オリジナル曲「テトリル」を重音テトさんに歌ってもらいました
テトリル / 方野冥利 feat.重音テトSV - MV
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MVをアップしました。7作目。ボカロ曲(広義)でいうと2作目。
制作過程を記録しておいたので、せっかくなら世に出しておこうと思った。長文な上に、やや散らかった文章なので、暇すぎてアザラシになりそうなときに読んでほしい。アザラシになっては困るので。
一言でいうと、人マニアとBling-Bang-Bang-Bornをレッツ・ラ・まぜまぜしたらUnwelcome Schoolが出来上がってきた感じです。
変な曲ができたら重音テトさんに渡そ……と長らく思っていたら、できたので、渡した。歌ってもらった際のバッチリ感は今でもガッツポーズものだ。
うちの重音テトはSV。ビジュアルやサンプル曲の発表を横目で見ていたら、
本格的に気になりだして、発売から2ヶ月ほど後に購入した。ナイスな買い物。
作曲
最初のデモ?を作ったのが2023年3月11日。なんか曲できないかな~と思って、Cubase12のプロジェクトファイルを開いてこねこねしていた。ボイスメモに録音したメロディを打ち込んでみたり、最近聞いている曲のコードを鳴らして構想を練ったり、というのをやっていた。
その中で選んだ曲のひとつがBling-Bang-Bang-Bornだ。AmとE7だけで1曲作ってるの、すごいなあと思って。あと選んでた曲は、Overdoseとか。おしゃれで好き。こっちは思いつかなかったけど。ハマるのが1年遅い。
AmとE7(テトリルはセブンス付いてないかも!)を鳴らしながら適当に弾いてたら、なんかできた。曲ができるときは、なんかできるか、こねくり回すかだが、テトリルの主なメロディは前者。
このメロディを台無しにするような編曲をしたくない。だが私は編曲が下手過ぎるのが悩みだ。音源は悪くないはずなのに、組み合わせるととたんにしょぼくなる。
というわけで、Spliceのサンプルに全のっかりすることにした。あれは良い。おしゃれになる。鉄塔の音の9割はSpliceの功績だ。Splice様様である。
編曲のリファレンスが人マニア。とはいえ、あまり寄りすぎるのもな……という考えから、頭の中にある「人マニアの編曲」という漠然としたイメージを形として出力していく作業をした。今思えば普通に寄せとけば良かった。
で、デモが完成した。2分足らずぐらいの。ここまでで3時間かかってない。
まず、1分台はさすがに短くない?と感じて、この時点で長くしようと決意した。私的に、楽曲の理想の長さは3~5分なのだけど、この曲は長くなっても2分が限界。これは仕方ないと譲歩した。
デモを作って、寝て、起きて、もっかい聞いたらなんか恥ずかしかった。照れる。そんなつもりで作ったんじゃないけど、狙いすぎてない?とちょっと恥ずかしかった。
駅に用事があったので、歩く際にこのデモを聴いていたら、ふと「これUnwelcome Schoolじゃね?」と思った。家に帰って聞いてみたら、完全に「それ」で面白かった。雰囲気が似てますねえ。まあいいや、とそのまま進行。
なんなら、曲を長くするにあたって間奏、シンセメロが荒ぶってるところ、を追加したのだが、そのリファレンスがUnwelcome School。リスペクトリスペクト。ブルアカミリしらなんですが好きです、Unwelcome School。後天的にリファレンスになった。パクったんじゃないんです、信じてください。
2日後の3月13日に曲は一通り完成。3月18日にミックス、マスタリング、調整を終わらせ、ターンエンド。音楽完成。早すぎる。ボカコレ2024夏まであと5か月もある……。
とか思って寝かせていたら、サーバー攻撃による影響でボカコレ2024夏は延期に。
MV
MVは実写が良いな、と思った。これは完全に個人の都合で申し訳ないのだが、昨年から制作していたアニメーションの締め切りが8月だったのだ。これにプラスでテトリルのMVをアニメで描こうものなら「死」だね、という直感があった。
実写は手がかからない、と主張するわけではないが、まだアニメよりはマシか……と実写MVに決めた。あとは、ボカロ曲のMVって圧倒的にイラストとかアニメとか、そういうのが多いので、多分。実写なら目立てる……?という目論見があった。やってみたかったし、実写MV。
今回のMVには、いくつか条件を設けた。まず、固定カメラであること=動きを少なくすること。カメラマンはもちろん私になるが、私は実写映像のプロではない。素人がカメラを扱う際には、画面を動かせば動かすほどチープになる、というのをどこかで聞いたことがある。気のせいかも。
そして、室内で収まること。これは単純に、撮影の手間だ。スマホカメラに一眼レフを担ぐような手間は不要とはいえ、動き回るのは疲れる。なので、部屋で完結する卓上MVを企画した。
小道具
MVの方向性は難しかった。なんせ、こんなわけのわからない曲だ。どうすればいい。結局、ゆめかわ路線になったわけだが、なぜか。小道具の用意が楽だからだ。
小道具は私物。普段は本棚の隙間に飾ってある、私が好きな可愛いもの。選出の基準として、コンテンツ色が強くないもの。スイーツパクトとか、ペペルトポロンやムーンスティックの食玩verとかもあるのだが、これらは「プリキュア」「おジャ魔女どれみ」「セーラームーン」色が強くなってしまうため、小道具にするのは断念。ステッキや鍵みたいなやつはルミティアシリーズではあるのだが、こちらはセーフ判定で小道具に。
この撮影のために購入したのは、シーリングワックス(白と水色の八角形)、後ろのフリル・リボン、下に敷いてるサテンの布。それ以外は私物。シーリングワックスは雑貨屋の良いやつを買ったのだが、100均にも売っていることを後に知り、ちょっと落ち込んだ。
あとは、半透明の目玉クリップ、本屋で買ったミニチュア、ホムセンで買ったボルト、出所不明のビーカー、ガチャガチャの透明標本など。ちょっと外れたものも取り入れることで、曲の秩序のなさを表現した。分かり辛いが、右上の青緑の四角はフロッピーディスク。家に余っていたのを1枚譲り受けた。レトロフューチャーね。
工作
コンセプトに合わせてキャラデザをし、ipadで絵を描き、コンビニで印刷し。コピー用紙そのままだと強度が不安なので、厚紙と合成して、ハサミで切って、マステで持ち手用のストローを合わせて。
粘土をこねくり回したり(立体造形への苦手意識から1ヶ月作業を遅延させる愚か者)、ポスカやカラーペン、アクリルガッシュを久々に使ったり、楽しい経験になった。
+で、飼い猫のチェキを作った。可愛すぎ。背景は汚すぎ。
リファレンス
MVのリファレンスは、まよなかにおはよう、ぽこぽこぴこたん。というかこういう、部屋で展開されるタイプの実写映像をこの2つしか知らなかった。知見、狭~。
テトリルのMVは長回し。ライブ感を出したかったからだ。ほぼ撮って出しなので、編集作業は楽だった。
が、撮影自体はかなり疲れた。
撮影・編集
午前中のライティングが良いかな、と思ったら起きられず、昼からの撮影。撮影時間が延びると、窓から入る日光が変化してしまう。
夕方のコントラスト強めの日光は、今回不適だと思ったので、早めに撮影を済ませるしかない。
曲を流しながら、展開に合わせて、順番にキャラクターを出していく。出すのが遅れたり、動きが気に入らなかったりで、テイクを重ねる。精密作業だ。
これで完成!と思って動画を確認すると、映ってはいけないロゴが映りこんでいて撮り直しとか。計4回ほど撮り直したが、いちいち小道具を初期状態に戻すのは、かなり憔悴した。
で、後半。コバエがめちゃくちゃ映り込む。夏め。このせいでテイクが嵩み、結果、人形の口がもげて強制終了となった。ボンドで固定してからその日中に撮影を再開となると、夕方になってしまう。日を改めるしかない。
2日後に再撮影でオッケーを出すが、この2日間はコバエへの憎悪がすごかった。徹底的に部屋を片付ける、コバエホイホイを設置する、呪詛を吐く等、対策は多岐に渡った。
動画のOKテイクも危なかった。ラスサビ前にキャラクターを出すのが少々遅れている。1番サビのキャラを使い回すため、分かるように他から除けておく必要があるものの、2日ぶりの撮影で完全に忘れていた。そのため、あの遅れはマジ焦りだが、良いアクセントになったので結果的には良かった。
ピント、固定しておいたほうが良かったかな……?
そして編集へ。あらかじめ歌詞やレターボックスをセッティングしておいたプロジェクトファイルに、動画を当てはめて、各所微調整して出来上がり。
最初に黒いバーがぬうと伸びてくる感じ、Eテレっぽくておもろい。
トラブル
ずっと前から想定しており、これで出そう!と思っていたタイトルが、他の方のボカロ曲とタイトル被りしてしまった。しかも、そちらの方が圧倒的にタイトルの納得感がある。自分の方が劣っていることが明らかだった。
急いで別のタイトルを考える。そして、「テトリル」。この文章においても逐一差し替えたつもりだが、直ってなかったら本当に申し訳ない。
アップ予定日の3日前に、出来上がった映像を急いで修正した。豪速で。修正前もそれはそれで良かったが、修正後、より良くなった箇所もあり、大満足の仕上がりにできた。
#ぼかえり2024夏
中止となったボカコレ2024夏の代わりに、ぼかえり2024夏というイベントが開催されることになったので、それに合わせたアップとなった。そもそも、延期発表の時点で、ボカコレに出すのは諦めよう、通常時に出そうと思っていたので、こういったイベントが催されるのはありがたかった。再生数は普段と大差ないが、何かしらイベントに参加できただけでも嬉しい。
いつもより冒険した曲に、実写MV。自分の中で若干の照れはあるが、確実に経験値が積まれる音がする。SVテトさんはとても優秀なので、これからも仮歌などで手伝っていただきたい。