空を見上げて、飛んでいるものを追っかけて笑顔になれる。それが尊い日常ってやつだ。(宮城県石巻市 石巻市民球場)|旅と野球(4)
「日常の尊さって、なくなってはじめて分かるんですよ」
そうなんでしょうね。畳店の主人の言葉に頷きながら、僕は少し前に名古屋の住処のそばにある公園で見た草野球のことを思い出していた。
巷の正月休みもそろそろ終わりを迎える休日だった。
大柄な少年が打席に入り、ユニフォームを着た子どもたちが守備についていた。地域の少年野球チームの練習試合なのだろう。審判はコーチらしき男性で、周りにはベンチコートを羽織った母親たちが見守っている。
公園の隅っこには、孫との凧揚げを楽し