ソウルの朴元淳(パク・ウォンスン)市長の自死とセクシャルハラスメントについて

ソウル市長であった朴元淳(パク・ウォンスン)さんが自殺をしたことについて。
尊敬する韓国の友人(ユン・ソッキュ 윤석규 さん)が書いた文に、すべてではありませんが大変共感しました。本人の承諾を得て稚拙ながら翻訳して紹介します。
(以下翻訳文・原文は韓国語)
私は急進的フェミニストの言う「すべての男は潜在的性犯罪者である」という主張に共感する。この言葉を男性を非難して侮辱するものとは思わない。私は個人的に、日常生活の中で自分自身を警戒し省みる金言として受け入れる。
進化論によると男性は種を最大限に広く残したいという強烈な本能に駆られた動物である。この場で告白をするが、路上で美しい女性を見ると、私も思わず目が向いてしまう。重ねて言うが、これは男性に対する侮辱や非難ではない。むしろ男性が人間としての生を営むためには、これらの事実を謙虚に受け止め、そして自らを慎み、自らに注意を向けなければならない。
だからといって、この世界が性犯罪のるつぼにはなるということではない。潜在的性犯罪者である男性がさまざまな理由…人目のため、良心のため、家族のため、性犯罪が明らかになった後に払う対価のために、性犯罪を犯す前に踏みとどまることになるからだ。しかしそれは個人的な努力だけでは十分ではない。だからこそ会社では役員室の壁を透明なガラスにし、男性教授が女子学生と面談する際には必ずドアを開けておくなど、他にも様々な制度的抑制装置を設ける。
いまでも朴市長の性犯罪を事実として受け入れられない人々は少なくない。朴市長はそんな人ではないという発言もある。それらはまったく人間に対する無知の致すところだ。朴市長でも誰でも人間は、男性は例外ではない。あまつさえ権力を持つ男性は誘惑に陥りやすい。女性が誘惑するということではない。環境の誘惑である。多くの人が崇め、敬意を表し、甚だしくは後を追って死ぬ素振りさえ見せる強大な権力が最大の誘惑である。
聖人として崇められるガンジーにも女性スキャンダルがあった。40代ぐらいのときにはすでに夫人とは寝床を共にしていなかったが、晩年にいつも若い女性たちがそばにいて、寝室も共にしていたと知られている。私が尊敬し、心の師と考えている咸錫憲先生にも女性問題があったとキム・ヨンジュン教授がその問題を苦々しく認めた文を読んだことがある。ガンジーと咸錫憲の権力は彼らの社会的権威から出たものである。
現実を否定するのはやめよう。朴市長が神でければ、これらのことは十分にあり得る。これを否定することは、すなわち被害者に2次、3次の加害を重ねることになる。
現実を認めてこそ被害者を保護し、問題の再発を防ぐことができ、私たちの社会がさらに少し前に進むことができる。

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