その人らしさ×インサイトでアイドルのコンセプトを作る(1)
こんにちは、バーチャルアイドル・夢乃ほのか💎のマネージャー、アオヤマです。
今回はの議題テーマ、
アイドルのコンセプトをデザイン思考で生みだす
になります。
ほのか💎がアイドルとして世に出ていくにあたって、どのようにしてその個性を確立するべきか、内部で話題になりました。
そして、今回は「デザイン思考」を基本にした発想方法でアイドルのコンセプトを生み出せないか?と考え、実験をしてみることにしました。
デザイン思考とは、
プロセスや「なぜやるのか?」を大事にした課題解決方法、またその思考のことです。
デザイン思考とはデザインに必要な思考方法と手法を利用して、ビジネス上の問題を解決するための考え方です。
デザイン思考についてよくわかる参考サイト:Goodpatchさん
それでは、そのプロセスを紹介します。
(1)どうやってやるのか?
プロセスとしては、
アイドル自身の持ち味ややりたいこと=そのひと「らしさ」
参入しようとしている領域の持っている課題=「インサイト」
を明確にし、それらを素材に「コンセプトアイデア」を発掘していく、という形になります。
この形をとることで本質的な最終アウトプットが期待できます。
ここでは、
⑴ほのかが「やりたいと思っていること」「叶えたいと思っている未来」を明確にすること
⑵参入していく予定の「バーチャルライバーの世界が持つインサイト」を明確に言語化すること
この2点が重要になります。
では、早速「らしさ」と「インサイト」をみつけていきましょう。
(2)アイドル自身の「らしさ」を洗い出す
それでは、今回はKJ法という手法を使って、ほのか💎の「らしさ」を見つけていきましょう。
KJ法、と大袈裟に言いましたが、付箋に頭の中にあるアイデアを書き出して、その付箋たちをグルーピングするという方法です。
おなじみですよね。
今回はMiroというツールを使って書き出して見ました。
Miroで頭の中を書き出し、アイドル活動の中で大切にしたい「らしさ」を抽出しました。
Miroの記録は 以下の通りです。
ほのかの「らしさ」は、
・性格
・好きなこと
・できないこと
・得意なこと
・実現したいこと
の5つにグルーピングすることができました。
付箋を並べ替えながら、「らしさ」を一言で表せないか?と考えます
性格・好きなこと基盤に得意なことを生かして、実現したい世界を表現する
アイドル活動において「あたり前」のことかもしれませんが、この「あたり前」を言葉にして共通理解にすることも、デザイン思考のプロセスにおいては大切です。
そして、大事な「らしさ」フレーズが生まれました。
・たくさんの「好き」をトークやイラストなどを活用して表現したい!
・特定の層だけでなく、老若男女いろんな人のよりどころになりたい。
・ほのかとその周りの人たちが、好きなことをいっぱい「好き!」って言える居場所を作りたい
・ほのからしいほのかを愛してもらいたい
ほのかは、好きなことがとにかく多い人なので、いろんな人と「好き」を「共感」できるアイドルになれるんじゃないかなと思います。
それを叶えるために、「ファンと近い距離でコミュニケーションをとりたい」と思っています。
(3)バーチャル世界を調査→「インサイト」を探る
まずは、バーチャル世界を「正しく理解する」ことから初め、それから、インサイトを探っていきたいと思います。
同時に、配信プラットフォームを選定します。
まだ他にもあるかもしれません。もし面白いアプリをご存知の方いらっしゃったら教えてください。
現在、Vtuber、バーチャル系配信アプリは多数リリースされています。
「どれから手をつけていいのか?」と迷いましたが、まずは配信アプリで調査することにしました。
調査の方法はいたって簡単。アプリを「体験する」だけです。
ただ体験するだけでなく、ポイントとする観点を持って体験することが重要になってきます。
我々がアプリを体験・選ぶポイントは以下4つになります。
・簡単に始められるか?
・UIがわかりやすいか?
・ライバーもリスナーも無理なくライブを楽しめる雰囲気があるか?
・配信アプリならではの独自文化や課題はあるか?
初心者向けのオンボーディング、わかりやすさが 明確になっているものを選ぶことは、いろんな人のバーチャル世界への入り口になりたいほのかにとって、強みになるのではないかと思いました。
そして、調査の結果、最初の配信プラットフォームとして選んだのが、アプリIRIAM(イリアム)になります。
IRIAM(https://www.live.iriam.com/)
現時点でわかっている「IRIAMの配信特徴」を書き出してみます。
(1)雑談系のライブが多い
歌、弾き語り配信もあるが、基本は「雑談」としている枠(ライブ配信を設けている状態のこと)が多いと思います。雑談だけで間がもつような「シナリオづくり」がされているのか、もしくは、リスナーはそのライバーに会うためにライブにアクセスしていると考察しても良さそうです。
(2)Live2Dの配信者はリスナーがかなり多くついている
もちろん、配信者さん、リスナーさんの努力の過程があってLive2Dでの配信が可能になっていることも理解しているつもりです。
(3)ライブ配信ごとに文化が生まれている
あいさつやプレゼント(アプリ内で使えるポイントを使ってアイテムを投げること)がライブ内で飛び交った時など、様々なタイミングに「独自の文化」がある。
例:おはよう→『おはほの!」=おはよう+ほのか(配信者名)
(4)ファンとのつながりを「バッヂ」や「推しマーク」で表現している
IRIAMでは、ファンとのつながりを表す文化も発達してきています。自分はファンです、という証をもつことがステータスになっているようにも思えます。
調査を経て、
配信アプリ(ないしIRIAM)はライバーとリスナーのつながりや文化をとても大切にしたプラットフォーム
だといえそうです。
そして、調査から想像する、IRIAMのユーザーペルソナを設定します。
ペルソナとは、サービス・商品の典型的なユーザー像のことです。
ペルソナを設定すると、一緒に動いている仲間同士でイメージをすり合わせることができます。仲間とイメージを共通理解にすることが今後の運営に置いて、重要なのです。
第1ペルソナ(画像掲載を少々お待ちください・・・)
第2ペルソナ(画像掲載を少々お待ちください・・・)
ここまで長くなりましたが、バーチャルライバーの配信ならではのインサイト(課題)も2つ発見しまた。
以下の考察は私たちの考えであって、元ライバー文化を否定するものではありません。
インサイト(1)初心者ユーザーには「独自文化」のハードルが高い
初心者ユーザー時代、専門用語やそのライブの文化がわからなくてと浮いてしまう、という経験はありませんでしたか?
初めてその枠に入るユーザーは「そのライブの文化を知らないまま枠に入る」ということになる。この一歩は、少し緊張する。ライブの一体感が強すぎて「強烈な文化に圧倒される」ということもある。
馴染めなくて退出・・・なんてことも何度かあった。
インサイト(2)課金制度=愛の大きさだと感じられやすい
「推しに課金していることが最も重要!」みたいな思考のユーザーも存在する。もちろん、ライバーを直接応援することにもなるし、その考え方も大切だが「ライブ配信は課金するだけのもの」と思われてしまってはもったいない。
課金は「ライバーとリスナーの良好な関係性」を前提としたい。(あくまで私たちの考え方です。正解はないと思いますし、それぞれの考えを尊重したいと思っています。)
ここまで、バーチャル配信世界への理解を深めてきました。
いよいよ、「らしさ」と「インサイト」と掛け合わせてコンセプトを作っていきましょう!
(4)「らしさ」と「インサイト」をかけ算する
(1)(2)で「らしさ」と「インサイト」を洗い出すことができました。ここからはいよいよ、コンセプトを発想していきます。
今回は、上記のブランディングなどで使われるフレームワークをアレンジしたものを活用します。
このフレームワークを活用すれば、
・アイドルとファン(届けたい人)を繋ぐ
・現状、課題を解決し叶えたい未来を実現する
ためのコンセプトを生み出すことができます。
参考図書「コンセプトのつくり方」著:山田壮夫 朝日新聞出版(2016)
長くなりましたので、次のノートでコンセプト作りを掘り下げていきます。
記・アオヤマ
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