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夏の風物詩と、心が少年すぎる話(20190818の日記)

20190816 金曜日。
録画しておいた『Nスペ 香川照之の昆虫"やばいぜ!"』を観る。リビングに私しかいなかったので、一人興奮しているところを誰にも見られなかった。誰かいたとしても0.1ミリも共感を得られないだろう。そう思い我に返る。

20190817 土曜日。
クールな人々。
電車が止まるたび、一旦車輌のドアから外に出て、駅名標をカメラに収める男の子。渋くて真摯なオーラが、ひょろりとした背中から出まくっている。

広尾の図書館。HERBSの紙袋に入れてきた虫を取り出して、広げた図鑑と拡大鏡を真剣に行ったり来たりしてる男の子。私の地元だったら、HERBSなんてないから、饅頭屋の袋になるかな。きっとHERBSは彼のお母さんの趣味。彼は虫に恋しまくっている。

帰り道。登る往路は急いていたので、時間をかけて階段を降りる。あんなとこや、こんなとこに脱ぎ捨てられた蝉の抜け殻に夢中になるあまり、足を蚊に喰われまくる。

"自分を押し殺しているから、頭の中でぐるぐる旋回することになって、
それで、他人からも「何を考えているか分からない」と映るんじゃない?"


20190818 日曜日。
夏休みの少年ほど、宝石級の風物詩もなく。
電車のなか。小学校の低学年と高学年で、それぞれ三人組。
どっちもズッコケ三人組に見える。

それにしても君たち、これから塾に行くのかい。まぁ楽しそうだけど。実際、夏休みの塾は教える方も来る方もゆるっと涼んでいる。
無邪気な子は誰かとどこかへ行く。それが塾であっても一緒に行くのが楽しい。

女の子はというと。ドキンちゃんのポシェットを提げて全身オレンジ色な装いをした小さな子が、駅のホームでお母さん相手に全力でドキンちゃん態勢をとっていたのが、小学校高学年になる頃には、統制のカーディガンくらいは羽織れてしまう大人に成長している。


夜、部屋の前のシャワールームで悲鳴が聞こえる。しばらくして、音の主がドアをとび開けて、二階のリビングに駆け上がり、人を何人か呼んできた。呼ばれてきたけれど、結局誰も、そこを這う小さなゲジゲジ虫を拾えない。

「わたし、やろうか」

ものすごく、喜ばれた。

"サービス精神を持てば大丈夫だと思うんですな、世の中。"
"優しいとかそういう関係なく、
サービスしたひとが、エネルギーを与えるのだよ。"

大学生活が終わりに差し掛かった頃、何を思ったのか、お酒を出す場所でバイトをしかけた。「じゃあ、一日入ってみる?」結局、その初日ポッキリで終わり。古本街の本屋の上階にあるバーだったので、もしかしたらやれるんじゃないかみたいな錯覚を持った結果の、突撃トライアルだった。

「客を上から見下ろすな」と、その日飲みにきていた店の会長に言われてしまった。背がでかいせいだ。そう、自分のなかでは誤魔化しておいた。

"笑顔ならまず誰でもできるサービス。"



20190825 日曜日。
Today's flowerと札のついた花束。よく見ると、ブーケごとに中身が微妙に異なる。花の色の組み合わせと、緑の葉の形と、どちらもが勢いがあるものを選んだ。川谷絵音をむっちゃ良い人にしたようなお兄さんが、天使のような口調で受け答えながら、花を預かってくれる。
花屋のお兄さんのような人が、花屋のお兄さんになる、という世界の事実。

夕飯後、ランニングに出かける。鬼ごっこ、に見えるけれど、きっと私の知らない新種のゲームらしきものをしている男子の小学生軍団。
都会の子は、ひしめき合った住宅街を遊び場に様変わりさせるんだな。
隣の駅まで行って戻ってきたら、ゲームは終息したらしく、解散前のミーティングタイムの模様。


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