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夢を見せるな、ブルーハワイ

私は、昔からよく眠る人間だ。

そして、何か用事があれば絶対に起きられるが、何か用事が無ければ絶対に起きられない。

学校や仕事、友人との待ち合わせ等に遅刻したことは、ただの一度もない。真面目。一方、丸1日フリーの日は、極限まで惰眠を貪っている。2度寝どころか、5度寝ぐらいしている。質が悪い。

わりかし早寝していた子どもの頃でさえ、休日とあれば朝10時くらいまで寝ていた。大人になった今なんか、腰が痛くなるまで寝ている。起きるのは昼過ぎがデフォルト。実に病的だが、これこそ至福。休日の朝8時に起きる人間とか、正気か?プリキュアを見る以外の動機でそんなやつが居るか?

眠るのが好き。好き好き大好き。やってないので詳しいシステムは知らない。ただ、ポケモンスリープとか始めたら全一狙えるんじゃなかろうかと考えたりする。寝れば寝るほど素材が手に入るのであれば、有利すぎる。でも、寝すぎは寝すぎで不健康だと怒られるのか。

長く寝るといっても、人間である以上、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返すわけで。まあこの辺の科学的な話は全く分からないが、とにかく。浅い眠りのときには夢を見る。

夢。Dream。寝リーム。最近は睡眠欲という本能に負けて寝てばっかりなので、自然と夢を見る数量も多くなる。

のだが、楽しい夢ばっかりで困る。

父は心配性で、誇張抜きで毎日悪夢を見ているらしい。何らかの手続が終わらないとか、仕事に追い詰められるとか。

こうはなりたくないなと思う。絶対に嫌だ。でもある意味、夢から覚めたときにほっと安心することが可能とも言える。良かった、夢だ~、って。-から+というか。

片や私は。

箒に乗って風を感じながら空を飛ぶ。さながら魔法少女。何十人もの暴漢相手に大立ち回り。さながら格闘家。ドッジボールで無双する。さながらスポーツマンガの主人公。推しの撮影に同行する。さながら……夢女子?夢だけに。

幸せかい。

夢の中の私はときどきマジ殺陣をするが、相手の心が読めるので、華麗に攻撃を躱せるし、攻撃を打ち込める。壁を蹴って加速するとか、超人染みた動きができる。明晰夢に近いのだろうか。夢の中では上手く走れないとよく聞くが、私の場合はいつでも逆。疲れ知らずでぶっ飛ばすことができる。

現実の私はびっくりするぐらいもやしっ子だ。体育の時間なんて本当に憂鬱だった。50m走は2ケタ秒だし、持久走は大抵ビリかその前くらいだし、ドッジボールではいの一番にボコされていた。ある意味連帯責任の球技、野球とかサッカーとかで注がれる「なんだよコイツ……」的冷ややかな視線は、未だにありありと思い出せる。

体育への憎しみはここまでにするとして。

実際、空は飛べないし、推しは自分のことを認知すらしていない。言わせんな。

だから、目が覚めて意識を取り戻すと、がっかりする。現実はどこまで行っても地獄なくせに、ありもしない幸せを見せるな。

普通の夢や悪夢も全く見ないわけでは無いのだが、すぐ忘れてしまう。良い夢は忘れられないのに。

あと、自分が素顔を知らない人が、夢の中でも顔が見えないのは辛いね。届かない人なんだねって。

ゆめにっきというゲームがある。小学生の頃に知った名作フリーゲームだ。夢の中を彷徨う少女を操作し、世界に散らばったエフェクトを集めるのが目的である。

自分でプレイしたら、エフェクトを10個集めたらへんで吐き気を催した。気持ち悪くて。誉め言葉です。なので、ニコニコ動画の実況プレイを片っ端から見ていた。上から下まで、右から左まで。同じゲームに対して、同じびっくり演出に対して、どの人がどういう反応をするのか調査するのが楽しかった。

幼い私には衝撃のゲームで、心に刺さっていつしか同化していた。夢日記という言葉はこれで知った。見た夢を記録すること。

ゆめにっきに被れて、この頃の私はキモい化け物ばかり描いていた。友人にゆめにっきを布教し、ゴスロリの美少女が出てくるよ!と騙してウボァチャレンジをさせるなどのクソガキムーブを行う等、真正ゆめにっカー(今生まれた言葉)として精力的に活動していた。

そんな私は当然、夢日記に挑戦した。しばらく続けたが、枕元に置いてあったそのノートは、気が付けばどこかに無くした。しかし、夢日記自体は細々と続いている。

物語のような面白い夢を見たとき、寝ぼけて動かない身体に鞭打って、見たものをスマホのメモに記録するようにしている。デジタル化の波は夢日記にも来ている。後で見返すと支離滅裂で、なんだこれはと呆れたりする。

だが、創作に役立つこともある。

ちぴよさん

これは、数年前に悪夢で見た人だ。目が真っ黒で、ピンクっぽくて、ナースっぽくて……と、記憶を頼りに描いた。実在しないファム・ファタール。得体が知れない女。こんな感じで、ポンとキャラクターが生まれることもある。

夢日記を付けると狂う、という話を今思い出した。

言われてみれば「あれ?これ現実で言われたっけ?夢だっけ?」ってなること、あったな。ヤバいかも。推奨しない。怖くなってきた。

人の日記を読むのが好きだ。人の考えを知るのが好きだ。

noteの自己紹介なんかを見漁るのは、とても楽しい。note。このサイトは、人生の断片の集積場だと感じる。案外、皆思うところあるんだなあと思う。人生色々、世界広々、イニミニマミモ。

趣味:人間観察を自称するのはヤバいやつかも。そうだな、情報収集?趣味:情報収集。

ここで唐突に、情報収集をかき氷に例えてみよう。

心という器を用意する。自分の感性という氷を削り、積もらせていく。それに、他人の感性というシロップなり、フルーツなりを乗っけていく。

あんまり乗せすぎると味がごちゃごちゃになってしまうので、適度に食べて消費することが大事だ。出来たかき氷を平らげ、器が空になったら、また氷を削る。シロップを、フルーツを乗せる、食べる、の繰り返し。

他人の感性を浴びすぎると、食べ過ぎると、それこそ頭がおかしくなる。いや、アイスクリーム頭痛を起こしてしまうし、お腹も壊してしまうかも。こんなときは、PCから離れてサイクリングでもするのが良いだろう。

器は綺麗で自分好みな方が、食べるときにテンションが上がるし、氷は透き通っている方が美味しい。他の考えはいずれ自己の考えにフィードバックされ、練度を高めていくことであろう。器も氷も、他に磨かれ、自己に帰ってくる。社会に対する多様な解釈を知り、成長していく。

で、あるからして――。何を言いたいんだ?
あれよね、かき氷はブルーハワイが最高って話。

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