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【エッセイ風】テキストブックINFPのぼやき

 しばらく前から注目されている16種類性格診断(MBTI)を試すと、いつもINFPになる。数年経ち、変化しているかなと期待しつつ再チャレンジしてもINFP、しかもINFP-t。知る人ぞ知る、「現代社会で一番成功しにくい性格」だ。

 詳しい内容は上のリンクを見てほしいが、要は理想主義者・夢想者・人との関係を作るのが苦手。Introverted(内向的)、INtuisive(直感的)、Feeling(感情的)、Percieving(知覚的)、ついでにtはturbulant(乱されやすい)。「浮世離れしている」「何考えているのかわからない」などというキーワードがヒットする。

 海外では、就活の際のプロフィールシートにこのMBTI性格を記載させる場合もあると聞いた。それで合否を判断されるのは悔しいけれど、性格によって向き・不向きがあるのは確か。INFPに合っている仕事は「芸術関係」「作家(!)」「人と関わらない仕事」となっていて、それでは一般人の仕事選びの参考にならないと、なんか落胆する。わたしはINFP気質を気合で封じ込めて、なんとか就活は乗り切ったけれども。

 INFPの有名人や作品の登場人物として挙げられているのは「ウィリアム・シェイクスピア」「J・R・R トールキン」と大作家に加え「アン・シャーリー(赤毛のアン)」「シビル・ブランソン(ダウントンアビー)」そして「リョービン(アンナ・カレーニナ)」。リョービンにはびっくりした。婚姻を超えた大恋愛物語であるはずの「アンナ・カレーニナ」の中でリョービンの場面(農場の経営をどうしようかと試行錯誤する場面が、ただひたすら続く箇所)はつまらない、華がない、と不人気なのだが、わたしはその思考過程に共感してとても面白く読んでいたから。彼も同じ性格タイプだったのね(推定だが)。
(※この記事を公開するにあたり、「アンナカレーニナに出てくる農民への思い」なるハッシュタグがあり、さらに驚いた。こちら参照~)

 INFPの特徴を見ていると、古代ギリシャから派生したシュタイナーの四体液説「メランコリア(憂鬱質)」じゃないのか?と思い立った。これはデューラーの絵画・銅版画にも表されている、人間を四つの性質(体液)にわけて考える説。

 下の四つに分けられるのだけれど、人の体液のなかで優勢なものが何かで分類され、性格もそれぞれ記述されている。これを見ても憂鬱質が取っつきにくい、面倒な性格なのが感じられますが、実は中世では憂鬱質はインスピレーションを受ける芸術家の姿とされ、画題には繰り返し登場します。

・多血質:積極的、人つき合いが得意、社交的、軽率、楽天的
・胆汁質:行動的、意思が強固、自信に満ちている、指導的
・粘液質:緩慢、受動的、控えめ、怠け者、円満、包容力がある
・憂鬱質:非社交的、神経質、芸術的、理想や真実に従う、冷静、自己中心

 わかりやすいのは、デューラーの「四人の使徒」という絵。キリストの弟子のうちの四人を描いた絵ですが、一人ずつ性質が割り当てられていて、イメージがしやすいと思います。

 調べてみると、やはり憂鬱質は現世の富や名声を得るという名声は期待できないとのこと。世俗の評価にこだわらず、真実や理想に従うので内なる世界での充実を目指すからだとか。やっぱりだめか、残念…。

 でも、生きにくくはあっても、才能があって芸術に適しているとあれば悪い気はしないよね。文章を好きで書いている身分として「向いている」と後ろ盾を貰えるのも気分がいい。まあ、占いさながら都合の良いところだけ信じて、呑気につき合うしかないよね。同じくINFPだよ、って方、それ以外の方も、よかったらコメントください!


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