40歳を前に、

 30歳代の振り返り。確か、20歳代の延長な感じで突入した30歳。いま振り返ると、10年前はやはり若い。今から10年後にも間違いなく、40歳をあの頃は若かった等と振り返っている事だろう。
 10代は基本、学校での競争の中を生きて来た。次に20代で社会人になると、競争も有ったが、様々な人と接する機会が増えた事で、それら環境への適応に自然と重きが置かれた様に思う。そして30代は、その時間の7割超を香港で過ごしたが、仕事で非常に厳しい状況も経験しつつ、結果的にそれらを乗り越え任期を満了して帰任できた事で、自信に繋がるものを少しは得られた。
 家族については、20代後半は親の夫婦仲が非常に心配な時期で、そんな中で自分は海外で暮らす機会を逃したくない一心でマレーシア勤務を選んだ。妹2人に負担が行って悪いなと思ったかどうか、実のトコロあまり覚えていないが、親の不仲、特に母親の気持ちのバランスが心配だった事は今もハッキリと思い出せるから、間違い無い。そして、マレーシア生活を始めて3ヶ月くらい経った頃に、多詠子が頭痛で病院に運ばれて、脳腫瘍が発見された。
 30歳を迎えた3日後、多詠子が亡くなった。その月の年末年始に一時帰国して家族みんなで沖縄のアパートで過ごせたのは今、思うととても大切な時間だった。多詠子の闘病中ずっと自分はマレーシアにいて、仕事で苦労していて余裕が無かった事も有り、何も出来なかった。近くにいればもっと色んな手助けが出来ただろうと思うと、自ら望んだ海外勤務によって多詠子を助けられなかった事は、本当に居た堪れない。生きていてくれたら、1度で良いから会えたら、、。

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