WCSC29 2次予選 自戦記その4

6回戦 習甦

2勝3敗で迎えた6回戦の相手は、人間vsコンピュータの電王戦にも出場された、習甦でした。

今大会、習甦は去年のelmoと同じ、200手目が指せないバグを抱えていたとのことです。対局開始後、習甦の開発者の竹内さんに挨拶に行ったところ、「手短かにお願いします」と言われました。振り飛車だと自然と長くなっちゃいます…というような返事をしたと思います。

余談ですがコンピュータ将棋の場合、対局開始前に「お願いします」とか挨拶をする決まりは特にありません。そもそも対局相手が自分の近くにいるとは限らないですし。自分の場合、何間飛車になるか見届けてから挨拶に行く感じでした。

6戦目にして4回目の後手で、また四間飛車でした。7回戦から9回戦までは先手だったのですが、これで後手番4局全部四間飛車になりました。ツイートの画面、42飛車は実は定跡には入っておらず、5手目の38銀が珍しいようです。4局の後手四間飛車のうち、定跡で飛車を振ったのはelmo戦だけでした。なので偏ってしまったのは偶然なのか何なのか。

先手の銀冠穴熊vs後手の木村美濃でお互い手待ちする中、後手から60手目65歩を突いて戦いが始まりました。先手から激しく端攻めをされるものの、98手目の65香で田楽刺しを決めると、先手の攻めに乗じて玉を逃げ始め、評価値が一気に良くなりました。

ツイートの局面は147手目ですが、その後、習甦の竹内さんがこられて、こちら(習甦)の負けですねということを言われました。そして先手が199手目を指せず、こちらの時間切れ勝ちになりました。

これで1勝3敗の状況からの2連勝で、3勝3敗になりました。棋譜はこちらです。

7回戦 Novice

7回戦の相手はNovice。ソフト面ではクラスタリングを含めフルスクラッチ、ハード面ではIntel社のサーバ一室の一角を借りて通常では実現できない構成にしてくる等、やねうら王(新人)並みに、こんな初心者がおるか!というチームです。6回戦までの成績は3勝2敗1分けで、うち1敗は時間切れ負け(棋譜を見るとトラブルがなければ勝っていたっぽい)でした。

また、前日のテスト対局では、こちらが後手で評価値-500まで押し込まれたところで会場の都合で中断、という出来事がありました。そのため、こちらとしては相手のトラブルが再発することに期待するしかない感じでした。

将棋はこちらの先手で初手78飛からの三間飛車。美濃囲いに入るまでは定跡どおりの展開でした。

80手目まであたりまでは互角も、先手の飛車を攻める手が有効だったようでそれ以降はずっと後手のNoviceペースだったようです。

ということで負け、3勝4敗となり決勝リーグ進出は難しくなりました。棋譜はこちらです。


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