【漫才】人類はペンギンに謝れ

人類はペンギンに謝れ

A:はいどうもー○○です。よろしくおねがいしまーす!

B:よろしくおねがいします。

A:えー、頑張ってやっていきましょうね、漫才をね。

B:えぇ、やりましょう。

A:やりましょうってねえ。なんか無責任ですけど。

B:まあ僕ネタ書いてないですからね。責任感はないですよ。

A:いや開き直りが凄いなオイ。お前も演者なんだから責任感ぐらい持てよ。

B:でもウケなくても台本のせいにできますから。

A:しゃらくせえよお前。黙っとけよ。っていうか台本とか言うなよ冷めるから。そういうメタな話が一番冷めるんだよ。

B:メタってなんですか?

A:メタフィジカルだよ!漫才の外に出た視点から物を語ることだよ!ドラマで演者がいきなり「もう次のシーン取り終わってるから気が楽ですわ~。」とか言ったら萎えるだろ!そういうことだよ。

B:僕は好きですけどねそういうユーモア。

A:いや嘘だろ!?お笑い芸人にあるまじき感性!

B:そんなことないでしょ。

A:まずドラマのギャグ演出で笑ってる時点でセンスが無いよ、お笑いの!

B:いや酷いこと言うな。謝れよドラマ関係者に。

A:いや~・・・いや、いや。

B:謝った方がいいよ。

A:いや、それよりアレだろ!

B:なんだよ急に。

A:もっと謝るべきことがあるだろ、人類は!

B:人類!?

A:そうだよ、ペンギンとか・・・。

B:ペンギン!?

A:そうだよペンギンだよ!

B:なんでペンギンに謝るんだよ。

A:いや地球温暖化!!地球温暖化でペンギンが住みづらくなってんだよ!

B:急に社会派なこと言うなよ。

A:良いだろ社会派なんだから!

B:社会派なんだからて。

A:そうだよ社会派で文句言われる筋合いねーだろ。良いこと言ってんだよこっちは。

B:いやでもね、俺、ペンギンの言葉とかわからないから。どうやってペンギンに謝ればいいのか分かんないよ。

A:いやお前、急に正論言うなよ!お前の正論なんて二酸化炭素の過剰排出だよ!

B:え、俺、地球温暖化の原因?

A:そうだよ・・・もう、・・・・死んでくれよ。

B:死でくれー!?

A:うん。いや、冗談だよ。

B:死んでくれって言いましたよこの人!ひでー!

A:いや冗談冗談。

B:死にたくねーよ俺!死にたくないのに・・・。

A:いやだから冗談だって!聞け!人の話!!

B:死にたくないのに死ねって言われた・・・。死にたくねえよ・・・。ホワンホワンホワーン。

A:どこでコントに入ってんだよ!!っていうかなんのコントするつもりだよ!オイ!オイってば!なにキョロキョロしてんだ!

B:はー、ここが南極かー。

A:はあ?

B:あ、ペンギンだ!おーいペンギンさーん!

A:オイまさかペンギンに謝るつもりか!?止めとけ!まだお前はペンギン語を習得していない!

B:あ、ペンギンさん、どうもどうも。

A:どうもどうもじゃねえよ。

B:いや今日はペンギンさんに謝りたいことがありまして・・・。

A:バリバリ日本語じゃねーか!

B:(ペンギンが興味津々で頷くジェスチャー)

A:伝わった!!日本語が伝わってる!嘘だろオイ!

B:実は地球温暖化の件なんですけど・・・。

A:深刻な問題ですよコレは。

B:本当に、どうも、すみませんでした!!!

A:シンプル~!

B:ごめんなさい本当に!

A:まあ変な言い訳せずにね。潔く謝るのは良いんじゃないでしょうか。

B:(ペンギンが納得いかずに首を傾げるジェスチャー)

A:あぁまあね。ペンギンはまだ納得してない様子ですよ。まあ仕方ないですけどね。

B:おいなんだよその態度!(ペンギンを殴るジェスチャー)

A:ああオイ!何やってんだよ!

B:この野郎!(ペンギンのくちばしを掴むジェスチャー)

A:おい何する気だ!?やめろ!

B:お前・・・まじでこうだぞ!?(ペンギンのくちばしを無理やり開かせようとするジェスチャー)

A:オイ鬼畜!何してんだ!ちょっと一旦コントから出ろ!みんなドン引きだから!やめろ!マジで!

B:ホラこれ以上開かせたらどうなるか分かるか!?オイ!

A:いや本当にやばいから!お前出ろ!コントの世界から!南極から帰ってこいよ!

B:おいなんだよ。

A:なんだよじゃねーよ。芸人として危ないところだったぞ。

B:人がせっかくペンギンと異種格闘技戦やってたのに。

A:猪木イズム!?ペンギンに謝るコントじゃなかったのかよ!

B:いやペンギン語分かんないから無理だって。

A:通じてたけどね!?お前の日本語が!

B:え、マジで!?

A:・・・はあ?お前がやったんだろコントで。

B:じゃあもう一回やってみるわ。

A:いいよもう!やるな!やるなって!オイ!

B:はー、ここが南極か~。

A:しょうもないんだよ入り方が。「はーここが南極か~」じゃないんだよ!

B:あ、あんなところにペンギンがいるぞ!

A:もう良いや。今度こそ謝ってくれよ。

B:オラァ!(ペンギンにボディーブローのジェスチャー)

A:オイ最低だわ!話しかけてもねえじゃねえか!

B:先手必勝!!

A:喧嘩のセオリーいいよ!

B:次の相手はどこだ~?

A:次のペンギンを探すな!もう良い、コントから出ろって!

B:アレ?(キョロキョロするジェスチャー)

A:どうしたんだよ。

B:コントの出口がない!!

A:はあ?ねーよそんなもん最初から!

B:コレじゃ漫才の世界に戻れない!!

A:なんだよその劇場版ドラえもんみたいな展開!お前がコントをやめりゃいいんだよ!

B:よーし、こうなったら、コントのまま漫才を終わらせてやる!

A:はあ?オイ何いってんだよ!

B:どうも、ありがとうございましたー!(深々とお辞儀)

A:オイ勝手に終わらせるな!もう良いよ!とかいいかげんにしろ!とか言わせろ!

B:・・・。

A:オイ!顔上げろ!上げろって!・・・あああ!もう良いや終わりー!!


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