「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展」行ってみた話(2020年の話)

エジプト展 行きたい

唐突ですが私は古代エジプト文明が大好きです。

2020年2月に人生2回目の海外旅行、初のツアー旅行に単身申し込んでエジプトに行くくらい好きです。……見返したら2が多いですね(笑)

幸いコロナがエジプトに上陸した時には帰国しており、まさに間一髪というところでした。

私が渡航した時には、「エジプトにはコロナもインフルも花粉症もない」とガイドさんに説明され、花粉症が酷い私は「ここが天国か!」と感動した記憶があります。

そんな幸運を手にした私ですが、反面GWの九州開催・ライデン国立古代博物館所蔵古代エジプト展がコロナで中止になるという憂き目にも合いました。

契約期間が決まっているため、コロナの状況によってはエジプト展自体がなくなる、上陸という事実が無かったことになる、と危機感を覚えていましたがとうとう来ました。

名古屋の愛知美術館にて、ライデン国立古代博物館所蔵古代エジプト展が開催されたのです。

これは行くしかない。

奇しくも世はGOTO時代。
「やだやだミイラ会うもん! ぜったい行くもん」
と職場で駄々をこねまくった結果、
定時退社してそのまま新幹線で名古屋へ行き一泊→翌日エジプト展を見て帰り→次の日出勤
という弾丸ツアーを敢行。

このくそ忙しい時期にお休みをありがとうございます!!
匿名ですが同じ部署の方々には伏して感謝申し上げます!!

という訳で早速購入したチケット。

2020年古代エジプト展のチケット

平日は入場の予約が必要ないみたいです。
土日はチケットを買い、入場時間も予約をして会場に行くみたいですね。


名古屋駅のエジプト展のポスター

乗り換え以外で来た事のなかった名古屋。
さっそくポスターがお出迎えです。

宿は近くのANAホテルへ


めっちゃ綺麗でした。
ケトルが無いと思ったらちゃんと引き出しに収納されていたり、飲み物の種類がとても豊富だったり……


広い引き出しの中には「夜のほうじ茶」「朝の緑茶」に加え「ホットアイマスク」まで。

ビジホとは違うぞ、というシティホテルの本気をみました。

今回、土地勘のなさを考慮して駅の真ん前の宿を取ったのですが、電車のベルが響きますね。
最初、隣の部屋に大音量のワン切がりかかりまくってるのかと思ったくらい聞こえました。

少し寝不足になるので、静かなところでないと眠れない方は迷わない範囲で立地を考慮した方が睡眠が取れそうです。

とは言え、本当にいいホテルでした。
また泊まりたい。駅から少し遠いところで。

ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展

いざ、展示会場へ
愛知美術館はビルの10階にあります。


「あんまり広くないのかな?」と思った方、ご安心下さい。見た目以上に広かったです。

内部は写真撮影禁止のため、画像を見ながら語ることができません。
覚えている範囲ですごかったものを徒然に列記したいと思います。

①死者の書

はい。言わずと知れたパピルス文書です。
パピルスは下エジプトを象徴する植物です。
下エジプトのパピルスと上エジプトのロータス。

「上下エジプトの王」という言葉にも現れるように、古代エジプト王朝では守護神、植物、動物など、上エジプトと下エジプトを対比させるシンボルがたくさんありました。
余談ですが、ロータスは蓮ではなく睡蓮です。

『古代エジプトのファラオ』という本の最初に出てくるまとめ表が結構分かりやすいので、図書館などで読んでも楽しいと思います。

『古代エジプトのファラオ』より エジプトの歴史がファラオごとにまとめられている本。最初のページにある資料は上下エジプトのシンボルやファラオの被る頭巾の書類などが分かりやすくまとまっています。


心臓の重さを図る審判のシーンをはじめ、色々なパピルスが展示されていました。
気になる方は是非会場でみて下さい。

閑話休題。審判のパピルスに戻りましょう。

永遠の命を授かれるかの裁判は手に汗握る場面ではありますが、そこは古代エジプト人。自分の魂がかかっているのに、運を天に任せるだけではありません。
ちゃんと「神々をだます呪文」も開発されています。
審判の時に自分が嘘を言っていない、声正しき者として生きたと証明(場合によっては偽証)して楽園に迎え入れられるよう、対策はバッチリです。

いや~見ていて楽しい。
審判のシーンの絵で、上に描かれているの12の神々は、半分が良い神で半分がそうではない神とか違うとか。

因みに心臓と天秤に掛けられる羽はマアト(真理)の羽です。
真理の擬人化がマアト女神。

絵では天秤が常に水平に保たれているため、マアトの羽より軽いと天国なのか、重いと天国なのか、はたまた水平以外認められないのかはまだ分かっていません。

いったいどうなるのが正解なのでしょうか……。

マアトは「真理」と訳される言葉ですが、どうやらこれは古代エジプト人にとって悠久を貫く不変の法則的な存在であったようです。

新王国等、比較的新しい時代のミイラの棺が多数展示されています。
しかも蓋が空いた状態で。
つまり、外側、蓋、蓋の内側をじっくり見られるということ。

棺は外側だけでなく、内側も360度素敵な絵と呪文がびっしり。
ミイラになって横たわっても、圧迫感はなさそうです。

これだけミイラの棺を舐めまわすように眺めたのは人生で初めてでした。福眼福眼。

週の真ん中、平日、だいたい朝いち、地方都市、の4拍子揃ったおかげでしょう。
東京だったら係りのお姉さんに誘導されていたかもしれないなあ、と思いつつ、膠と麻布で造ったミイラ棺を足の断面から奥までのぞき込んでいました。

一つ残念だったのは、私には「ミイラの棺」に関する知識が圧倒的に欠けていること。
多分、知識があって見たら涎と鼻水が止まらないんじゃないですかね。

来年の東京までには本を読んでリベンジします。
※東京展は仕事が忙しすぎていかれませんでした……本当に名古屋言っておいて良かった。

③ほうたいが巻かれたままのミイラ

展示会場の最期に、包帯で巻かれたままのミイラが展示されていました。MRIで中をスキャンして、その画像を元に彼と彼女の生前の状態を解説しています。

包帯、さすがに分厚いですね。

75日のミイラ作りの内、少なくとも15日は包帯巻と儀式に費やされる、の意味が分かります。
体形的にはマトリョーシカのよう。包帯だけで人がたをマトリョーシカにするって、かなり大変だと思いませんか。

「樹脂におおわれたミイラは琥珀のなかにいるようなもの」という趣旨の言葉が『ミイラはなぜ魅力的か』にありますが、とても素敵な言い方ですよね。

(見た目)分厚い布の塊を見ながら、”この中には琥珀のように、何重もの樹脂の層で覆われたミイラがいるのか……”と感動していました。

そうか、琥珀ってそんな感じなのか、ミイラじゃないけど気になってしまうではないか。とミイラを見ながら琥珀について考えたりも。

古代エジプトでは、歯を痛めているミイラが多いようです。特に新王国時代は食が豊かになったことも相まって、虫歯や歯槽膿漏が増えていたようですしね。

もともと主食のパンに砂や小石が混入し、歯のエナメル質が削れていたところに虫歯と歯槽膿漏。

ダメージが大きそうです。口臭などは、古代では問題にならなかったのでしょうか。

供物を捧げるホルエムヘブの像

ホルエムヘブは、新王国時代のファラオの一人です。

宗教改革者のアクエンアテン、(スメンクカーラー)、ツタンカーメン、アイと続いて、次にファラオになったのがホルエムヘブ。

彼の後にはラムセス1世、セティ1世、ラムセス2世と続きます。
大雑把に言うと、ツタンカーメンのだいたい100年後がラムセス2世。

この像は、ホルエムヘブが供物を載せた台を神に差し出している姿をかたどった石像です。
当時は実際に台の上に供物が置かれていたのでしょう。

(ファラオのホルエムヘブだと思っているのですが、展示されているのが同じ名前の一般人だったらごめんなさい。写真が禁止なので確認ができません)

ストーンキャップ(ピラミッドの頂上)

こちらも新しい時代のストーンキャップですね。
あんまり展示品として出てくるイメージがなかったので、見れたのは良かったです。
三角錐に持主の像とびっしりのヒエログリフ。
すごかった!

内臓を納めた壺

ミイラから取り出した内臓は、カノポスという壺に納められます。
ライデン博物館ではこのカノポスを研究している場所があるようです。

その他展示物
実際の生活で使われた器や捧げられた供物入れ、アクセサリーなども展示されていました。

名古屋の思い出とGOTOクーポン

・ひつまぶし

ひつまぶし

名古屋と言ったらひつまぶし
ということで、エジプト展で胸がいっぱいになった私は、腹をいっぱいいにするため町へ繰り出しました。
グーグル先生に聞いたところ、いくつか美味しそうな候補店が出てきたので、その中から気になった店へ。

食べ方の指南書。
お茶漬けスタイルが好きでした。

GOTOクーポンは未対応だったので普通にお会計。
クーポン使える店探すより美味しい店で楽しく食べたい。

美味しい昼食を食べ、新幹線まで余裕があったので熱田神宮へ。
こちらもまた書けたらいいと思います。

・GOTOの食事や土産用クーポン
10月前半の時点では、まだ対応している店の方が少ない印象を受けました。新幹線改札内のお弁当屋さんでも「昨日から紙のクーポンは使えるようになった」とのこと。
現場の皆さん、お疲れ様です。
5,000円は少し惜しかったけど、私は楽しい旅がしたい!
ということでこちらは使うことを諦めて普通にご飯食べてお土産買って帰りました。
クーポンばらまくなら現場のフォローは必須だよぉ。
店員さんが可哀そうだよ……。

今回のエジプト展は人も多くなく、とても快適に見ることができました。展示の内容も分かったし、来年までに棺の知識を仕入れてリベンジしたいですね。

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