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映画・本

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映画と本からの考察。
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#高畑勲

「おもひでぽろぽろ」③記憶は書き変わる

ラストは、過去の記憶についてです。これは映画に直接関係がないですが、この映画が過去の記憶が大きなテーマだったので、記憶についての考察としてお読みいただけたら嬉しいです。 こちらの続きです。 「おもひでぽろぽろ」①高畑勲監督の人間の心の描き方 「おもひでぽろぽろ」②共感と記憶 映画は27歳のタエ子が小学5年生の頃のエピソードを思い出しながら話が展開していきます。 ここが重要で「27歳のタエ子から見た記憶の中の小学5年生の世界」です。 それが本当にタエ子が小学5年生の頃の

「おもひでぽろぽろ」②共感と記憶

①の続きです。 子どもの頃に何度も観た「おもひでぽろぽろ」の映画。大人になってから観たのは初めてです。 人の記憶は以下のどちらかがないと記憶に残らないということをこの映画を通して気付かされました。 ■共感する ■共感がなくとも想像して理解しようとする 解説させていただきます。 ・ 映画を観ながら驚いたことは、主人公、タエ子の小学校5年生の子どものシーンは明確に覚えているのに、27歳の大人になってからのシーンはほとんど記憶に残っていなかったことです。 高畑監督作品の魅

「おもひでぽろぽろ」①高畑勲監督の人間の心の描き方

映画「おもひでぽろぽろ」を観ました。そこから感じたことを綴りたいと思います。 まずは高畑勲監督について。 ジブリ映画といえば、宮崎駿監督。 「火垂るの墓」もジブリ映画だけど、なんだか佇まいが違うな〜と思っていましたが、監督が違うと明確に認識したのは大人になってからでした。 そして先日、高畑監督の「かぐや姫」を観ました。 この映画、とても味わい深く素晴らしくて。こちらもまた綴れたらと思っていますが、高畑監督というのは登場人物、特に主人公を「ヒーローで憧れる存在!」とい