「良い陰謀論」と「悪い陰謀論」

「陰謀論」あるいは「陰謀論者」という言葉がある。

「陰謀論/conspiracy theory」はCIAがケネディ大統領暗殺の真相から国民の目を逸らすために作り出した言葉なので、これを使うことは相手の手に乗ることであり好ましくないが、ここでは便宜上、公式の見解、世間の常識と異なる説のことを「陰謀論」と呼ぶことにする。

世間一般の理解では、「陰謀論」とは本来の定義である「何らかの有名な出来事や状況に関する説明で、根拠の有無にかかわらず「邪悪で強力な集団（組織）による陰謀が関与している」と断定したり信じたりしようとするもの(Wikipedia)」から意味が広がり、「デマ」のことを指していると思う。

しかし、CIAやかつてのKGBのように、各国に諜報機関があることから分かるように、各国政府は自国の利益を求めて裏工作を行なっているのは常識である。
KGB出身のプーチン大統領が、表に流れるニュースだけをもとに政治的判断を下しているはずもなく、諜報部員の仕入れた情報を入手し、他国に対して様々な工作を仕掛けているであろうことは容易に想像が付く。

「世の中に陰謀など一切ない」と考える、頭の中がお花畑の人間は恐らくほとんどいないと思う。
しかし個別のテーマに関して「陰謀論」とレッテルを貼られた説に対しては安易に「デマ」だと信じてしまうのは不思議な思考回路だ。

陰謀論の種類

私を含め、世の中の真実を追求する人たちは、事件で垣間見えた綻びから、このような「裏工作」の存在を仮定し、「本当はこうだったのではないか？」と推論を立てる。

これがCIAの潰したかった本来の「陰謀論」である。
これを仮に「陰謀論A」とする。

しかし、「陰謀論」にはこれ以外にも、

陰謀論B.基礎知識と思考力の欠如した、自称「真実を追い求める人」が流す根拠のないデマ
陰謀論C.支配者側が撹乱目的で流布するデマ

がある。

医師の内海聡氏が嫌う「陰謀論」「陰謀論者」とは、陰謀論B及びCとそれを安易に発信する人間のことであり、決して本来の「陰謀論」を否定しているわけでも嫌っているわけでもない。

本題に入る。

タイトルの、「良い陰謀論」とは陰謀論Aのことであり、「悪い陰謀論」とは陰謀論B及び陰謀論Cを指す。なぜなら、陰謀論Aは世の中の真実を表に出すことに貢献してくれるが、陰謀論Bは陰謀論Aも含めた陰謀論全体、本来の「陰謀論者=真実の探究者」の評判、信頼性を落とし、陰謀論Cは真実を覆い隠すからである。

「良い陰謀論」

「良い陰謀論」とは、証拠がある程度以上あり、真実である確率が何割かはある説のことを指している。

例を上げれば、

・芸能人暗殺説
・安倍元総理暗殺犯別人説
・9.11自作自演説
・新型コロナ詐欺説
・エイズは存在しない説
・明治天皇すり替え説
・「地球温暖化人為説は詐欺」説
・日航機123便自衛隊誤射説
・ナチスUFO開発説
・人類の支配者はレプティリアン説

など、であり、探せば数限りなくある。

悪い陰謀論

「悪い陰謀論」とは、
・根拠に乏しく証明の困難なもの
・誤った情報を根拠に構築されたもの
などであり、陰謀論B及び陰謀論Cを指す。

例を上げると、ご存じない方も多いかもしれないが、

・フラットアース
・マッドフラッド
・広島原爆地上起爆説
・天皇スパイ説
・日航機123便トロン潰し陰謀説
・ゴムマスク、クローン、処刑説
・Oリングテスト
・日航機衝突炎上事故ヤラセ説

などだ。

こちらはそれほど数は多くない。

このうちの「フラットアース説」は間違いなく陰謀論Cだ。
随分前のイルミナティーカードにあるのも裏付けのひとつになるだろう。

上から5つは私の本及び講演会で取上げているので、いずれ記事にしようと思う。

このように、一口に「陰謀論」と言っても色々な種類がある。

それぞれについて、誰が何の目的で言い出したもので、証拠はあるのかないのか、少し調べてみることで見えてくるものがあるはずだ。

ぜひ皆さんにもこれらの謎解きに挑戦して欲しいと思う。