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背表紙(スペース)青

暑い。暑すぎる。ということで十日に一回ほどのペースで図書館に通っている。夏のこのとんでもなく暑い時にこそ、本を読むべきだと思う。クーラーを効かせた部屋で、読書の夏です。

図書館での本の選び方は各々いろいろあると思うが、わたしは先日、初めての選び方で本を選んだ。それが、背表紙の色で選ぶ、というものだ。最初に手に取った二、三冊がたまたま青系で統一されていて、手に持ったそれらを見ていると「これ、青い本ばっかり集めたら楽しいんじゃない?」と思った。

図書館の棚には、基本的に背表紙しか見えないように本が並んでいる。その中から、青っぽい本に視線を集中させ、タイトルを見て読みたいものを選ぶ。青い本だけを見ればよいので、選ぶ時間は格段に短くなる。いつもなら一時間かけて選ぶところだが、なんと三十分で八冊の本を抱えていた。時間が短けりゃいいってもんでもないが、新たな発見ではあった。作家名に囚われず、とにかく青いか否かで本を見るので、同じ作家さんの本ばかり選んでしまうというマンネリも防げた。あとは、単純に見栄えが良いのでるんるんとした気持ちで家に帰ることができる。

欲しい本を検索して、その本を探すのは確かに便利だが、色だけで選ぶなんてことは、図書館か書店に足を運んで実物を見ないとできない。書名、作者名、出版社、いろんな検索条件があるが、ネットで「背表紙(スペース)青」で検索してもうまくヒットしない。ネットの検索条件としては不便で、でも生身の人間には便利な条件だ。

検索条件に色を増やして、読書の夏を満喫しようと思う。


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