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超RIZIN3現地観戦!朝倉未来138秒敗戦の衝撃!19歳の平本蓮に答えがあった

先日さいたまスーパーアリーナで行われた真夏の格闘技の祭典、超RIZIN3に現地参戦してきました。終わってみれば素晴らしい試合が盛りだくさんで語りたい部分はたくさんあるのですが今日お話させていただきたいのはメインカードだった、

朝倉未来vs平本蓮

の衝撃の結末を15年ぶりにスタジアムバージョンで行われた48000人のさいたまスーパーアリーナの観客はどのように受け止めたのか。現地観戦した自分にしかわからないレポをお届けできたらと思います。

戦前の予想はプロを含めて8割が朝倉未来勝利を予想

(撮影:本能ブログ ホッピー)

自分たちの様ないわゆる格闘技オタ(格オタ)と呼ばれる界隈でも、現役や過去のレジェンドファイターたちもMMAのキャリアや戦績から圧倒的な差で朝倉未来が勝利するのではないか?という予想が大勢を占めていました。それは、シンプルに平本蓮とのキャリアの差だけではなく戦前の朝倉未来本人の圧倒的な自信に満ちた発言や表情などからも彼の勝利は盤石に見えていました。このカードが発表された当初は、個人的にも4年間朝倉未来にターゲットを絞り粘着し続けた平本蓮の執念と最近の彼のMMAのへのアジャストぶりで平本蓮が意外と勝つのではないかとメンバーにも話していました。

(撮影:本能ブログ ホッピー)

しかし、RIZINの事前のプロモーションイベントに登壇する朝倉未来は試合に近づけば近づくほど「過去最高の朝倉未来」「圧倒して勝てる自信しかない」と気がつけばファンもメディアも格闘技関係者も現役ファイターさえも朝倉未来勝利、有利を疑わない空気に世論誘導されて平本蓮圧倒的不利的なムードが現地の会場にも流れていたのは事実です。

平本蓮がアップセットを起こしたのは初めてではない

当時19歳だった平本蓮がK1に参戦していた頃、圧倒的不利と呼ばれていたムエタイ最強と呼ばれた10歳以上の年上のゲーオ・ウィラサクレックにKO勝利を収めたことがありました。

この時も下馬評ではキャリアと総合力に勝るゲーオには太刀打ち出来ないのではないか?とK-1関係者に見られていた19歳の平本蓮少年。しかし、蓋を開けてみれば今回の朝倉未来戦を彷彿とさせるような距離感を完全に試合した中~遠距離の打撃からの近距離の精密かつ無駄のない連打。簡単に立ち技から来た選手MMAでも打撃の麺で有利などとという薄っぺらい論評を目にしますが、確かにMMAのファイターとして彼自身がアジャストした部分はあるものの。

アゲインストでゾーンに入るとアップセット起こす

平本蓮は確かに6年前のK-1に存在していたのです。朝倉未来も相当MMAでは打撃が上手い選手の定評はありますが、そんな当て勘や動体視力に優れているトップファイター相手に一部の隙も作らず138秒でKOした事実は正直に驚きましたし、現地にいて眼の前の結果に頭がついていかない気分になったのも事実です。

(撮影:本能ブログ ホッピー)

勝ったけどどこか嬉しそうではなく、影すら感じた勝利後の平本蓮。自分が4年間負い続けた背中を超えた瞬間彼の胸中はいかばかりか、もしかしたら到達した先は彼自身も体験したことのない虚無感があったようにすら見えました。悪態をつくわけでもなく、朝倉未来に感謝の言葉を述べて言葉少なにリングを降りた平本蓮。彼のピュアさまっすぐさがにじみ出ていた瞬間だったような気がします。

朝倉未来ファンやリングサイドの雰囲気

(撮影:本能ブログ ホッピー)

衝撃的なKO勝利の瞬間、怒号や怒声のような歓声ではなくため息に似た処理しきれないという感情が48000人のスタジアムバージョンのさいたまスーパーアリーナを支配していたような気がします。自分達の前席に座っていた若いカップルは、うなだれる朝倉未来を見て泣いていました。うちわも持っていました。同じリングに上がる以上絶対はなく、むしろ戦前に有利と予想されればされるほど本人も気が付かないプレッシャーになるのが格闘技。そして、圧倒的な支持を受けた稀代のヒーローの残酷なまでに打ちのめされる姿を見届けるのもファンの役目だったと思っています。今回の敗戦で朝倉未来は戦前から引退をかけると言っていましたが、

言い訳できない完璧な形での敗戦

で引退撤回に至る可能性は今日現在個人的にはゼロに近いのではないかと思います。もうリングで朝倉未来が戦う姿を見れないのかと思うと非常に残念ですが30歳で引退すると過去から一貫して発言していた彼ですから2年間というロスタイムを経て平本蓮というニュースターに次世代を託すときが来たのかもしれません。現チャンピョンんの鈴木千裕も20代中盤で平本蓮と同世代ですし。MMAのトレンドや(技的な)中心選手は非常に早いサイクルで移り変わります。その現実を朝倉未来のセルフブランディングの上手さや強気な発言で忘れていましたが、この残酷さが格闘技なんだと改めて感じた138秒だったと思います。

戦前の不利予想にも負けず冷静に戦い抜いた平本蓮はとにかく昨日は素晴らしい試合を展開したと心から尊敬します。個人的には朝倉未来はここで引退した方がストーリーとしてはキレイなのかなとも思っています。

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