い込まれた釣堀さ

あんたにとっては尊い命

そいつにとってはただの一匹

丸呑みされて残らない

泥の底にはいくつもの

骨の残骸を蓄えて

そろそろ腐臭?

夢に夢中で気づかない

悪夢でさえも母性に抱かれ

抱かれて抱かれて溶かされる

あなたはどこ?

すでに腹の中

あなたもわたしもわからないまま

漂い彷徨い望みの底で

誰のものなんだ?奪った形

夢の代わりに奪われた形

涙を流すまでは永遠に

あなたは浮かばれないまま

海がやってくる

どこまでも海がくる

本当はそれが本音であったが

濁りすぎた水のなかでは分かるまい

恐怖

塵になって消える

ハルマゲドンに形を与えてやったが

海を悪魔と訳してやったが

そんなことも知らない海がくる

約束していた永遠の夢が終わる

主はとうとう約束を守れなかったのだ

すでに骨すら溶かされて

魚だったはずのモノはまた

バクテリアに生まれ変わるしかなかった


-の海王的な、📝のようなもの。


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