優秀ってどういうこと_

『優秀な人』ってどんな人?

テレビなどでは学歴の高さばかりを誇張した芸人などが優秀ということで持て囃されていますが、その一方で高学歴でも不遇な人生を送っている方々もおられます。

これから就活などでいろいろと悩む方も多いと思うので、今回はこのテーマでアンケートをとることにしました。

今回の内容は
『優秀』とはなにか?
自分がトップだった場合、採用したい人はどんな人か?
という2つの点について見ていこうと思います。

回答者の属性

これは先にやっておかないと認識が偏ってしまうので需要がないことは理解しつつもあえて載せています。

ちなみにアンケートについてはいつも通りクラウドソーシングを利用して、100人の方にお聞きしました。

こちらがそのグラフになります。

ご覧のように女性47人:男性53人となっています。

回答者の多かった層は30代~40代で、60代・70代以上は一人づつ、10代は0でした。やはり10代だとあまりこういったことに興味はないのかもしれません。

優秀さの定義についてのアンケート結果(割合)

ではまずは『自分が思う優秀さの定義』についてのアンケート結果を見ていきたいと思います。
結果はこのようになりました。

項目についてはグラフに表示されている7項目の中から選んでいただいたのですが、多くの人が考える『優秀さ』とは『地頭の柔らかさ』のことを指しているようです。

社会で声高に叫ばれている高学歴は10%前後とあまり注目されていないようですね。この統計を見ると『高学歴ワーキングプア』が生じる理由もわかる気がします。

優秀さの定義についてのアンケート結果(世代別の違い)

ではどの世代の人がどのような回答をしたのか、その点を見ていきたいと思います。グラフだとこんな感じになりました。

上から順に回答者の多かった選択肢になりますが、30代の回答者32人のうち、14人(約44%)が『地頭の柔らかさ』を重視しているのがわかります。

40代でも36人中13人(約36%)の人が同じく『地頭の柔らかさ』を優秀さとして考えているようです。

面白いのは『学歴の高さ』の項目を選択する人が世代が進むごとに減っているという点でしょう。20代では4人(20%)、30代では3人(0.9%)、40代では2人(0.5%)と徐々にですが減っているのがわかります。やはり社会で働いていくうちに学歴信仰は薄れていくのかもしれません。

おそらくですが『理解力の高さ』や『要領の良さ』を優秀さの基準として選ぶ人が多いのは、指導係として後輩や部下に教えることが増えるからかもしれません。

一度教えたことをすぐに理解してくれるということは自分の仕事量が減るということに繋がるわけですからそう考えるのが自然です。

自分がトップだった場合に採用したい人材についてのアンケート結果(割合)

次は自分が会社のトップだった場合に採用したい人材についてのアンケート結果になります。

もし会社のトップでなくとも、採用担当者であった場合もだいたい同じ基準が適用されるはずなので聞いてみました。結果はこちら。

こちらのアンケートも選択肢は7つだったのですが、圧倒的に『周りと上手くやっていけそうな人』を採用するという人が多かったようです。

次点で『他とはちょっと違った考え方をしている人』が全体の4分の1を占めているようですね。

ちなみに『有名な大学を卒業した人』や『前の会社でそこそこ出世していた人』『自分でビジネスをやっていた人』といった外側の『形』で採用を決めるという人はあまりいないようでした。

やはり『内面重視』が今の採用の基本のようです。

ただ、この結果を見ると『ああ、日本人だな…』といった感じも受けます。

選択した理由についても聞いてあるので、面白いものを後で紹介していきたいと思います。

自分がトップだった場合に採用したい人材についてのアンケート結果(世代別の違い)

先にこちらのアンケートの世代別結果について見ておこうと思います。
グラフはこのようになりました。

どの世代においても『周りと上手くやっていけそうな人』という人材を好む傾向があるようです。

やはり過去の名誉よりも実社会においては未来の可能性が重視されるのかもしれません。

なぜその人を採用したいのかという理由について

では最後になりますが「どうしてその人を採用したいと思ったのか?」についての意見の一部をご覧ください。

こちらはタイプごとに2つずつ意見を掲載しています。

『周りと上手くやっていけそうな人』を採用する理由

本人がいくら優秀だとしても、トラブルメーカーでは損失の方が大きいから。(30代女性)
チームメンバーと協力できてこそ大きな仕事ができると思うから。(30代女性)

このように「会社は組織で利益を生み出す存在である」という理由で『協調性』を重視する意見が多かったようです。

ですが『みんな一緒』は悪い状況でも成り立つので、足の引っ張り合いになることもあるようですが…。

『他とはちょっと違った考え方をしている人』を採用する理由

社会的な協調性を優先する思考だと仕事の効率はあまりよくならないと考えているため。(40代女性)
会社が発展するためには、人とは違う視点を持つ人が必要だと思うから。(40代女性)

ビジネスで今の時代を乗り切るためには『新たな視点』が必要であるという意見が多かったようです。上の『周りと上手くやっていけそうな人』とは逆の理由ですね。

でもワガママすぎると実際に周りを振り回すことになるので、この辺りを見極められるかが肝ではないでしょうか。

『過去に大きな社会的実績のある人』を採用する理由

何かしらの体験や経験を生かしてくれそうだから。(30代男性)
実績のある人は信用できるから。(40代女性)

過去に社会的に実績を残している人だと『信用できる』という意見が多かったようです。確かに今までの実績はその人の努力を表していると捉えることもできます。

ですが単なる『棚ぼた』の場合もあるので注意が必要でしょう。

『自分でビジネスをやっていた人』を採用する理由

自分から何かをしようとする行動力があるから。(40代女性)
はっきりとした自分の意見を持っていて不慮のトラブルにも柔軟に対応出来そうだから。(20代男性)

ビジネス経験者は『自立した思考や積極的な行動力』があるとみなしている方が多いようでした。ですが起業そのものは実際はそこまで難しいものではないですし、基本的にお金を払えば誰でも『社長』になることもできます。

もちろん利益を上げなくても『法人住民税』の均等割分(一般的には7万円)は必ずかかるので『金で立場を買う』ことになりますが…。

『有名な大学を卒業した人』を採用する理由

客観的に判断できるから。(40代男性)
今まで中卒・高卒の子ばかりと仕事をして、基礎学力のなさに辟易しているため。(40代男性)

このように学歴で採用するという人は『学歴=能力の高さ』という考えの人が多いように見受けられます。
ですが必ずしもそうでないことはすでに多くの方が実感していることではないでしょうか?

それでもすがりたいほど基礎的な部分が欠如しているのかもしれません…。

『自分の言うことを素直に受け入れてくれる人』を採用する理由

・仕事がやりやすいのが一番だと思うのでイエスマンを採用したい。(30代男性)
・優秀と聞くと自分にはないユニークな発想を持っている人を発想するが、自分が会社のトップだったら優秀かつ自分の意見に素直に従ってくれそうな人を採用する。(20代女性)

イエスマンはトップダウン型の組織を志向する人たちには人気があるみたいですね。
機械のように働きたい方にはこういう人たちの下で働くほうが向いているのかもしれません。

『前の会社でそこそこ出世していた人』を採用する理由

・即戦力が欲しいので。(70代以上・男性)
・うちでも即戦力になってくれて、他の会社のやり方も理解しているから。(20代女性)

『前の会社でそこそこ出世していた人』については上の2つの意見だけでした。どちらも『即戦力』としての期待のようです。

やはり年配層の方はそう思いたい部分もあるのかもしれません…。

まとめ

アンケート結果については以上になります。

ちなみに『学歴の高さ』を優秀さの基準としていた10人の方のうち、実際に自分が採用したいと答えた方は3人でした。つまり「学歴が高いというのは優秀だと思うけど、別にそれだけで採用したいとは思わない。」と思っている方が多いということになります。

また『学力の高さ』を基準としていた5人のうちでも、高学歴を基準として採用したいという方は2人だけだったので、やはり『学歴の高さ=就職率がいい』ということにはならないようです。

ということなので『学歴の高さ』で就活を乗り切るのはすでに相当難しくなっているようですね。

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