"JR新横浜駅"「残念な駅」なのか?【東海道新幹線】
以前に”横浜駅の工事が永遠に終わらない”ことについて記事を書かせていただいたことがありますが、
神奈川県には同じ様にここ10年近くの長い期間工事をし続け、最近ようやくその完成を迎えたと言っても良い駅があります、それが”JR新横浜駅”です。今でこそ駅ビルや駅前は整理され綺麗で様々な施設も充実していますが、それでもこの駅を昔から利用している人にとって”JR新横浜駅”という場所にマイナスイメージを持っている人は少なくないと思います。それは一体なぜなのでしょうか。
長い間”残念な駅”というレッテルを貼られ続けてきたJR新横浜駅
JR新横浜駅は1964年の東海道新幹線開業時に設立された比較的歴史の浅い駅です。これまで新横浜駅といえば上記のマップでもおわかりいただける様に駅名に”横浜”と名がつくのに実際の横浜駅とは10km近く離れていて不便であること、そして降りだところでみなとみらいや中華街の様な観光スポットが無い、といったことから全国の新幹線の駅のなかでも”残念な駅”として有名でした。
最初は各駅停車の列車しか停まらなかった新横浜駅、ほどなくして横浜線の乗り入れを経て1976年の東海道新幹線”ひかり”が停車するようになってから駅を含む周辺の開発は本腰を入れられたと聞きます。
新横浜にはとにかく何も無かったイメージ
”新横浜には何も無い”横浜育ちの自分にとってはまさにそのイメージ、特に自分の様に80年代の頃からこの場所を知っている人達にとって、新横浜という土地にはあまり良いイメージは無いはず。少し大袈裟かもしれませんが当時の新横浜にあるものといえば空き地、田んぼ、ブティックホテル(ラブホテル)、この3つしかありませんでした。何も無いだけならまだしもあるのはあまり健全とは言えないホテルだけ。特に幼少期だった自分の様な人間にとっては良いイメージを持てと言う方が難しいかもしれません。ちなみに上の写真にあるホテルメトロは当時から建っている正にその代表格で自分にとっての新横浜の代名詞と言っても過言ではありません。
当時の”新横浜”は初めて訪れた人にとっては横浜や都心にはアクセスしづらいし見所も何も無いと言う、とにかくガッカリ感が強い残念な場所だったように思います。
風向きの変化は"横浜アリーナ"から
しかし1989年に多目的ホールである"横浜アリーナ"が出来てから少しずつ新横浜の印象は変わった様に思います。
その直後にオープンした"新横浜プリンスホテル"の建物は今現在でも新横浜のアイコンとして有名ですし、更に続く様にオープンした新横様ラーメン博物館は食べ物の博物館ブームを全国に巻き起こし今現在でも人気のスポットとなっています。その後98年には日産スタジアム(旧横浜総合国際競技場)も出来、その頃にはアリーナやスタジアムでイベント等がある時は新横浜にも人が溢れかえる様になりました。
オフィス街としての一面も持つ新横浜
2008年の”のぞみ”を含む全列車停車に合わせるように本格的な駅ビルであるキュービックプラザもオープンしました。駅弁やお土産を売る様な売店があまり無い新横浜駅がこの施設のおかけでようやく本当の新幹線の駅になった様に感じたことを今でもよく覚えています。さらにこの施設内には高島屋が出店したり大手家電量販店が入るなど、"新横浜"という土地にとっても非常に大きな影響をもたらした施設だったりします。
ちなみについ先日リニューアルオープンをしたキュービックプラザには、以前我々のブログで紹介させていただいた”刷毛じょうゆ海苔弁山登り”が神奈川初出店として進出を果たしています。
そして全列車停車により中京関西方面へのアクセスが便利になったことから、この時期を境に関西方面の多くの企業が新横浜にオフィスを置く様になり駅前のオフィス街化にさらに拍車がかかったように思います。
地元の人間にとって拭いきれないマイナスイメージ
商業施設やマンションも増え、2023年には相鉄新横浜線と東急新横浜線が開通したことで都心へのアクセスが飛躍的に改善されたことにより、今となっては"残念な駅"といったイメージは微塵も無くなってってしまったかの様な"新横浜駅"、しかし昔からの地元住民にとってはまだそのイメージは拭いきれない部分もあります。
その理由はた最初の方にもお伝えした様にブティックホテルの乱立です。パッと見綺麗な新横浜の駅前でも少し中心を外れ、南の方に横浜線の線路を越えると景色がガラリと変わります。そしてホテルが建っているだけならまだしもそのホテルの間を縫う様にマンションも建っているのです。お子さんのいる世帯も多い地区ですのでこれはお世辞にも教育上良い環境であるとは言えません。
それとこの地域で生活をする人たちにとってもう一つ大きな問題として徒歩圏内に”大型のスーパーが全く無い”ということです。新横浜プリンスホテルに併設されたショッピングプラザ”プリンスペペ”には生鮮食品売り場はあるものの、価格も含め全体的に高級嗜好で庶民的とはとても言えません。とは言え近隣には大型の総合病院などもあり、新横浜が生活を営む上でクリーンで快適である場所であると胸を張って言えるまであともう一息であることも間違いはありません。自分が幼少期の頃はまさか新横浜がこんな街になるなんて夢にも思っていませんでしたので、この先まだ残された課題もきっと解決できることと思います。新横浜の更なる発展と進化に今後も期待を持って注目していきたいと思います。