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【11分で解説】人生を変える習慣のつくり方

はじめに

人は誰しも理想的な人生を送りたいと考えますよね。それを実現しようとするとき、毎日の習慣を見直すことはとても重要です。なぜなら、私たちの生活はほとんどが習慣で成り立っているからです。朝起きて顔を洗い、着替をして、部屋を出ていく。このような日常の行動は無意識に行なっているはずで、それと同じレベルで、よりよい習慣を無意識に行えるようになれば、今より生活が改善され、最終的には人生自体が大きく変化します。

とはいえ、ダイエットや禁煙、運動などに取り組んで失敗したことがある方も多いのではないでしょうか。新たな習慣を身につけるというのはそんなに簡単なことではありません。ではなぜ習慣化は難しいのでしょう。結論から言うと、やり方が間違っているのです。人の性格は様々で、小さな一歩を積み上げる方がいい人もいれば、大胆に始めた方が効果が出る人もいます。巷に溢れるダイエット本の方法が、必ずしも自分に合っているかどうかはわからないということです。

なので、習慣を身につけるために最も大事なことは、意志の力ではなく、自分にあったやり方を見つけることなのです。

本書では、人それぞれやり方が違うという前提に立ち、様々な考え方や方法を示すことで、自分にあった習慣とは何かを考えるきっかけを与えてくれます。


まずは自分を知ることから

まず、自分を知るために、真っ先にすべき重要な問いかけは、「自分は期待にどのような反応を示すタイプなのか?」というものです。
新しい習慣を身につけようとするとき、自分に対して何らかの期待を設定します。そしてその期待は2種類あります。
ひとつは、外部から課せられる期待。人との約束や、物事のルールなどがこれに当たります。もうひとつは、自分自身に課す期待。ダイエットするという決意や、新年の抱負などがこれです。そして、これらの期待に対して、応えようと努力するのか、見なかったことにするのか、反発するのか、などによって人はアップホルダー、クエスチョナー、オブライジャー、レブルという4種類に分類されます。

ひとつづつ見ていきましょう。

まずアップホルダーというのは、約束を守る人です。外から課される期待と、自分で課す期待の、両方に進んで応えようとするタイプの人です。約束を守ることに全力を注ぐので、決めたことを譲らない一面があり、極端な例を挙げるとするなら、旅行中に食中毒になっても、嘔吐しながらでも予定をこなそうとするタイプの人です。

つぎにクエスチョナーですが、これは疑問を持つ人です。期待に対して疑問を持ち、自分で正統だと判断した期待にだけ応えようとします。納得できると判断した期待にしか応えないので、例えば、学校の先生に「シャツの裾はズボンに入れるものだ」と言われた時に、その理由の正当性に納得できなければ、反発するようなタイプの人です。

三つ目のオブライジャーは、義務を果たす人です。外からの期待には進んで応えようとしますが、自分で課す期待にはうまく応えられません。他人から締め切りを設定されると何としても果たそうとしますが、一方で、毎日ジョギングしようと自分で決めると、さぼりがちになってしまうタイプの人です。

四つ目のレブルは、抵抗する人です。外からの期待、自分で課す期待に関係なく、あらゆる期待に反発します。人から言われることを嫌い、すべて自分で選ぶことに価値を見出すタイプです。

もちろん、この四つの分類だけでなく、朝方か夜型か、保守的か新しもの好きか、堅実か大胆か、など、人の性格はひとそれぞれ違います。このように、習慣化を成功させるためには、自分はどんなタイプの人間なのかを理解し、その性質を利用することがもっとも近道になるのです。


習慣を身につける方法

本書には、習慣を身につける様々なテクニックが多く書かれていますが、その中でも基本として書かれているのが、「予定を立てる」「責任意識を活用する」「測定する」という三つです。

何か新しいことを始める時、”明日があるから大丈夫”と先延ばしにしていませんか?そんな時は、先に予定を入れてしまいましょう。そうすることで先延ばしリスクを回避ことができます。具体的には、”何時からやる”という予定の入れ方をするよりも、”朝食後に〇〇をする”とか、”就寝前に〇〇をする”というように、既にある習慣と組み合わせると効果的です。”何時からやる”と設定すると、他の用事でその時間に都合が付かなくなると先延ばしにしてしまうからです。

次に、その予定を確実に実行するために、責任意識を活用しましょう。人は、誰かに見られていると思うと、行動が変わります。例えば、締め切りがある仕事ならきっちりとやったり、延滞料金が発生する前にレンタル品を返却したりするようなことです。その責任意識を利用するのです。簡単な方法としては、予定を公言する、一緒にやるパートナーを見つけるなどがあります。ただし、これも自分の性格に応じて設定しましょう。特にレブルのタイプの人には、このやり方は向かないかもしれません。

そして次に、予定を実行したらそのデータを測定、つまり何をどれだけやったかを記録しましょう。これは、習慣の継続にはとても効果的です。自分の行動を記録し続けることで、食生活、運動、仕事、テレビやインターネット、お金の使い方など、行動の全てが、いい方向に変わります。それは、車のスピードメーターが高い速度を表示していると、自然とスピードを落とすのと同じような効果です。自分の行動が見えるようになると、自分をコントロールする力が高まるのです。

予定を立て、責任意識を利用し、測定・記録する。これらをセットで意識することで、習慣が身に付く確率が飛躍的に高まります。


やめたいことを断つ方法

良い習慣を身につけるというだけでなく、”悪い習慣を断ちたい”ということもありますよね。例えば、甘いものをやめたいとか、禁煙や禁酒などもそうですね。

それを断とうとする時、自分は”断つ派”なのか、”量を抑える派”なのかどちらのタイプかを把握しておく必要があります。大好きなものを食べる時、最後の一口が名残惜しくてしょうがない人は、断つ派のやり方が向いています。最初の一口が最高に幸せだと感じる人は、量を抑える派のやり方が向いています。

例えば、ダイエット中なのに、目の前に甘いものがあると、我慢するのは苦痛でしかありませんよね。断つ派の人は、一口でも食べてしまうと、それを食べ終えるまで止めることができません。一方で、量を抑える派の人は、最初の一口食べた時に喜びが最高潮になり、その後満足してそこで食べるのをやめることができるのです。

なので、断つ派の人は、甘い食べ物を目にしない環境を作ることが大事で、抑える派の人は、一口の満足度が高い、高級なチョコなどを
買って少量ずつ食べればよいのです。これは、甘いものに限った話ではなく、タバコやお酒なども考え方は同じです。

もちろん状況や物事によって自分はどちら派だとはっきりしないこともあります。ポテトチップスは一口食べてしまうとあっという間に全部食べてしまうけど、ケーキなら半分残せる、といったことはよくあることです。自分ならではのこだわりを探り、それを満足させるレベルで抑えるところを探すことが重要です。


習慣化のスキルは誰でも手に入る

習慣化は、強い意志の力ではなく、正しいやり方で誰でも身に付くスキルです。

もし、なかなか習慣が身につかないという場合は、自分が本当にそれを望んでいるのかをよく考えてみてください。
運動の習慣を身につけたいと口では言うのに、時間がないことなどを理由になかなか始められない人も多いですよね。それならいっそのこと、今の時点では運動のことを気にかけるつもりはない、と公言してください。”運動しない”という結果は同じでも、自分に嫌悪感を抱かなくて済みます。自分の気持ちに従って行動していると思うことができれば、後になって運動を始めると決めた時も続きやすくなるはずです。

誰もが一律に効果を実感する習慣化の方法は存在しないと著者は主張していて、本書では、多くの事例を引き合いに出しながら、様々な考え方や方法を紹介しています。自分はどういうタイプなのかを探りながら読み進めることで、きっと自分にあったやり方が見つかります。タイプを探るのに役立つ診断テストや質問なども多く書かれているので、興味のある方は是非本書を手にとってみてください。
それでは。

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