第5話 どこかで聞いた事があるような無いような昔ばなし
-前回のあらすじ-
領主ザル・マンキィのしっぽを手に入れたカニ太郎はしっぽをフリマアプリに出品して、マンキィに超高値で買い取らせる事を思い付きます。カニ太郎の思惑通りマンキィはしっぽを必要としているようですが…
・・・ 第5話 ・・・
「は~い、『おむすび&お餅&そばうどん定食』できましたよぉ~♪ 5,800円で~す♪ カクヤスですよぉ♪」
笠地蔵さん一同 「エッ? カワいくね?」「可愛い!」「めちゃくちゃ可愛いね~!」「バイト?」「何曜日入ってんの?」「名前なんて言うの?」
「わたし、杵子(きねこ)って言いますぅ♪」
ある笠地蔵「あぁ、あの冷蔵庫のね!」
別の笠地蔵「それはキムコ!」
また別の笠地蔵「大豆を挽いたやつだ。」
またまた別の笠地蔵「それは、きな粉!」
またまたまた別の笠地蔵「お金入れとく頑丈な箱な。」
またまたまたまた別の笠地蔵「それは、金庫な!」
ひとりクールな笠地蔵「おいおいおいおい、いったいどこまで続ける気だよ。俺たち何体いると思ってんだよ。888体いるんだぞ。そんな事より炭水化物定食だってトコとさ、値段をツッこめよ。ボラれてんだろうが。便乗インバウンドだよ。 んでもってその子はさ、臼のUちゃんの妹さんだよ。名札に杵子って書いてあるから想像つくだろ? 臼と杵はセットじゃんか。」
笠地蔵さんのひとり「あ~コレって、きね、って読むんだ。木と牛と子、きうしこ、ってヘンな名前だな~って思ってたよ。にゃはははは!」
クールな笠地蔵「笑ってごまかすな。そもそも牛じゃねぇ、午だ。良く見ろ。」
笠地蔵さん一同「牛も午も似たようなモンだよ。それに俺たち、ほとんど目が開かない仕様だからよく見えないんだよ。お地蔵さんが目をカッ開いてたら怖いでしょ~? ね~っ?、ね~~っ?、ね~~~~っ?」
賑やかな宴会の声が辺りに響く中、笠地蔵さん家の前では、マンキィが愚痴をこぼしながら自分のしっぽを探していた ー
「なんだよ、すっげぇ楽しそうだなぁ。笠地蔵たちめ。 サル医者のやつ、とっとと帰りやがってよぉ。残業代出すって言ってんのによぉ、それじゃ足りませんなんてヌカシやがって。。しっかし見つかんねぇなぁ。日が経ってるもんなぁ。あのカニママのせいだよ、ったくよぉ。。。
もう今日は帰るか。 あ、TAROさまへの報告忘れてた。ヤベェ。ヤベェ。 TARO様、マジ怖ぇからなぁ。。緊張するなぁ。。。」
すでにマンキィ邸前にビラを撒き終えたカニ太郎たちは自宅で次の作戦を練っていた -
カニ太郎「よし。あとはマンキィがページを見るのを待つだけだな。」
Uちゃん「あ!来たうっす!早いうっすね~!」
カニ次郎「え?もう見たの? 必死なんだな。何て?何て?」
Uちゃん「え~とうっすね~、それは俺のしっぽだ。早くよこせ!って書いてるうっす。」
カニ太郎「まったく、さすがサルだな。いきなりケンカ腰だもんな。まず拾ってくださってありがとうございます。くらい言えっての。」
カニ次郎「ホントだわ。」
カニ太郎「Uちゃん、値段10000倍に変えてくれる?」
Uちゃん「OKうっす。pochi. できたうっす。」
カニ次郎「Uちゃん、使いこなしてるね!凄いね!」
Uちゃん「松上村塾(しょうじょうそんじゅく)で勉強したうっす。これからはIT時代だって言われたうっす。」
カニ次郎「なんか早口言葉みたいな塾名だね、よく言えるねUちゃん。」
Uちゃん「電話受付の人はよく噛んでたうっす。はい、そうそうじょん…アッ、しょうぞんしょん…クッ!って。」
カニ次郎「だろうね。」
カニ次郎「ところで、しっぽなのに出品審査よく通せたね?」
Uちゃん「モチロン、しっぽって書いたらダメうっすよ? 書き方があるんうっすよ。」
カニ太郎「凄いじゃん、尊敬するわ。Uちゃん!」
Uちゃん「あ、購入されました。って出たうっす。」
カニ太郎「マジで!? あいつ値段見てないんじゃないの?」
カニ次郎「いやいやいやいや、ますます許せんな。今さ、年貢率80%超えだよ?信じられるか?他はどこも60%なんだぜ?間の20%をアイツがピンハネしてんだぞ?」
カニ太郎「そうだよな。ますますムカついてきたな。飛脚じゃなくて直接手渡しにしよう。この手で成敗してやるわ。 (థ◡థ)ニヤリ」
第5話 おわり。
ーあとがきー
Uちゃんの妹、杵子(きねこ)ちゃんは大人気でしたね。おそらく今回限りの登場です。いわゆるバーター出演ってやつですね。
皆さまには笠地蔵さん家での連発ダジャレの苦難に耐えていただきました事に深く御礼申し上げます。こんなのがこの先もずっと続きます。
さて、お偉いさん方の金銭感覚がズレまくっているのは今も昔も変わらないようです。超高額なしっぽを躊躇なく購入したマンキィとカニ太郎たちの再対面の時が近づいて参りました。いったい、どうなることでしょう?
さらにマンキィが恐れる「TARO様」の正体とは、いったい何者なのでしょうか???
第6話へ続きます。
お読みいただきありがとうございました😊
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