WCSC31二次予選 3回戦 vsTMOQ

HoneyWaffleは2回戦に勝利し、1勝1敗で3回戦を迎えました。

3回戦の相手はTMOQで、特大もっきゅと読みます。dlshogiを使ったディープラーニング勢ですが、ディープラーニングで起こりうる読み抜けを補うために、「監査機能」を導入されているとのことです。(詳細はチーム一覧からアピール文書を参照)こういったハイブリッド的な構成は、かなり有力だと個人的に思っています。

後手ノーマル三間飛車

棋譜はこちらからどうぞ。

24手目35歩まで、先手が端歩を受けず、早めに居飛車穴熊を明示したのに対して後手のHoneyWaffleは石田流の形を目指す格好になっています。実は先手は23手目66銀まではノータイムで、定跡またはponder(相手の手番中に先読みすること)がうまくいっていることが考えられ、こちらで用意してきた定跡は12手目の94歩まででした。つまり端歩を受けてはくれるがやっぱり穴熊にするんですねというのを本線で定跡作っていました。

そのため定跡で時間的にリードするという作戦だったのに逆に時間を早く使わされています。しかし、TMOQさんはゲーミング系のノートPCのため、こちらの業務用スリッパ(高級スリッパと呼ばれるThreadripperのサーバー仕様版EPYC)との比較ではスペック的に大差でした。

TMOQは、結局端歩を受けて、66に上がった銀を57に戻ったりと、詳しくないですがあまり調子がよさそうには見えないです。38手目36同飛まで、振り飛車の攻めの銀が穴熊に合体するはずの金とあっさり交換になったのは振り飛車が悪い道理はないかなと思います。水匠2の棋譜解析でも、1手でおかしくする手は出てこないですが、上記の手順のように徐々に形勢が傾き、44手目の84角で評価値のマイナスを返済して100~150ほど振り飛車に振れています。

70手目の45桂、72手目57銀に続いて74手目57桂成、76手目65桂、78手目77桂成と、左右の桂馬も相手の駒との交換を果たし、躍動っぷりがすごいです。以降は居飛車穴熊をじわじわと攻略する流れになっています。

zoomで話してて面白いと思ったのは141手目の79桂で、これにより桂馬4枚の穴熊になっていました。

172手でHoneyWaffleが勝ちとなり、2勝1敗となりました。三間飛車で2連勝中です。

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