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復刻版「贋作・ひとりごと」No.8

遠文連ニュース「はぴねす」No.239(1987.9.10)より

 七月号で県立音楽堂の件について書かせていただきましたところ、さっそくリアクションがありましたようで、ありがとうございました。その後の情報では、マスコミ・ミニコミ関係が主導しているようで決して、市民レベルの話にはなっていないとのことでした。
 文化への投資の例として、こんな話がありますので、ご参考に‥‥。
 今や日本人観客の方が多いのではと思われるニューヨークのブロードウェイ。ミュージカルの劇場が立ち並んでおります。ところが、最初はといいますと、20年前に取り壊そうとした図書館を年1ドルの家賃で、ある演劇人に貸してパブリック・シアターを誕生させたことに因るんだそうです。こうした環境から演劇人が自由に仕事ができるようになり、「ヘアー」「コーラスライン」などが生まれ、ニューヨークの現在の繁栄があるというのです。コンサートについても同じことが言えると思うのです。官僚がすべてを取り仕切る官公庁ホールではなく、個人の自由に委ねた結果の文化というものに期待すべきだと考えるのです。そのために行政側はどういうものを支援すべきものなのか、長いビジョンで考えて下さい。

遠文連ニュース No.239  240  241

遠文連ニュース「はぴねす」No.240(1987.10.10)より

 サマースポーツ・シーズンが終わると、ウィンタースポーツの話題に変わっていくのが、四季のある国の情感の一つだと思いませんか。この「はぴねす」でも、先月号からスキーツアー情報を掲載していますから、貴方も予定に入れておいて下さい。
 さて、遠文連のスタッフ活動を通じて知り合った、友達の輪で「団体行動研究会」というレク・グループがありまして、ここ5年程、キャンプ・露天風呂・牧場見学とか、ツアーの下見という自由行動を楽しんできました。
 今年の冬は、かねてよりの念願であった「戸隠スキーツアー」を実現させようと企画を練っております。長野の善光寺から20キロ、上信越国立公園内にある戸隠高原スキー場は、飯綱山・戸隠山・黒姫山に囲まれた豊富な粉雪ゲレンデです。山頂からのダウンヒル・コースは全長3キロにも及びます。今シーズンから初心者専用ゲレンデもさらに広く整備されました。暖炉のあるペンションに泊まって、昼間はケーキ・ツアーというリッチな生活を体験しようと考えています。予定としては、3月初旬です。この紙面で発表しますので、ぜひ参加して下さい。

遠文連ニュース「はぴねす」No.241(1987.11.10)より

 先月号で発表させていただきました「戸隠スキーツアー」ですが、ご厚意のリアクションの声にお応えしまして、実現する運びとなりました。行程等はツアー欄をご覧になっていただくとして、戸隠の紹介をさせていただきます。詩人・津村信夫は「この山に足を踏み入れることによって、人は時の移り変わりというものを忘れてしまう。この世ならぬ一つの季節と一つの年代に引き戻される。」と記しています。ゲレンデからの飯綱山・戸隠山・黒姫山の眺め、そして粉雪と樹氷の林間コースなどスキーヤーにとっても、一度は訪れてみたい所だと思います。
 そして、貴女にとっては、耳寄りな情報があります。一部の女性雑誌では既に紹介されているのですが、「チェンバロ」と「パイプのけむり」という森の喫茶店があるんです。チーズ、キャロット、パンプキンなど、東京・大阪からケーキツアーに訪れる人も年々増えています。
 宿は少しリッチな雰囲気を楽しもうということで、暖炉のあるペンションを選びました。蕎麦と竹細工だけではない、戸隠の魅力を知っていただければと思います。

遠文連ニュース「はぴねす」No.242(1987.12.10)より

 この号を読まれている頃には、忘年会の二、三回は経験されていることと思います。胃腸におかわりはありませんか。私の個人的な一年間は、コンサート・映画からは、すっかりと離れてしまいまして落語の世界にとっぷりとつかってしまった生活でした。噺家さんとのお付き合い、地域寄席のプロデュース、近隣の愛好者との交流、書籍・テープ等の収集など落研時代に戻ってしまったような感じでした。ミュージック・シーンについては、テレビ・ラジオ等のマスコミに頼ってしまうようになってしまったのですが、そのお陰で以前から考えていたことが現実になりつつあることを感じているのです。
 例えば、安易にテレビ歌手やアイドルタレントを生み出したことによって、歌番組のアイデンティティが弱くなってきているということです。従って、局主催のコンテスト・賞レースについては権威が無くなり、出演者も限定され、視聴率も下がるという傾向になっています。初めからテレビで売ることを拒否するタレントが増えたり、外国の情報が豊富になることによって、この傾向は増大していくと思います。コンサート歌手にとっては、良いことだと思います。

遠文連ニュース「はぴねす」No.243(1988.1.10)より

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
 今シーズンも年末をスキー場で過ごすという自由な生活を体験したのですが、そろそろ周囲が許してくれなくなってきた状況です。一年間かけて今年の年末の過ごし方を考えてみようと思っています。
 ところで、。私達スタッフの個人的な思いつきから発展した「戸隠スキーツアー」ですが、ご厚意のリアクションが多く、喜んでおります。今後も新しい企画に取り組んでいこうと気持ちを新たにして頑張りますので、よろしくお願いいたします。
 さて、昨年は県立音楽堂・空港設置とマスコミにとっては、ネタに困らない年でしたね。ところが紙面を賑やかす割には、本質が見えなくなってしまったということはなかったでしょうか。以前、この欄でも二回程書かせていただきましたが、誰が何のたに造ろうとしているのか、誰が利益を得るのかという実態を知るべきだと思うのです。いつのまにか、そこに建設中だったということにならないように。
 辰年は、腹立つよりも、蔵を建つ。

遠文連ニュース「はぴねす」No.244(1988.2.10)より

 先月、大阪のNGKへ行ってきました。千日前にオープンした、なんばグランド花月のことです。昼は漫才を中心とした演芸場、夜は名称もNGKシアターと改めてブロードウェイ・ラスベガスのショーを上映する劇場になっているんです。地下にはディスコ(デッシェジェニー)があるんですが、これは逆に、昼はフリースペースにして貸し出そうとしているんです。そして、吉本グッズの販売コーナーがあったり、吉本ツーリストまでオープンさせたのですよ。この分なら、きっとやるでぇと思っていたら、ありましたがな。芸人さんたちとのスキーツアー、お座敷列車の旅、演芸会付の慰安旅行等、稼がせまんなぁ。
 ところで、「MANZAI」ブームというのがありましたね。従来の漫才ではないキャラクターとか、ネタ・演出が次々に登場しました。ところが、いつの間にかパワーが落ちて話題性が乏しくなりました。そこで、「MANZAI」でもない新しいエンターティメントが生まれようとしています。多様化する笑いを新しいキャラクターでという試みが、小劇場で続けられているんです。圭・修、メンバメイコボルスミ11、大阪キッズなど、これからおもろいでっせ。残念なことに、浜松では見れませんが‥‥。

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