おかえり、妹

「ただいま〜」

少しだるそうな声が玄関の方から聞こえてきた。
ガチャっと、ドアノブを開けて現れたのは…妹。

鎖骨あたりまであったはずの髪は、美容院に行ったからなのか、マッシュルームみたいに
ちょっと美味しそうな髪型になっている。

父母私「おかえり〜〜」

高校受験に集中すべく、歩いてすぐのところにある祖父母の家に住み込んでいた妹。
そんな妹が、半年ぶりに家に帰ってきた。

「合格おめでとう!」
「おめでと〜」
「おめでとう」

拍手が響く家の中。

いつもはあんまり表情を変えない妹だが、
肩をほんのり、ふっと下げ
ちょっとだけほほえんだ感じで
自分に拍手をしていた。

それだけで
無事合格して安心したんだなぁ
相当嬉しかったんだなぁ
ということが伝わってきた。

あたたかい春は、きっともうすぐだ。

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