見出し画像

【11分で解説】地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」/前編

【11分で解説】地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」/前編

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」①

この動画で得られるもの


今回ご紹介する本は「地頭力を鍛える 問題解決に活かすフェルミ推定」です。著者は細谷功(ほそやいさお)さん。思考に関連する書籍をいくつも執筆されており、企業や大学で思考力に関する研修や業務を行なっているコンサルタントです。
この本からは「問題解決のための思考法とその鍛え方」を学ぶことができます。もう少し噛み砕いて言うと、問題解決力を高めるための「型」を学ぶことができ、「型」それぞれの鍛え方もセットで習得することができるということです。

ビジネスにおける課題は、大小の差はあるものの常に存在しています。しかし、いざその課題を解決しようとすると、「そもそも解決の仕方がわからない」とか、「解決策を打ちはしたものの思ったほど効果が得られなかった」といった経験が一度はあるかと思います。そんな悩みを抱えている人は、今回の動画は特に参考になると思います。動画で学んだことを活かし「問題解決力」を伸ばせれば、課題をスピーディーかつ効果的に解決できるはずです。

この本の内容を1本の動画で説明すると長くなりますので、今回は2部構成とさせていただきます。前半である今回はこの本のメインテーマでもある「地頭力」についての解説を通して、問題解決力を高めるための「型」を解説していきます。理解しづらいところもあるかもしれませんが、なるべく簡単に説明していきますので、ぜひ最後までお付き合いください!


地頭力とは?

この本のキーワードの1つである「地頭力」を解説します。地頭力とは、簡単に言ってしまうと「考える力」です。ですが、ただ漠然と考えるだけではなく、「結論から考える」「全体から考える」「単純に考える」という3つの観点で考えることが地頭力の基本です。この後、この3つの観点を詳しく説明していきますが、説明が概念的な話になりますので少し分かりづらいところもあるかと思います。後半のパートで具体的な事例を交えて説明しますので、ここでは理解を深めるための頭の体操として聞いていただければと思います。

仮説思考


1つ目の「結論から考える」こととは、すなわち「仮説思考」です。仮説思考とは、今ある情報だけで導き出した結論を最終目的地として設定し、検証を繰り返しながら答えを導いていくような思考法です。ここで重要なことは、最終目的から「逆算して考えること」です。具体的な事例で言うと、「スタート」ではなく「ゴール」を、「できること」ではなく「やるべきこと」を、「手段」ではなく「目的」を、「自分」ではなく「相手」を最終目的として設定した上でどのように取り組むかを考えることが、「逆算して考える」ということです。このように最終目的を設定してから逆算して思考することで、そこにたどり着くための最も効率的な方法を考えることができます。
仮説思考の流れは大きく3ステップです。①少ない情報からでも仮説を考え、②前提を無理にでも設定し前に進み、③時間を決めてスピーディーに結論を出すという流れです。この流れを意識しながらビジネスに取り組むだけでも、より生産性が高まると思いますので試してみてください。

フレームワーク思考


2つ目は「全体から考える」ことで、これは「フレームワーク思考」と呼ばれるものです。フレームワーク思考とは、全体像を捉えるために俯瞰してみる「全体俯瞰力」と、正確な切り口で分解していく「分解力」、さらにこの「分解力」を深堀した「分類」「因数分解」で構成されている思考法です。よく経営分析で3Cとか、マーケティングで4Pなどといったものの総称をフレームワークと言いますが、ここではもう少し広い意味でフレームワークという言い方をしていますので、誤解ないようお気をつけください。
さて、ここで重要なことは、フレームワーク思考で「思考の癖を取り払う」ということです。人間誰しも、思考の癖というのはある程度固まってしまっているものです。これは個性でもあるため、思考の癖そのものが悪いということではないのですが、アイデアをゼロベースで考えるときや、他者とのコミュニケーションを円滑にするためには弊害となります。フレームワーク思考の流れは5つのステップを踏んでいますので、ポイントと合わせて簡単に説明します。


全体から部分へのズームインで考えること。
これは全体の中で目の前の事実はどういう位置づけか考えることです。先ほどお話しした全体俯瞰力と言ったステップですね。細かい事象を集めて全体を捉えようとする「ズームアウト」の視点で物事を考えてしまうと、全体像が把握できないリスクがあります。必ずズームインの視点で全体俯瞰するようにしましょう。
どのような切り口で分解するか考えること。
分解していくための切り口は非常にたくさんありますが、切り口を複数検討した上で、この後のステップで利用できる情報の確からしさなどから、最適なものを選択することが重要です。
分解したものをモレやダブりがないように分類すること。
ここでモレやダブりが発生してしまうと、後のステップで課題となっているボトルネックを特定する際に、誤ったところを指定してしまう可能性が出てきます。ここでは3Cや4Pといった一般的なフレームワークを使うことが有効ですので、覚えておきましょう。
複雑な全体像を簡単なパーツに変換すること。
課題として設定されるものは全体像がとても複雑ですが、それをより平易なパーツに変換することが解決の糸口となります。
ボトルネックを発見すること。
④で全体像を簡単なパーツに因数分解していくステップを踏みましたが、ここからボトルネックとなっている部分を特定することで、より効果の高い解決案を提案することができます。
以上がフレームワーク思考の簡単な流れです。意識して活用すると、物事の全体像から課題を考えることができるので、先ほどの思考の癖を取り除いて思考することができます。

抽象化思考


3つ目は「単純に考えること」で、ここでは「抽象化思考」が必要になります。抽象化思考とは、対象となるものから最大の特徴を抽象化し、再度具体化する思考のことです。もう少し簡単に言うと、物事から共通点を見出し、そこから別の具体的なものに変換するということですね。この抽象化思考を行うことで、対象がより簡単に考えられること、すでにある公式に当てはめることができること、先人の経験に当てはめることができるようになることと言った恩恵を受けられます。
抽象化思考のポイントは、①共通点から対象をモデル化する、②無駄な情報と考えられるものは切り捨てる、③わからない部分は類似するものから推定する、の3つです。この抽象化思考のスキルを向上させることで、思考の幅が飛躍的に広がります。

ここまで学んできた3つの思考が、地頭力の構造の基本となっています。地頭力は「フェルミ推定」というツールを活用すれば向上させることができます。その方法については次回の動画で解説していきます。

前半まとめ


ここまでの話を一旦まとめます。地頭力とは簡単に言うと「考える力」のことで、さらに3つの思考で考えることが重要です。1つ目は結論から考える仮説思考。最初に最終目的地を設定しそれに向けたアプローチを逆算して考えることが仮説思考の重要ポイントです。2つ目は全体から考えるフレームワーク思考。ここでは思考の癖を取り除くことが大切です。3つ目は単純に考える抽象化思考で、この能力を高めると思考の幅が飛躍的に広がります。これが地頭力を構成する3つの思考です。

後半のパートでは、地頭力を訓練することができ、かつこの本の2つ目のキーワードでもある「フェルミ推定」を中心に解説していきます。それではまた次回お会いしましょう!ご視聴ありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?