見出し画像

「人類を裏切った男~THE REAL ANTHONY FAUCI(上巻) 」⑤ ポイント抜き出し 5/7~レムデシビル

2021年11月9日に米国で発売された本書は、書店に置かれず、様々な妨害を受けながらもミリオンセラーとなり、この日本語版も販売妨害を避けるためか、当初はAmazonでは流通させず、経営科学出版からの直売のみになっているようだが、現在はAmazonで買うことができるようになっている。

日本語版は1000ページを超えるために3巻に分けられた。

本書はその上巻「巨大製薬会社の共謀と医療の終焉」だ。

極めて重要な情報が満載で、要旨を紹介して終わりでは余りにも勿体ないので、お伝えしたい内容を列記する。

今回はレムデシビルについて。

4.レムデシビル

高価で毒性の強い薬

・正当な研究はいずれも、レムデシビルには新型コロナウイルスに対する臨床効果がないとしている。効果がないどころか、命にかかわるほど毒性の強い薬だ。おまけに高価で、1回の治療に3000ドルもかかってしまう。実際、レムデシビルの卸売価格はヒドロキシクロロキンやイベルメクチンの約1000倍だ。

・この状況を打破するために、ファウチ博士はまずヒドロキシクロロキンとイベルメクチンを妨害しなければならなかった。連邦規則では、FDAがヒドロキシクロロキンとイベルメクチンの有効性を認めれば、レムデシビルが緊急時使用許可を獲得する野望は自動的に潰えてしまう。

・ギリアド社のために国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)とアメリカ疾病対策センター(CDC)が7900万ドルを投じてレムデシビルを開発した。

・ビル&メリンダ・ゲイツ財団はギリアド社の株式を650万ドル分保有している。

・2018年、ギリアド社は、アフリカのエボラ出血熱に対し、NIAIDの出資による臨床試験にレムデシビルを導入した。
ファウチ博士は、NIAIDが温めてきた別の薬剤ZMappを同じ臨床試験に導入し、2つの実験的なモノクロナール抗体とともにエボラ出血熱に対する有効性をテストしていた。
ところが、その試験開始から6か月後、試験の安全審査委員会は、突然、レムデシビルとZMappの両方を試験から外した。レムデシビルは恐ろしく危険な薬剤であると判明したのだ。
レムデシビルを服用した被害者は、28日以内に多臓器不全、急性腎不全、敗血症性ショック、低血圧などの致命的な副作用が現れ、レムデシビル服用群の54%が死亡し、4つの試験群の中で最も高い死亡率となった。ファウチ博士のZMappの死亡率が2番目に高く、44%だった。

・2020年2月25日、ファウチ博士は、レムデシビルの有効性を確認するための臨床試験に新型コロナウイルスの入院患者を登録すると大々的に発表した。

・新型コロナウイルスの予防や早期治療に有効な既承認の抗ウイルス薬(例えば、イベルメクチンやヒドロキシクロロキン)があると、FDAがワクチンの緊急時使用許可を出せないため、博士のワクチン計画が完全に消え去る可能性があった。
しかし、レムデシビルは点滴静注用の治療薬で、病気の後期に入院した患者のみを適用対象としている。そのため、ワクチンとは競合しない。ファウチ博士はワクチンもレムデシビルも矛盾なく支援できるようになった。

・ギリアド社がレムデシビル1回分を製造するのに10ドルしかかからない。だが、ギリアド社が緊急時使用許可を取得すれば、規制当局は民間保険会社のメディケアやメディエイドに対して、1回の治療につき原価の数百倍に相当する3120ドルを負担させられる。

・並外れた先見性のあるファウチ博士は2017年から、機能獲得の教祖とも言えるラルフ・バリック教授に600万ドルを支払い、武漢にあるバイオセキュリティ研究所で、コロナウイルス感染症の治療薬となるレムデシビルの開発を加速させていた。

・ヒドロキシクロロキンに対しては良好に計画された二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験を要求し、イベルメクチンの治療薬としての使用に反対したファウチ博士だったが、レムデシビルについては、オープンラベル試験(被験者がどの治療群に割り付けられたか、医師、被験者、スタッフに分かっている試験)を行なって、ゴーサインを出した。
この治験に携わった研究者は、重症患者にプラセボを使用する代わりにスルホブチルを投与して実薬群とし、残りの患者には、試験薬としてレムデシビルを投与した。

・いわゆる「毒性のある」あるいは「毒を混ぜた」プラセボの利用は不正なからくりで、ファウチ博士も同志の研究者も40年以上にわたって、彼らが承認を得たいと考える有毒医薬品の副作用を隠すために開発してきた手段だ。

・このように有毒プラセボを使用したごまかしにもかかわらず、ファウチ博士の研究者たちは、レムデシビルに新型コロナウイルス感染者の生存率を改善する効果があると示せなかった。

科学的詐欺の疑い

・そこで、ファウチ博士のチームは、ゴールポストを動かすことにした。
ファウチ博士は新しいエンドポイントを、新型コロナウイルス感染後の生存率の向上ではなく、入院期間の短縮とし、薬剤の効果を示した。しかし、これも欺瞞だった。というのも、退院後に再入院しなければならないレムデシビル被験者の数が、プラセボ被験者の約2倍であると判明したからである。
つまり、入院期間を短縮するために、完全に治っていない患者を退院させたと考えられる。研究途中でのプロトコルの変更は、一般に「科学的詐欺」または「改竄」であり、倫理に抵触する。

・ファウチ博士は、自身の研究が完成する前に、医学雑誌「ランセット」が中国の研究を発表したことを知った。その研究では、レムデシビルは入院患者の生存率向上にも入院期間短縮にも全然効果がないと示されていた。
中国での研究が、レムデシビルには致命的な毒性があると断じたのはまさに致命的だった。中国の規制当局と研究者は、命にかかわる副作用を回避するため、この臨床試験を中止した。

・ホワイトハウスの定例記者会見に登場したファウチ博士は、NIAIDが実施したレムデシビルの臨床試験から得られたデータは「非常に良いニュース」だという言葉でもって、死亡率の低下に寄与しなかった事実を嘘で塗り固めた。
彼は、レムデシビルを投与された患者の平均入院期間が11日であったのに対し、プラセボ群は15日だったと誇らしげに語った。
博士は盲検臨床試験を終了、すなわち、どの患者にもレムデシビルを投与できると宣言したのだ。こうしてレムデシビルはアメリカの新型コロナウイルスの新しい「標準治療」となった。

標準治療と認められた真相

・ファウチ博士がレムデシビルの緊急時使用許可を獲得するための入念な計画は、今回が初めてではない。その計画の元になったのが、AIDSが流行り始めたころに作成した台本で、国民からの批判を意識した古臭いものだ。
博士は、この台本をその後のキャリアにわたって、致命的で効果のない薬剤の承認を獲得するために繰り返し使用した。何度も何度も、彼のお気に入りの薬が救いがたい毒性を示し始めた瞬間に臨床試験を終了させている。

・今回に限っては、その厚かましい不正行為のためにファウチ博士は珍しく批判された。

・その後、レムデシビルがFDAに承認される3日前の2020年10月19日、WHOはレムデシビルについて実施された決定的な研究成果を公表した。
WHOの試験では、レムデシビルは死亡率の低下を示すことができず、人工呼吸器の必要性や入院期間の短縮にも寄与しなかった。WHOの研究者たちは、レムデシビルにはこれといった有益がないことを見出し、新型コロナウイルス感染者への使用を控えるよう勧告した。

病気よりも体に悪い治療

・多くの医師は、米国の新型コロナウイルスによる記録的な死者数は、2020年にレムデシビルが広く使用されたことが原因のひとつであると考えている。

・数か月もの間、致死性が証明されている薬で治療していたのはアメリカだけだった。その年(2020年)には、他国と比べて、1か月あたりの死者数が約2倍になっていた。レムデシビルを早くから広く使用していた国のひとつであるブラジルの死者数は、2番目に多かった。

続き ⑥↓

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?