見出し画像

プチ情報⑪~AmazonもまねできないWishの戦略~

通販アプリ「Wish」をご存じでしょうか?

通販アプリ「Wish」とは、販売者と購入者をつなぐ、Amazonのようなマーケットプレイスを提供しているのですが、「この星で一番安い値段で購入」「1円からの限定セール」を掲げているように徹底的な「安さ」を追求しています。
有名ブランドの類似品も平気で売られており、ともすれば胡散臭い印象すらある激安通販アプリですがその戦略はすごいんです!

Wishの成り立ちについて

先にWishの成り立ちをご紹介しますと、2010年にgoogleのエンジニアがサンフランシスコで創業しました。
もともとは欲しいものややりたいことをリスト化する「ウィッシュリスト」の管理アプリとしてスタートしたのですが、アプリで集めたデータからユーザーが何を欲しがっているかを分析することでスルーバルにサプライヤーを集め、マーケットプレイスを開始しました。
2019年末時点で会員数5億人、月間購入者数は7500万人、売上は1000億を超えています。

Wishの特徴とは?

①中間事業者を介さない
多くが中国メーカーの出品ですが、メーカーが直売しているので中間マージンの上乗せもない
②ブランドを重視しないラインナップ設計
必要最低限の機能はあればOK
③配送にかかる時間が長い
Amazonはすぐに届くことを売りにしているが、Wishは届くのに3週間以上かかることもある

Amazonに対抗できているだけの3つの戦略とは?

この特徴だけでAmazonに対抗できているわけではないのです!すごいのが3つの戦略!
①圧倒的な価格メリットの訴求
日本国内の相場と比較すると多くの商品が90%割り引かれて売られているこの安さが最大の魅力だが、強みであるその安さを強くユーザーに訴求することを徹底
アプリ上でルーレットがはじまり結果次第で限定セールやセール情報を配信するプッシュ通知、割引コードを記載したポップアップなど
②バーティカル化の徹底
コマースサイトによくある「ホーム→家電→冷蔵庫」といった商品を探す階層構造を採用せず、ジャンル毎に複数のアプリを作り分けてる
メインのWishはファッションや化粧品、MaMaは子供向け商品、Homeはインテリア用品などを扱っている
これによりターゲット層やニーズを絞り込み、コンテンツを国ごとにローカライズする必要がなくなった
これが一気にグローバル拡大したポイントになった
③メーカーでも出品しやすいUX
ECサイトに不慣れでなメーカーの人でも簡単に利用できるように販売側のシステムをとてもわかりやすく作られている

ターゲットの明確化と、先々の見通しのすごさ

徹底的な安さを打ち出すWishのメインターゲット層は、先進国や発展途上国を中心に、世界に14億人も存在すると言われている年収30∼200万円の「中間所得層」です。

彼らのニーズはまさに”ブランドなんて気にせず、届くのに多少時間がかかっても問題ない”それよりも”とにかく安く購入したい”というニーズな訳です。

ちなみに、Wishがターゲットとしている中間所得層は、今後10年で35億人に急増すると推計されていて「ネクストボリュームゾーン」と言われています。
このターゲット分析や先々の見通しもWishのすごいところかと思います。

自社を振り返ってみると、ターゲッティングが不透明だなということでした。※実際には設定されているのかもですが社内展開や施策への反映という形で見えてこない
いまいちど、どんな方々に扱ってほしいかを、明確化していかなければと考えさせられました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?