WCSOC2020 2日目 2回戦 vs 名人コブラ自戦記

HoneyWaffleの2回戦の相手は 名人コブラ でした。

対戦相手:名人コブラ

ニコニコの電王トーナメントで出した超無敵囲いのインパクトが絶大で、私がコンピュータ将棋を始めるきっかけの一部であることは間違いないです。それからやねうら王ライブラリ勢になり、第28回、第29回と連続して決勝リーグ入りしています。(今大会でも7位となり決勝リーグ入り相当です)

居飛車の棋譜、闇に飲まれる

この対局では振り飛車を指せずに相居飛車の将棋になった結果、名人コブラさんに勝つという、試合に勝って勝負に負けた感じになりました。名人コブラさんの方で、別段定跡外しを企ててるとかではないため、定跡作りに専念していた割には、完成度の低い面が出てしまったということになります。

この対局の棋譜なのですが、たまたま2回戦の時間帯に中継サーバーのトラブルがあったようで、対局時点でツイートしたリンクが無効になっています。

実はコンピュータ将棋協会のサイトにはそれらの棋譜も含めて一式アップロードされています。が、他の対局のように動く盤面がなくて不便なので、別途こちらに掲載しました。

リンク先の棋譜コメントに、飛車を振る前の定跡手について意図を記載しました。初手に66歩を選ぶ理由について、そちらに書いた以外については石田流の定跡を深めようとする際の余地、相振り飛車の駆け引きの余地、76歩34歩66歩型の出現頻度を高める、という意図が挙げられます。

ただ、やはり66歩から変わった手順を誘発させておきながら飛車を振れなかったのは完全にミスでした。具体的には、今回の振り飛車定跡は、振り飛車の勝ち局から自動生成したものと、手動で検討を回して追加したものの2種類の手が入っています。66歩(34歩)76歩(14歩)78銀という手は手動検討の方で、つまりは検証対局にて66歩(34歩)76歩(14歩)の局面で26歩を指した結果、その手の修正の意味で登録された78銀という手でした。その後に検証対局で84歩が発生しなかったため、そういう不完全な分枝が残っていたということになります。

ただしKPPT版の振り飛車評価関数+美濃囲いボーナスをつけるHoneyWaffleであっても、この局面では居飛車を推奨していました。

ちなみに手動で検討して追加する手は、基本的にdepth36が基準です。40手以降になると時間がかかりすぎるのでdepth30くらいになりますが。一方検証対局は、12スレッド1手30秒として、1手につき2億から3億ノード読むようにしています。これにより、棋譜をそのまま定跡として採用しても選手権本番のレベルを維持したつもりでした。が、それくらい読ませるとランダムで手がぶれる要素が少なくなってしまうので、その結果居飛車側のバリエーションが少なくなり、対応できなかったものだと思います。

ともあれこれで開始2連勝となりました。






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