元気一本

「ここへ来ると、いつも立派な一本うんちが出るんだよね。」
 私と同じく、この農場にお手伝いに来ている方が言っていた。(いきなりこんな話ですみません。)

たしかに、ほのぼの農場にいる時はおなかの調子がいい。それは、腸内フロ
ーラ咲きまくり(たぶん)の「華の農場ライフ」のおかげだろう。そんな農場生活について少しご紹介しよう。


朝、コケコッコーの天然アラームで目覚める。いつもの、煩わしいスマホアラームは不要だ。かわりばえのない無機質な電子音とは違い、鶏たちはバリエーション豊かな声を届けてくれる。(そのつもりは無いだろうが)


食事をすませると、朝霧をくぐりぬけて畑へ向かう。午前中にこれだけ身体を動かすのは、じつに高校時代の部活動ぶりだ。当時、下手くそ野球部員であった私はグラウンド整備ばかりしており、「阪神園芸」の異名を持っていたが、ここの畑では阪神園芸さんも顔負けするほどに土と向き合う。


昼になると、高校球児を彷彿とさせる泥まみれの姿でログハウスへ帰る。お待ちかねのお昼ごはんの時間だ。ほのぼのの食卓はいつも彩り豊かである。

モーニング娘の13枚目のアルバム「カラフルキャラクター」くらいカラフルだ。とれたて有機野菜の色は、もはや着色料よりも鮮やかで、気味悪いほどに美しい。ここの野菜でアルチンボルド(野菜で人の顔を表現する画家のやつ)をやると、本家を超えるのではないかと思っている。(たべもので遊ぶのはやめましょう)

こうして五感に栄養を蓄えた後、再び土とたわむれに向かう。そして、一日の終わりには近くの湯郷温泉で疲れを洗い流す。これが、農場ボランティアの徒然なる生活である。
このような環境のなかで、「立派な一本」君もさぞかし喜んでいることだろう。先日ネット番組にて、元Jリーガーで現・腸内環境研究ベンチャー社長の鈴木啓太氏が、次のようなことを言っていた。「便は自分からの便りで、成績表です」。
農場で優秀成績を修めたところで、次は本職の学業の方でも健闘したい。(切実)

かまきり(20代・大学院生)

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