自己紹介・諸前提

はじめまして。ハナと申します。英国オックスフォードに4年近く留学し、懸案の博士論文の目処がつきそうなので、これから留学される方々に何か参考になればと思い、このタイミングでnoteを作成しました。とは言いつつ、何が「一般に」ためになるのか考えすぎるのはやめて、3年半前、オックスフォードに着いたばかりの自分が知っていればよかったなということを軸に綴っていきたいと思います。

研究者としての私の経歴についてはhttps://researchmap.jp/sylvhana55をご覧ください。ここに書かれてないことで私のナラティブを形成している可能性がある要素は以下の通りです。

韓国大田市出身。高校一年生のとき、家族の事情で来日しました。母親のゴリ押しで(ありがとうございます)特例の編入試験を受けさせてもらって愛知県旭丘高等学校普通科に通いました。家族の事情とは、未だ私にも全容は把握できておりませんが、父親が突然韓国の会社を辞めて日本の会社に就職したことです。ので、いわゆる駐在員でも、二世(以降)でもありません。資産と言えるものがほぼないサラリーマン家庭なので、家のお金で留学することは選択肢に全くなく、日本で修士をやっていた頃から経済的に親から完全に独立しています。

日本語は、何も断りを入れなければ外国人だと思われない程度には四機能すべてできますが、漢語は基本的に韓国語ベースで覚えたり読みを類推しているので、時々日本語にはない単語や読みを生み出してしまうことがあります(お気づきの方はぜひご指摘ください)。

少し距離が縮まると(日本語話者に)よく聞かれることとして、「なぜ李東宣(イ・ドンソン)がハナになるのか」問題があります。これは韓国の家父長制の一つの帰結で、両親は私の名前を「賢雅(ヒョナ)」と決めていたのですが、父方の祖父の意見に従って戸籍に「東宣」という名前を記す運びとなりました。祖父は「東宣」という名前にこだわった理由は、「東」という字が私の代の「回し字」と決まっていたからです。しかしこの「回し字」という文化自体、男中心のものなので、「東宣」という名前はどちらかというと男の子ぽい響きがあり、両親も私もこの名前が嫌いでした。事実、私の人生の前半で「東宣」と呼んでくるのは父方の親戚以外にはおらず、「賢雅」という名前にアイデンティティを感じていたので、この名前をベースに英語圏ではHannah、日本ではハナと呼んでもらっています(Hyunahという発音は難しい)。ちなみに少なくとも英語話者にはどうしてDongsunがHannahになるのか聞かれたことはほとんどありません。



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