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韓国人に聞いた『HYBEとADORの対立の争点』とNewjeansの今後とは!?

2024年5月現在韓国のエンターテインメント業界において最大の関心事はHYBEとその子会社ADORの間で激しい対立が生じているニュースになります。日本のメディアも薄く報じていますが、実のところよく分かってないという方も多いので韓国Seoul出身の本能ブログデザイナーのSilverさんにヒアリングして今回の問題を解説してもらいました。僕たちの記憶としてはジャニーズ事務所とSMAP脱退騒動に似いているのかなと思ったりもしますが。。

そもそもHYBEって?

HYBEは、もともとBig Hit Entertainmentとして設立され、BTS(防弾少年団)の成功により急成長した韓国の大手エンターテインメント企業です。以下にHYBEの沿革ををまとめます。

歴史と成長

・設立: 2005年、パン・シヒョク氏によってBig Hit Entertainmentとして設立される。

・BTSの成功: 2013年にデビューしたBTSの世界的な成功により、HYBEは急成長を遂げました。BTSの音楽は多くの国際的なチャートで1位を獲得し、HYBEの知名度と収益を大幅に向上させる​。

・ブランド再編: 2021年、Big Hit EntertainmentはHYBE Corporationに改名し、エンターテインメント、ライフスタイル、プラットフォーム事業など、多角的な展開を進め、これにより、グローバルな影響力をさらに強化する​。

主要なアーティストとプロジェクト
・BTS: 世界中で人気を誇るBTSはHYBEの代表的なアーティストであり、その成功は企業全体の成長を牽引している。

・SEVENTEEN、TXT、ENHYPEN: HYBEには他にも多くの人気グループが所属しており、これらのグループも国際的な成功を収めている​​。

・HYBE LABELS: HYBEは、Pledis Entertainment、Source Music、Belift Labなどの子会社を通じて多様なアーティストのプロデュースを手掛ける。

という事で2024年5月16日現在メンバー全員が韓国政府が定める徴兵制度にて入隊しており、芸能活動を一時停止しているBTS。彼らの成功で得た知見を新しいアーティストの育成と発掘に費やして大きくなった会社がHYBEだと言っていいですし、韓国芸能界では割と新興勢力な事務所になるようです。

ミン・ヒジン氏の功績

ミン・ヒジン氏は韓国のエンターテインメント業界で非常に高く評価されている人物です。彼女のキャリアはSMエンターテインメントで始まり少女時代やSHINeeのスタイリングとビジュアルコンセプトを手掛け、多くの人気グループの成功に貢献しました。彼女のビジュアルディレクションとコンセプト作りはRed VelvetやEXOなどのグループでも高く評価されており、これが彼女の名声をさらに高めました。

2021年にHYBEに移籍した後、ADORを設立し新しいガールグループNewJeansをプロデュースしました。NewJeansはデビューから短期間で大きな成功を収め、ミン氏のプロデュース能力の高さを再確認させました。NewJeansがAppleのCMで初のアジア人アーティストだということも当時相当なインパクトでした。彼女のクリエイティブなアプローチと革新的なアイデアは、多くのアーティストや業界関係者に影響を与え続けています​ 。

HYBEとの対立の背景

最近、HYBEはミン・ヒジン氏がADORの経営権を掌握しようとしていると主張し、内部監査を実施しました。HYBEは、内部監査で発見された文書を証拠として挙げ、ミン氏とADORの副社長がHYBEからの独立を計画していると主張しています。これに対し、ミン氏はその主張を強く否定し、文書は単なる愚痴であり、真剣に受け取られるべきではないと述べています​ ​。さらにミン氏はHYBEがNewJeansのプレデビュー期間中のプロモーションを妨害したと主張しています。彼女はHYBEがSource MusicのガールグループLe Sserafimのプロモーションを優先させるためにNewJeansの活動を制限したと述べています。またHYBEが彼女を不当な扱いをしているとし、これが対立の一因となっています​ ​。

プラグリズム問題

ミン氏は、HYBEの別の子会社Belift Labの新ガールグループILLITがNewJeansのコンセプトや振付を模倣していると非難しています。彼女はこの問題を提起するにあたり、NewJeansのメンバーたちと十分に話し合った結果であると強調しました。NewJeansのメンバーもこの問題に同意しており、彼らがILLITのデビューショーケースの日に「模倣をやめて」というメッセージを公開したことを指摘しました​ ​。

類似性を指摘する動画が韓国のみならず日本でもこの通り拡散しています。この問題についてHYBEは内部監査の一環として調査を進めていますが、ミン氏はこれがHYBEによるNewJeansの活動への妨害であると述べています。彼女はNewJeansの成功をHYBEが奪おうとしているとも語り、この対立はさらに深刻化しています​。

SNSでの議論とファンの反応

YouTubeやTikTokなどのSNSプラットフォームでは、NewJeansとHYBEの他のアーティストの音楽性やビジュアルの類似性について多くの議論が行われています。特に振付やビジュアルエフェクトの類似性についての指摘が多く、その議論は過熱しています​。

音楽性の類似点

NewJeansはデビュー以来、レトロなポップやR&Bの要素を取り入れたサウンドで人気を博しています。これに対して、HYBEの他のアーティスト(例:Le SserafimやILLITなど)も最近ではレトロな要素やシンセポップのサウンドを取り入れており、その音楽的方向性が似ていると指摘されています。このような類似性が、ファンの間で「インスピレーションを受けた結果」として捉えられる一方で、「明らかな模倣」として批判されています​ 。

ビジュアルとコンセプトの類似点

NewJeansのビジュアルコンセプトは、ミン・ヒジン氏の指導の下で非常に独自性が高く、カジュアルで自然体の魅力を強調しています。これに対して、HYBEの他のアーティストも同様のカジュアルでリラックスしたスタイルを取り入れるケースが増えており、その類似性が指摘されています。また、NewJeansのメンバーは、独特のファッションセンスとスタイリングで注目を集めていますが、最近デビューした他のグループも同様のスタイリングを採用しているとされ、ファンの間で「コピーではないか」との声が上がっています​ ​。

ファンの声

一部のファンはこうした類似性について「インスピレーションを受けた結果」として捉えていますが、他のファンは「明らかな模倣」として批判しています。この対立は、SNS上での炎上やファンダム間の対立を引き起こしています。特にTikTokやYouTubeでは、ファンやクリエイターがNewJeansと他のHYBEアーティストのパフォーマンスビデオやMVを比較するコンテンツが多く見られます。こうした議論は、ファンの熱意とクリエイティビティを反映しており、双方のグループに対する関心をさらに高めています​ 。

今後の展開は?

この対立は、HYBEの子会社の独立性やグループの将来に大きな影響を及ぼす可能性があります。今後の展開次第では、法的な争いに発展する可能性もありますが、現時点では両社間の対立が収まる気配はありません。特に、ミン・ヒジン氏がNewJeansの未来を第一に考えていることを公言しているため、HYBEとの対話を求める動きが今後の焦点となるでしょう。

NewJeansの活動

NewJeansは予定通り新シングルを5月24日にリリースし、6月には日本でのデビューも控えています。しかしグループの未来についてはミン氏がHYBEから独立を目指す可能性があるため、不透明な状況が続いています。HYBEはNewJeansの活動を支援する意向を示していますが、ファンの間では今後の動向に対する関心が高まっています​ ​。

NewJeans目線での平穏な終結シナリオと最悪シナリオ

【平穏な終結シナリオ】
1:ミン・ヒジン氏とHYBEの和解が成立
HYBEとミン・ヒジン氏が建設的な対話を通じて、互いの誤解を解き、和解に至る。このシナリオでは、双方が共通の目標(NewJeansの成功)に向けて協力する姿勢を取り戻すことが重要です。

2:NewJeansの活動継続
NewJeansは予定通り新シングルをリリースし、日本でのデビューや世界ツアーなどの活動が順調に進む。ファンとの交流イベントも計画通り実施され、グループの人気と影響力がさらに強化されます​ 。

3:クリエイティブな自由の確保
ミン・ヒジン氏が引き続きクリエイティブな指導者としてNewJeansに関与し、彼女のビジョンが反映されたプロジェクトが実現する。これにより、グループは独自のアイデンティティを保持しつつ、成長を続けます​​。

4:ファンの信頼回復
HYBEとADORの間で発生した問題が解決されることで、ファンの信頼が回復し、NewJeansへの支持が一層強固になります。SNS上での議論も沈静化し、ポジティブな話題が増えます。

【最悪シナリオ】
1:法的な争いの長期化
ミン・ヒジン氏とHYBEの間で法的な争いが長期化し、解決の見通しが立たない。この状況は、NewJeansの活動に大きな影響を及ぼし、グループのスケジュールが大幅に遅れる可能性があります​ 。

2:グループの分裂
法的な争いが続く中で、NewJeansのメンバーがミン・ヒジン氏とHYBEのどちらかを選ばなければならない状況に追い込まれる。これにより、グループが分裂し、メンバーが別々の道を歩むことになる可能性があります。

3:ファンの失望と支持の低下
継続的な対立と法的問題がメディアで報道されることで、ファンの間に失望感が広がり、NewJeansへの支持が低下します。特にSNS上でのネガティブな話題が増え、ファンの信頼が失われる可能性があります​ 。

4:クリエイティブな制約
ミン・ヒジン氏がプロジェクトから排除されるか、彼女の影響力が大幅に制限されることで、NewJeansのクリエイティブな方向性が変更される。これにより、グループの独自性が失われ、ファンの関心が薄れる可能性があります​ 。

まとめ

HYBEとADORの対立は、NewJeansの未来に大きな影響を与える可能性があります。ミン・ヒジン氏とHYBEの和解が成功すれば、NewJeansは引き続き成長し、彼女のクリエイティブなビジョンを反映したプロジェクトを進めることができるでしょう。しかし、法的な争いが長引けば、グループの活動に支障をきたし、ファンの支持が低下するリスクがあります。夢を掴んだ若いアーティストたちが、大人の事情によってその活動を阻害されることがないよう、平穏な解決を祈るばかりです。NewJeansのメンバーが自分たちの音楽とパフォーマンスに集中し、ファンとの絆を深めながら、さらなる成功を収めることを期待しています。

以上、Seoul出身東京在住デザイナーSilverがお届けしました。

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