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ウォーターパワーとオルタージェネシス

 どんぶらこ、どんぶらこ、ぱっか~ん。
 こんばんは、本気のグドラ使いともうすものです。

 さて、巷では新しく発売される9種類のVスタートデッキ(所謂500円デッキ)のカード公開で話題となっているようですが、ぼくは新カードの情報をまだ追っていなくて断片的にしか見れていないというのもあり、どんなカードが登場しているのかというのはまだ把握していないので、なら新しいカードではなく昔のカードに視点を戻してみて、どうやったら面白い記事が書けるだろう?というものを模索していました。(でも、ピカチュウVはスカイフィールド置いたら最高で240ダメ出てエレパの打点増強とかも使えるからエクストラで化けそうだなとか、チルタリスは特性でGXやVからの攻撃受け付けなくてスタンダードだとチルタリスLOとか強力なロックデッキ流行るって言われているけどエクストラだとオカルトマニアあるしあんまり使われなさそうだなーとかは思ってたよ、もちろん)

 そんな中で見つけたのが、

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拡張シート青版のゼニガメです。

 下の技の「はたく」は1エネ10ダメージという屈指の地味技ですが、上の技「ウォーターパワー」で強化すると、(単体では)2ターンで合計30ダメージを与えられるようになります。今のスタンダードでこそ先2でドラパルトVMAXが130+後ろに5点バラ撒きとか、先2サンダーマウンテン込みのピカゼクがフルドライブで150+3エネ加速とかありますが(本記事で紹介するゼニガメと同じ進化前たねという条件下であれば、SM8のヨーギラスが状況次第でツインエネ1枚で80ダメージという高火力を出すことができます)、今よりも火力のインフレが加速していなかった旧裏の環境において、進化前の身分ながら2ターンで30ダメージ出せるというのは、当時としてはかなり大きなダメージでした。ターボカメックスによるエネ加速が強力だった当時の環境において、カメックスの進化前のゼニガメはイントロパック収録のものがスペックとして最強でしたが、イントロパック産は入手が困難だったようでこちらのゼニガメを採用する人も多かったようです(このへんちゃんと調べてないのでわかりません。ぼくがポケモンカード始めたのeの初期頃からで、旧裏の環境リアルタイムで知らないから許してちょ)

 そんな知名度も地味なカードを今回わざわざ取り上げたのかというと、上の技の独特な効果にあります。

水 ウォーターパワー
次の自分の番だけ、このカードが使う「はたく」のダメージは3倍になる。

 次の自分の番だけ自分の他の技を強化する効果を持つ技として、素点が2倍になるものは、メジャーなものでいえば後にDPtシリーズでも全く同じテキストのまま再登場を果たしたストライクの「つるぎのまい」など、それなりの数があったようですが(変わり種なものとしては、キングラーの「もろはバサミ」が、次の相手の番にこのポケモンが受けるダメージが2倍になるという効果を持っていました)、3倍になるのはこのカードが唯一です。
 後のシリーズで登場した多くの強化系の技と違う点として、「技のダメージを所定の別の数値に変える」というものではなく「ダメージが3倍になる」と倍の数字にする点が特徴的です。このような自分のポケモンにかかっているダメージを変更する効果は、現行のルールではすべて一律で同じタイミングで計算に入れられるため、他のカードの兼ね合い次第では計算する順番によって与えるダメージが変化することにもなり得ます。
 このカードが登場した旧裏当時のダメージ計算のルールでは、下記の別表1で示したように、技の効果によるダメージ変更の効果と、初代の時期から息長く登場していたプラスパワーなどのような、他のカードによる打点の増強効果はそれぞれ異なるタイミングで計算を行うルールであったため、計算する順番について問題になることはありませんでしたが、現行のルールでは下記の別表2のようにワザを使うポケモンにかかるダメージを変更する効果をすべて同じタイミングで計算するため、どの効果を先に計算するかによって与えるダメージの量に変化が生じることになります。

(別表1 2001年当時のダメージ計算の順番)
(1)基本となるダメージ計算
(2)ワザを使うポケモンの持っているダメージを変更する効果の計算
(3)弱点の計算
(4)抵抗力の計算
(5)ワザを使うポケモンについているトレーナーカードやエネルギーカードによる効果の計算
(6)ベンチポケモンの特殊能力やスタジアムカードによって、場にはたらいている効果の計算
(7)ワザを受けるポケモンについているトレーナーカードやエネルギーカードによる効果の計算
(8)ワザを受けるポケモンの持っているダメージを変更する効果の計算
※2001年のポケモンカード公式大会「バトル★ネオ サマーロード」時代の環境と公式ルールに準拠して行われた公式大会「クラシックレギュレーション2016」の大会要項( https://www.pokemon-card.com/20th/assets/docs/classic-regulation.pdf )より引用

(別表2 現在のダメージ計算の順番)
(1)ワザのダメージの計算
(2)ダメージを与えるポケモンが受けている効果
(3)弱点の計算
(4)抵抗力の計算
(5)ダメージを受けるポケモンが受けている効果
※ポケモンカード公式の「上級プレイヤー用ルールガイド ver2.2」(2018年12月付更新版)( https://www.pokemon-card.com/assets/document/advanced_manual.pdf )より引用

 じゃあどうすんだよ!って言われればそりゃどうすんだよって事なのですが、事実、「ダメージを3倍する」という非常に独特な効果のため、「他に類例のない効果をどうすれば最大限に活かせるか?」という発想は、この記事を読んでいる人であれば出てくるでしょう。その中で真っ先に思いつくであろうカードが、

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こちらのカードです(もう半分くらいめんどくさいので説明略)

 まぁ見てもらえればわかるようにダメージを増やす効果かけたらそれもウォーターパワーの効果で3倍に増えんじゃねえかって話なんですが(解説全投げ)、そんな打点を増強する効果の中で一番メジャーであり、汎用性が高そうなのが三神っていうだけです。レギュレーションを考慮しなければ、色マーカーの効果で三神を水タイプに変更しておけばカスミ&カンナの追加効果を使うことで何回でもGX技を使えるようにはなる(てかレギュレーションを無視して考えないとウォーターパワーのゼニガメを使えない)のですが、手順が色々面倒なのと1回GX技を使っただけでも「ダメージが増えた上から3倍するとどうなるか」という本記事の議論はできることなので、とりあえず1回だけ使った前提で話すことにします。

 そしてもう一度ダメージ計算の順番をおさらいしておきましょう。

ダメージ計算の順番
(1)ワザのダメージの計算
(2)ダメージを与えるポケモンが受けている効果
(3)弱点の計算
(4)抵抗力の計算
(5)ダメージを受けるポケモンが受けている効果
※上記の「上級プレイヤー用(ry」より引用

 ウォーターパワーの「はたくのダメージが3倍になる」という効果は、技を使ったポケモンにかかる効果のため、当然(2)に該当します。また、三神のオルタージェネシスGXの追加効果も、「自分のポケモンが使う技のダメージが増える」という効果であるため、これまた(2)に該当し、両者の効果を計算するタイミングが被ることになります。上記の「上級プレイヤールールガイド」の記述では、複数の効果が重なった場合にどちらを先に計算するのかという扱いが不明ですが、3倍を先に計算する場合は(10×3)+30で60ダメージ、先に+30してから3倍する場合は(10+30)×3で120ダメージということになります。後者の方が有利そうですね。

 相手の技で邪魔が入ったりして「次の番に使う技のダメージがへる」みたいな効果を受けたときはどんな扱いになるのかも気になります。なにせポケモンカードには「ダメージの計算途中で0やマイナスになった場合はその時点でダメージ計算を終了し、ダメージを与えられない」というルールがあるので、ただでさえ「相手の技の効果でマイナスを貰った時点でオルターのダメージ追加に回る前に計算を終了するのか?それとも一旦マイナスになってもオルターのダメージ追加までは受けられるのか?」という議論点があるのに、足し引きというお話ではなく「ダメージ3倍」という特殊なケースが絡んでくるので、「計算の順序どうする?」という問題がさらに複雑になってしまいます。これがエネ貼った時にダメカンを……みたいな発動型の効果が同じタイミングで複数重なったケースだったりしたら、「ポケモンの持ち主が自由に選べる」という裁定が出ているのでどちらでもOKという話で済むのですが、ダメージの計算なんか現行のスタンだと足し引き関連の話しか出てこないのでどちらが先になるの?なんて議論が生まれてくることないですからね。

 とりあえず昔のカードをひっぱり出してきて「このカードの効果今のルールだとどういう裁定になるの?」って話を、ぼくが少し気になっていたのを持ってきて、それでみんなで一緒に話していこうよ、っていうお話でした。また今回みたいにネタがなくなった時には昔のカードの話題をちょくちょく出していこうと思ってますので、「こんなカードがあったのか!」みたいなのを楽しみに待っていてください。もちろん、出てきたときはちゃんと画像とかも出してどんなカードなのか、どんな効果なのかは説明していくので、当時の時代を知らない人にもちゃんと議論の趣旨が理解できるようにはしていきたいと思ってます。


■おまけ

 「ウォーターパワー」の3倍になる効果でどこまでダメージを増やせるのか?というのも気になったので、今度はこのカードに出てきてもらいました。

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懐かしBW5のミュウEXです。

 良い画像が見つからなくてテキストがちょっとぼけちゃったのですが(カード検索にBW時代のSRのポケモンの画像データを用意しない公式が悪い)、簡単に説明するとこのミュウは持っている特性の効果で、おたがいの場にいる全てのポケモンの技を使うことができます。しかも、よくあるゆびをふるの系統の技のように技名がそのままで効果だけ使うわけではなく、技の名前までしっかりとコピーできるので、最初のターンでウォーターパワーをパクりつつ次のターンにゼニガメではなく他のポケモンの持つ「はたく」を使えるというわけです。つまり、打点がより大きいポケモンの「はたく」を3倍打点で打つことができたらウォーターパワーの恩恵を最大限に活かせるじゃないか、という発想です。

 そんなわけでさっそく検索して出てきたのがこのカード。

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 苦労して検索した結果どんなすごいカードが出てくるんだろうな~~って楽しみにして下さった方はこんな地味なカードが実験台なのかと失望した方も多いと思いますが、実はこのBW1のドテッコツが「はたく」持ちのポケモンの中では最高打点になります。
 もちろん、先にウォーターパワーを使っておけば、ゼニガメでなく他のポケモンの技でもなんでもいいからはたくのダメージが3倍になる効果は適用されるわけで、他の効果の影響を考えないとして(もう本文であれだけヒーコラ言ったのに今更また考えるの嫌だ)60が3倍になって180ダメージになります(詳しいルールとかよく確認してないけどテキストに3倍って書いてあるので多分そうなるはず)。もはや実戦で使う機会なんてほぼ無いに等しいんですが、無理矢理実用的な手順にして説明すると、ミュウにブレンドエネルギー水雷闘鋼を付けてゼニガメのウォーターパワー→次のターンに次元の谷を出して、ミュウに闘エネ貼ってドテッコツのはたくを使って60×3=180って感じになります。3エネ180って聞くとすごいように見えますけどこれでもザシアンより打点出てないんですね。まぁミュウが特性の力借りた割に無能じゃんってわけではなくザシアンが凄過ぎるだけなんですが。

 普段の記事の体感3倍くらい苦心したところで今度こそおわりー。今ちょうどAbemaで乃木坂46時間TVっていう特別番組がネット配信でやってるんですが、ぼくはAbema入ってなくて見れないのでしょんぼりです。なんかくぼしーがクイズの企画ですごーく活躍見せてるとかなんやらかんやららしいのですが、見れてないので詳しいことはわかりません。あ、金スマのオードリーが出てたのは見てました。芸人辞めそうになった時にある先輩から救われた~~ってとこの再現VTRでビトタケシさんが本人登場したときは個人的にはすごく盛り上がってたけど周囲の反応はどうだったんだろう。kwのANNで人気の「死んでもやめんじゃねーぞ」ってコーナーはそのときの彼の発言からコーナー名が来ているので、もっとTwitter上盛り上がっててもいいかな~って勝手に思ってます。検索してないので知らないですけど。


※記事序盤でリンクが貼ってあった初代の方のストライクの画像は、スイカ様のブログ内「【ポケモンカード旧裏】旧裏環境カードランク No.122~No.136」の記事より拝借させて頂きました。
もし問題がありましたら一報下さい。


正直この欄の使い方がよくわかってない