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Georgia Tech Online Master of Science, Analytics コースについて


こんにちは紅油(ほんよう)です。

今日は私が今入学しているGeorgia Tech Master of Science, Analyticsコースについてざっくりとご紹介できればと思います。

他大学のオンラインコースと比較する際にご検討いただく一助となれば幸いです。


Georgia Tech Master of Science, Analyticsコースが大事にしていること


下記はコースの説明会にて共有された画像です。
見てわかる通り、Georgia TechはAnalyticsとひとえに言っても、分析者としてそれ以外の領域についても精通していることが重要だと考えています。

説明会資料より


Analyticsとは、これら統計・数学的知識、コンピューターサイエンス・プログラミング知識を総動員した上で分析を実行し、さらに活用するためにはビジネスニーズに即した形で反映することが重要だと。

しかし、このベン図どこかで見たことはないでしょうか、、、?



そうです。日本の「データサイエンティスト協会」さんが、2014年当時に掲げられていた、「データサイエンティストに求められるスキルセット」とほぼ同じです。


2014年のプレスリリースから

データサイエンティストに求められるスキルセットは、以下の 3 つであると考えます。
1.ビジネス 力(business problem solving):課題背景を理解した上で、ビジネス課題を整理し、解決する力
2.データサイエンス 力(data science):情報処理、人工知能、統計学などの情報科学系の知恵を理解し、使う力
3.データエンジニアリング 力(data engineering):データサイエンスを意味のある形に使えるようにし、実装、運用できるようにする力

http://www.datascientist.or.jp/files/news/2014-12-10.pdf


また、デジタルリテラシー協議会が定義する「Di-Lite」と呼ばれるリテラシー領域とも一部符合するように思えます。

Di-Lite 

「Di-Lite」とは、デジタルリテラシー協議会が定義する、全てのビジネスパーソンが持つべきデジタル時代の共通リテラシーです。

https://www.dilite.jp/

このことから、Georgia Tech Master of Science, Analyticsコースで学んだことは、日本で今後デジタル分野で働く上においても、重要視されるスキルセットであるといえるでしょう。


全体のカリキュラムについて

まずGeorgia Tech Master of Science, Analyticsコースですが、大きく3つの分野に大別されます。

◾️ ISYE(Industrial and Systems Engineering):分析に用いられる理論や根本となるの数学・統計知識などがカバーされているクラス

◾️ CS(Computer Science):文字通り分析を実行するためのプログラミングやコンピューターに関わる知識がカバーされているクラス

◾️ MGT(Management):ISYE, CSの知識で構築したモデルをいかにビジネスに活用していくかがカバーされているクラス

ざっくり1年目はまず基礎的な科目(Interdisciplinary Core)をISYE, CS, MGT全ての領域で学び、2年目以降に自分の好きな領域で選択科目(Tracks and Electives)を取っていくという流れになります。

(教養科目 → 進振り みたいな感じですね)

コースのカリキュラム(説明会資料より抜粋)


学期について

Georgia Tech Master of Science, Analyticsコースは、Spring/Summer/Fallの3学期構成となっています。

◾️ Spring:1 - 5月

◾️ Summer:5 - 8月 *

◾️ Fall: 8 - 12 月

*ご覧の通りSummerのみ学期が短いです。そのためSummerに開催されない授業もあるのでカリキュラムを計画する際には十分に注意してください。


1学期で最大で取れる単位数

最大で取れる単位数は、原則6単位までです。

大体基礎科目については1授業3単位くらいなので、最大でも2授業が学期に取れる最大の授業数と考えておいてください。

(別途、取れる単位数を増やすこともできるらしいですが、仕事と並行して受講している場合にはかなり厳しいと思います)

なお、肌感*ですが一つの科目につき、大体15-20時間/週の勉強が必要だと思います。ただしこれはその方の予備知識の有無、英語の理解度によって変わります。

*Admissionが提示している(10-20 hours/week)という基準とも齟齬がないかと思います。生徒のみなさんは、大体2-3年で卒業することを目標に計画を立てている人が多い印象でした。

下記に例として、代表的なケースを共有しておきます。

例1: 2022/1月に入学し、毎学期2つずつ授業を受講した場合
◾️ 2022 
  - Spring: ISYE 6501, CSE 6040
        - Summer: MGT 8803
        - Fall: CSE 6242, MGT 6203
 ◾️ 2023
     - Spring: Elective × 2つ
        - Summer: Elective × 1つ
        - Fall: Elective × 2つ
◾️ 2024
     - Spring: 最終課題

*****

例2: 2022/1月に入学し、毎学期1つずつ授業を受講した場合
◾️ 2022 
  - Spring: CSE 6040
        - Summer: ISYE 6501
        - Fall: MGT 8803
 ◾️ 2023
     - Spring: CSE: 6242
        - Summer:MGT 6203
        - Fall: Elective × 1つ
◾️ 2024
     - Spring: Elective × 1つ
        - Summer: Elective × 1つ
        - Fall: Elective × 1つ
◾️ 2025
     - Spring: 最終課題

授業の進め方

正直授業の内容は日本の大学とは違い、そこまで細かく説明してくれるわけではありません。

例えば

「機械学習のアプローチの1つ(i.e. サポートベクターマシン)を説明する場合はスライド一枚で数学的理論をさらっと流しておしまい!」

なんてこともザラです。ですので授業外でも色々調べ物をする必要があることを念頭に置いておいてください。

また、授業の進め方については

◾️ 講義:理論の説明(概論・ユースケースの紹介)

◾️ 宿題・コースプロジェクト:プログラミング(Python, R)を用いた実践

という流れが多いと思います。私のようにプログラミングの背景知識がそこまでない場合には、コードの書き方についても逐一ググりながら進めていかなければならず、時間を要することが想定されます。

アドバイスとしては、月並みですがなるべく余裕を持って計画を立てておくことがおすすめです。多少仕事が忙しくても宿題などを前もってこなしておくなどすることで、事前に勉強時間のコントロールがしやすくなります。


事前準備について

Admissionが何度もリマインドしている通り、クラス自体は非常に厳しいものになっています。最低限の統計・数学・プログラミング(特に前処理)知識は要求されるものと理解しておいてください。

なおAdmissionが推奨しているのは、事前に下記のオンラインコース(edX上で公開している)を受講しておくことですので、自分の現在地を把握する上でもこれらのコースを見てみてください。

◾️Linear Algebra (MATH 1553)

◾️ Probability/Statistics (ISYE 6739)

◾️ Python Programming (CS 1301)

また、以前私が書いている記事「OMSA入学前にやったことと、やれば良かったこと。」でも事前に勉強しておけばよかったことについてまとめているので参考にされてみてみてください。


以上、参考になれば幸いです。
ありがとうございました。

紅油 (2022/3時点)

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